戦争中の兵士はいろんなものに酔っている

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昨年8月にトランプ大統領が選挙資金パーティーで話していたとされている、安倍首相との会話についての内容についていまだにひっかかっていることがあります。

 同紙が「特ダネ」として伝えたところでは、トランプ氏は日米首脳会談での関税問題をめぐるやり取りについて、安倍首相の日本語なまりをまねて紹介した。

 トランプ氏はまた、安倍首相との友情についても言及しつつ、父親が特攻隊の生き残りだったことを首相から知らされた際、「特攻隊員は酒を飲むか薬物を摂取して出撃したのか」と聞いたと明かした。

 安倍首相は「いや、彼らは祖国を愛していただけだ」と答えたとした上で、聴衆に「想像してくれ。彼らはただ愛国心に支えられ、片道燃料の飛行機で鋼鉄の艦船に突入したんだ」と訴えたという。

トランプ氏、日韓首脳の「なまりある英語」を揶揄 安倍晋太郎氏が元特攻隊員と知り感銘

トランプ氏はさらに、安倍晋三首相の日本語なまりの英語をまねして、日米の貿易関税をめぐる話し合いについて説明した。また、安倍氏の父晋太郎氏が特攻隊に志願した話に感動したとし、特攻隊員は酒を飲んだり、ドラッグを摂取したりしていたのかと安倍氏に尋ねると、安倍氏は否定したと語った。トランプ氏は「燃料が半分の飛行機で愛する国のために鋼鉄の船に突っ込んだことを想像して欲しい」と述べた。

トランプ氏、日韓首脳の英語のなまり揶揄 演説時にまね:朝日新聞デジタル

トランプ氏は日米の貿易交渉をめぐる安倍首相との会話をなまりのある首相の発音をまねながら紹介した。首相の父・晋太郎氏が第2次世界大戦中の神風特攻隊に志願したことに感銘を受けたとも話した。

トランプ氏が特攻隊のパイロットは出撃前に酒に酔ったり薬物を摂取したりしていたのかと尋ねると安倍首相は否定。パイロットは国を愛していただけだと応じたという。トランプ氏はパーティーの聴衆に対して「片道の燃料だけを積み、愛国のためだけに鋼鉄の艦船に突撃したことを想像してみてほしい」と語りかけた。

トランプ氏、日韓首脳をやゆ 金正恩氏と友好アピール: 日本経済新聞

パーティーはニューヨーク郊外で開催。同紙によると、トランプ氏は約五百人の参加者を前に、日米首脳会談で貿易交渉を巡るやりとりを安倍氏の発音をまねて冗談交じりに紹介した。安倍氏との友情にも触れ、安倍氏の父晋太郎氏が神風特攻隊に志願したことに感銘を受けたと話した。

 トランプ氏は「特攻隊員は(出撃前に)酒に酔ったり薬物を摂取したりしていたのか」と尋ねると、安倍氏が「違う。彼らはただ国を愛していた」と答えたと説明。このやりとりを振り返り「彼らは愛国のために、片道の燃料を積んだ飛行機で鋼鉄の艦船に突っ込んだ。想像してみてほしい」と聴衆に述べたという。

東京新聞:トランプ氏、日韓首脳やゆ 「なまりのある英語」まね:国際(TOKYO Web)

いや、喋ってる人間がトランプ氏ですから、発言内容の信頼性も差し引かないと行けないでしょうし、トランプ相手にしゃべるときは、他国の首脳以上にご機嫌を取りに行くのではないかと想像できるのですが。

また、安倍晋太郎氏の話をした流れなので、安倍晋太郎氏自身がやっていたと自白していない以上、認められないでしょうけど。

トランプ大統領がそれを鵜呑みにして言ってんのか、バカにする流れで言ってんのか迷うくらいには「想像してほしい」と「愛国心のみで特攻」することを例示されてしまうのは、困惑します。

いや、トランプ大統領が「Make America Great Again」を掲げている共和党系の大統領である以上、ほぼ確実に愛国心を称賛する流れであると思うんですけど。

けれども、そんなに称賛されてしまうと、トランプ大統領が疑問として述べたとされる、『特攻隊のパイロットは出撃前に酒に酔ったり薬物を摂取したりしていたのか』について『彼らはただ国を愛していた』と返したとされる安倍総理の発言について、「事実はそうとも限らない」的なファクトチェックをしたくなりますね。

「実は、覚せい剤、つまりアッパー系の元気が出るいけない薬物は、ほとんど日本独自の乱用文化だったんです。1800年代の終わりに東京帝国大学の薬学部の教授が、喘息の薬として開発したものですし、戦前ではうつ病の治療なんかにも使われていました。第二次世界大戦中には、軍需工場で夜通し働かせたり、神風特攻隊の人たちがそれをキメて突っ込んでいったり、軍需品として使われました。戦争が終わってその軍需品が放出される中で、ヒロポンっていう商品名で流通して、小説家とか新聞記者とか学生みたいな人たちの中で、寝ずに仕事できる、勉強できる薬として広がりました。それで、1951年に覚せい剤取締法ができたわけですよ」

第3回 覚せい剤の乱用文化は日本起源だった | ナショナルジオグラフィック日本版サイト

1938年にドイツでメタンフェタミンが発売されます(商品名は「ぺルビチン」「ベンゼドリン」など)。ドイツ軍は長時間にわたる過度の軍務を容易にし、一方では士気が高まることから、兵士への供給を開始します。それを見た日本軍もさっそく導入を決め、製薬業者に生産させ、軍用に使ったのでした(1940年にメタンフェタミンの市販開始)。

 その頃は覚醒剤の問題点(中毒性や精神障害など)は知られておらず、普通に薬局で市販されていました。宣伝の惹句は「除倦覚醒」で、内服用に1mgの錠剤のみ販売されていました。当時の覚醒剤は4〜5mgもあれば十分に効果があったので、錠剤4〜5錠飲んで徹夜するというのはわりと当たり前の光景でした。

 軍隊でも軍需工場でも覚醒剤の使用が始まりました。よく特攻隊が自爆攻撃できたのは麻薬を服用していたからだといわれますが、これは事実でしょう。ただし、繰り返すように当時は普通の市販薬だったので、特に悪いことではなかったはずです。  薬害についても、戦時中は命令的に適量を一時的に使っていただけなので、深刻な被害は出ませんでした。

覚せい剤の歴史

このように、現代のレッドブルのような、カフェイン感覚で(もしくはそれよりも軽い感覚で)薬物が使われていたというのが実態でしょう(ちなみにこれは日本軍に限らないのは言うまでもない。グレートなアメリカの軍隊なんて、未だに薬物問題は身近である可能性が高い)

覚醒剤の助けで戦闘に臨む米軍兵士たち
米軍は、第二次世界大戦から現在にいたるまで、兵士たちの注意力を高めるため覚醒剤(デキストロ・アンフェタミン、通称スピード)を配布し続けている。パイロットの場合は、服用を拒絶すれば飛行任務を解除され得る、という条件付きだ。しかしこの薬剤には深刻な副作用があり、精神病性の異常行動や、抑鬱、不安、妄想などを招く怖れがある。昨...

また、週プレNEWSに掲載されている戦争経験者の証言によると、流石にトランプ大統領が質問で想定していそうな当日に酒は飲んだという事例はなさそうだが、前日に酒を飲みすぎた状態で突っ込んでいった人はいたようです。

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このような感じで、戦争中、日本軍の方々は愛国心も酔うものだと言われるが、愛国心だけではなく、いろんなものに酔っていたんだろうと推測できます。

そのような事実が美しい国になるために、国の歴史を美しいものにしていく中で、ひっそりと「知られざる事実」にされていくのではないか。

そういうことが、この会話をしているのが、歴史修正の傾向のある主張と支持層に囲まれているトランプ大統領と安倍総理の会話で思い浮かんでしまい、気になってしまうのです

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