日本を元気にする会の危機~参院比例区の出馬要件~

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井上義行の離党で元気にする会がヤバイ

 

日本を元気にする会が、政党要件を失うことになるとみられる。
日本を元気にする会で、国対委員長を務める井上義行参議院議員が、7日、離党届を提出した。
離党の理由について、井上氏は「新たな道で政治活動したい」と説明している。
自民党関係者によると、井上氏は、2016年1月4日の通常国会召集にあわせて、自民党の会派に入る意向。
井上氏の離党により、日本を元気にする会は、所属する国会議員が4人に減り、政党要件を失うため、松田代表は、無所属議員に合流を呼びかけて、政党要件を維持したい考え。

日本を元気にする会・井上国対委員長、離党届を提出

個人的には『ああ、やっとあるべき位置に井上義行が行くんだな』という思いです。

だって、井上義行氏は元々第一次安倍内閣の内閣総理大臣首席秘書官で、本人も『師弟関係』というくらい(総理との師弟対決、再び!!|井上よしゆき オフィシャルブログ Powered by Ameba)には関係が近いままの存在なのです。これで野党にいても説得力は皆無なのは当然ですよね。

(こんなのが国対やってる時点で、日本を元気にする会は怪しさ極まりないのですが、山田太郎氏は政調とかやってますし、他は政界経験の浅い山口議員と、あのアントニオ猪木氏ですから、消去法的な感じなんでしょうかね)

で、当然のように『自民党入り』が報道から出てくる始末で、これ『安保法案のあの妥協を手土産に自民党入り』という最低なストーリーなんじゃないんでしょうか?

こんなことをしでかすような人に頼らざるを得なかった日本を元気にする会、ホント散々だと思うんですが、この井上義行氏の離党は、日本を元気にする会にとって評価の低下以上に散々な効果をもたらします。

 

政党交付金がもらえない

政党交付金というものは、政党助成法に基づき、その年の1月1日時点の状況を届け出ることでもらえるお金です。そして政党助成法上の政党となるために必要な要件は以下の二つの内のどちらかとなっています。

(1)所属国会議員が5名以上

(2)所属国会議員が1名以上、かつ、次のいずれかの選挙における全国を通じた得票率が2%以上のもの
○ 前回の衆議院議員総選挙(小選挙区選挙又は比例代表選挙)
○ 前回の参議院議員通常選挙(比例代表選挙又は選挙区選挙)
○ 前々回の参議院議員通常選挙(比例代表選挙又は選挙区選挙)

 

今回井上義行議員が正式に離党することになると、日本を元気にする会は所属議員が4名となり、かつ、どの国政選挙も経験したことがないため、政党交付金の届け出を行うことができなくなります。

日本を元気にする会は今年一年で1億1,900万円を受け取っていた(平成27年分政党交付金の交付決定)ので、これがなくなるのは非常に大きいのではないでしょうか?

 

参議院議員選挙での比例代表名簿提出に高いハードル

日本を元気にする会が政党助成法上の政党の要件を満たさなくなることは、先ほど書きました。それが国政選挙での不利益にもなるのです。

特に参議院議員が4人所属でそのうち3人が比例選出である日本を元気にする会にとって重要なのは参議院議員選挙での比例代表の名簿が提出できる条件というものではないでしょうか?

参議院議員選挙で比例代表の名簿を提出するためには実は条件があります。

それは

(1)所属国会議員が5名以上

(2)次のいずれかの選挙における全国を通じた得票率が2%以上のもの
○ 前回の衆議院議員総選挙(小選挙区選挙又は比例代表選挙)
○ 前回の参議院議員通常選挙(比例代表選挙又は選挙区選挙)

(3)当該参議院議員選挙において、その届け出によって増加する比例代表候補を含めて、10人以上の候補を擁立すること。

これらが参議院議員選挙での比例代表名簿を届け出ることが出来る条件となっています。

(1)(2)は政党助成法上の政党の要件を引用しているのですが、それを満たさなかった場合、(3)を満たす必要があります。つまり10人以上の候補者を参議院議員選挙で擁立しないといけないのです。

 

供託金の額は、選挙区の候補が一人300万円、比例区の候補は一人600万円です。これは、ただでさえ政党交付金が無い政治団体にとっては、重くのしかかるように思います。

(比例区の場合、(当選者×2)人分の供託金が戻ってくる。選挙区だと(有効投票者数×当選枠)の8分の1の得票を得た候補者が供託金が戻ってきますが、供託金が確実に戻ってこないような落選候補者でも、候補者を一定数確実に出さないといけないというのは非常に辛いと思います。)

以上、二つの負の効果が井上義行氏の離党によって日本を元気にする会にもたらされます。

 

日本を元気にする会の松田代表の一般論が面白い

 

この離党届を受けてのブログ記事を、松田公太代表は書いています(豆知識ですが、松田公太氏は毎日ブログを更新しています)

井上議員の離党届|松田公太オフィシャルブログ Powered by Ameba

このブログ記事では、あくまでも離党届は預かったもので受理ではない、としていたり『この時期、このタイミングで提出することの重い意味』という記述をしていたり、切実さが全面に出ています。

そしてこの記事を書いた二日後の定期更新で、松田公太氏は以下のブログ記事を書いています。

船から飛び降りるタイミング|松田公太オフィシャルブログ Powered by Ameba

最後に『(あくまでも一般論として、昔の出来事を思い出しながら書きました。)』と書いているのですが、一般論を語るときは『あくまでも、前提となる現在の出来事がある』ことが大半です。

そこで私は以下の記述に注目しました。

『勿論、それは船が大きく揺れるような状況をつくってしまった船長の責任です。
しかし、機関長や実質的には共同の船長になる予定だった航海士が(うまく理由をつけながら)我先に逃げ出そうとすれば、本当は助けられる筈だった船も、助けられなくなってしまいます。
上に立つものが逃げようとしている光景を見れば、乗組員も動揺します。また、一緒に逃げる同調者を増やすために純粋な乗組員まで口説こうとすると、必要のない内部分裂も引き起こしてしまいます。』

これ、誰のことを述べていると思いますか?

松田公太氏が『昔の出来事を思い出しながら』ということを背景に考えて、私は以下の3名が頭に浮かびました。

・井上義行氏(もちろん、現在船から逃げようとしている当事者。本人のプロフィールを参考にすると『国鉄機関士』とのことなので、機関長はこれを意識して書いている可能性も)

・江田憲司氏(『実質的には共同の船長になる予定だった航海士』江田憲司氏は、みんなの党の実質共同代表だったのは有名かと)

・江口克彦氏(あまり有名ではないかもしれないが、江口氏のやめ方も酷かった。『渡辺喜美に代表辞任を死ぬ気で迫ったから』などということを表向きの理由として離党したのだが、政治家として辞職するなどの『死』はせずに、ぬくぬくと仲良くしていた平沼赳夫氏のいる次世代の党に合流するという豪快な逃げっぷりを見せつけていた)

なんとなく江口氏は松田公太氏本人はどうでもいいと考えてそうですが、私の頭の中に出てきたので3人名前を上げてみました。

こういういろんな推測もできるので、政治オタクとしては松田公太氏のブログ、非常に面白いです。(同じようなブログに山本一太氏のブログが有りますが、文体や性格が独特すぎて生理的に受け付けません。あしからず)

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