麻生太郎氏は切り取られなくてもだめ

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記者は「出費について政府が臨時の支出をすることも具体的に考えているか」などと質問。麻生氏は「(休校などの)要請をして費用がかかる場合は、政府が払うのは当然のことなんじゃないですか」と回答した。麻生氏は次の質問を待つ間、記者に「つまんないこと聞くねえ」とつぶやいた。記者は「国民の関心事ですよ」と返したが、麻生氏は「上から(上司から)言われて聞いているの? 可哀そうにねえ」と述べた。

麻生財務相 休校中の学童保育負担「つまんないこと聞く」 新型肺炎対策 – 毎日新聞

この麻生太郎氏のつまらないことを聞く発言、切り取りであって、文脈通りに置くと問題発言ではない、という指摘がなされているようですが、そんなことないですね、という記事です。

まず、そういう指摘をしている人のサイトのサンプルなんですが・・・

こういう感じで反政権とマスコミ批判に思考の偏りがある持ち主の人が書いたブログなんですが。

毎日新聞「つまんないこと聞く」は麻生大臣の肝心な発言を隠してミスリードしていたことが判明
毎日新聞が2月28日に、麻生財務相 休校中の学童保育負担「つまんないこと聞く」、

このブログはミスリードと言っていて、結論としてはこう書いています。

  • 麻生大臣の実際の発言は、休校中の学童保育負担について「つまんないこと聞く」と発言したのではない。
  • 休校を要請したばかりでどうなるかもわからないのに、政府の支出の具体的なスキームが決まっているはずはないでしょ。(揚げ足を取るために)上司から言われて聞いているの?  ほんと、つまんないこと聞くね。…の流れ。

まぁ、ある意味で麻生氏が抱いているマスコミへの偏見は括弧書きの中身とか、とても忠実に再現できているのかもしれないですが、麻生氏にその偏見があるからこそ、『休校中の学童保育負担について「つまんないこと聞く」と発言した』ことが違うということが麻生太郎氏の発言からわかるのです。

まず、忠実に発言内容を書いている朝日新聞の記事を引用します。

この日の会見では、安倍晋三首相が小中高校と特別支援学校の臨時休校を要請したことに関連して、それに対応する親が働く企業への影響や、その際の費用負担について見解を問われた。麻生氏は「経費がかかるとかいろんなことについては、対応することになるんだと思います」と、政府の支出となるとの考えを示した。

 これに関連して、記者の一人が「具体的なスキーム(仕組み)はこれからか」と質問したところ、麻生氏は「こちらは要請を受けて出すんですから、こちらが最初においくらですよって決めて言うわけないでしょう」と回答。その後に「つまんないこと聞くねえ」と発言した。この記者から国民の関心が高いと反論されると、「言われて聞くのかね? 上から言われてるわけ? かわいそうだねえ」と返した。

麻生財務相、休校費用の質問に「つまんないこと聞くね」:朝日新聞デジタル

さて、この朝日新聞の記事には(上記ブログ記事と同じように)、麻生太郎氏と記者のやり取りが載っています。

そこを見ると、この臨時支出のやり取りの始まりがこれなんですよ。

 ――そうした臨時の出費に対して政府が何か臨時の支出をすることも具体的に考えているか
 「聞いてんのそれ? 質問?」
 ――質問です
 「こういうのを要請をして、経費がかかる場合は政府が払うというのは、当然のことなんじゃないですかね。当たり前のこと聞かんでください」

「聞いてんのそれ? 質問?」
「当たり前のこと聞かんでください」

これが出だしなんですよ?明らかにこれらの発言と「つまんないこと聞くねえ」はつながっているでしょう?文脈的に。

はなから記者の質問にたいしてすべて揶揄していくやり取りなんですよ。麻生太郎氏のやり取り。

それで、単独の言葉が、直前の言葉だけにかかっているという文脈のとり方はしづらいのではないですか?

そんな記者とのやり取りが一旦記者の「ありがとうございます」で締められた後にポロッと漏らしているわけですから、この記者の質問全体についての感想が『「つまんないこと聞くねえ」「言われて聞くのかね?上(上司)から言われているわけ? かわいそうだねえ」』であると解釈するのが当然ではないでしょうか?

質問全体が『当たり前』で『つまんないこと』であって、そんなこと聞くのが『かわいそう』なんですから。

また、ブログの文字起こしを見ると、その前にこんなやりとりしてるんですよ。

(前略)
これは命令じゃありませんからね。間違わないでくださいよ」
記者「要請ですよね」
麻生大臣「あなたのとこはよく間違えているからね」
記者「いいえ、そんなことないですよ」
麻生大臣「しょっちゅうありますよ(笑)」

この要請と命令の違いって、とても繊細なもので、『事実上の要請じゃないか!』ってのはよくあるわけですが、そういう部分のやり取りで記者に対してこれです。

そもそも普段からこういう一方的な態度を取っているせいで、記者が一時的に背負っているものすら否定してしまう、そういう麻生氏の問題が露骨に出たやり取りであろうと思うのです。

そういう、記者を馬鹿にする麻生太郎という文脈を踏まえると、ブログで『(揚げ足を取るために)上司から言われて聞いているの?  ほんと、つまんないこと聞くね。』と括弧書きの補足をしているのですが、そうではなくて、あり得る解釈は『(ちょっと考えればわかる常識的なことを何も考えずに聞いてくるということは)上司から言われて聞いているの?  ほんと、つまんないこと聞くね。』だと思うんですけどね。

でも、そんな解釈をしても、その前から『当たり前のことを聞かんでください』と、当たり前と言い切れないことに対して言っていたことについては打ち消せないわけで、そういう文脈が篭もっているからこそ『つまんないこと聞く』がどの範囲にかかっているかの解釈が『休校費用の質問に「つまんないこと聞くね」』というような聞くこと自体馬鹿にしているという解釈になるのだと思います。

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