桜を見る会の諸問題

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桜を見る会の招待人数が増えていることを発端に始まった問題が、安倍晋三事務所の政治資金問題も混ざりつつ、複数の話題が混ざる、いつもの「なぁなぁ」で終わりかねない流れになりつつあります。

中止になった「桜を見る会」にまつわる9の数字
2004年に約8000人だった参加者は2019年には1万8200人に。ここ5年で支出の総額は2000万円以上増加。安倍首相や萩生田文部科学大臣の後援会の会員が多数招待されていることも問題視されている。

桜を見る会批判の発端は、このBuzzFeed Japanの記事にあるような、(参加人数の増大に伴う)開催費用の肥大化にありました。

時事ドットコム

そこから、参加者に議員推薦枠があり、それが明らかに大きいこと、つまり政府の行事と銘打って、単なる与党の支持者固めとしての性質がどんどん肥大化をして、それを総理周辺や与党が露骨に利用するようになっている実態についての疑問などが広がっていったように思います。(要するに「度を越している」のではないか?と)

共産党・田村智子参議院議員の事務所が内閣府から入手した資料によると、2019年は飲食物提供業務に2261万5000円、会場等設営業務に2167万円が支払われている。

2014年には飲食物提供業務に1432万4000円、会場等設営業務に928万5000円が支払われていた。この5年間で飲食提供の費用は1.5倍に、会場設営の費用は2.3倍に膨れ上がっている。

このように「民主党政権下での桜を見る会」とは違っている要素がいくつも存在しているにも関わらず「民主党もやっていた」で押し通そうとしたり、民主党政権時代に開催してることを「スクープ」とか言い出す方々は、自民党以外をバカにせず、少しは頭を使ったらどうでしょうか?

今回、安倍晋三事務所が槍玉に挙げられているのは、桜を見る会を利用して後援会のツアーを組んだことが大きな原因です。

このツアーの人数が800人程度と非常に多い人数であったことから、桜を見る会の肥大化と各議員の推薦枠の増加が比例しているのではないか?つまり各議員の支援者を多く招いて自党の支持固めに利用するために桜を見る会の参加者数を増やしたのではないか?と思われているということが一つ。

その点については事実上認める形で、参加者の半減の検討やら、民主党もやっていたなどの批判が飛んでいるようですが・・・

鳩山政権は09年9月に発足したが、半年がたち支持率低下に直面していた。桜を見る会の少し前、小沢一郎幹事長が陣取る党本部から「せっかくの機会だ。10人分の名簿を出すんだ。これで後援会を固めろ」という指令が出たという。

「本来は、各界で功績や功労があった方が招かれるべきだが、自民党政権時代から(後援会関係者を呼ぶのは)慣例のようで、民主党の同僚議員も党本部に従っていた。私は恥ずかしながら、地元・大阪の後援会では集まらず、東京の知人や元上司ら5、6人分を集めて、名簿を党に出した」

旧民主党所属、自民・長尾議員が激白! 鳩山政権の時も「後援会で固めろ」という指令が 野党の追及「しらじらしく、悲しくなる」

指示を出しているのが、元自民党の小沢一郎氏であることといい、長尾議員自身でも「自民党政権時代から(後援会関係者を呼ぶのは)慣例のようで」と述べているので、自民党の時代に慣例であったことは確定であるわけで、その慣例が行き過ぎていることについての批判や、自らそういうことを行った経験に基づいての批判などは、全く「白々しくない」と思いますし、『『推薦枠があるのか』『どんな功績・功労があるのか!』』と言ってるのを旧民主勢としていますけど、そう言ってるのはどっちかというと、政権経験のない共産党とか、社民党などから民主系勢力に合流した方々など、民主党政権の経験がない方々のように思いますので、一緒くたにするのは夕刊フジらしい醜い雑さだと思います。

ちなみに、民主党政権下での桜を見る会については、国民民主党党首の玉木雄一郎氏が触れた上で廃止等の検討をするということを述べています。

国民民主党の玉木雄一郎代表は13日の記者会見で、当時の招待客選定に関し、「各議員4人の推薦枠があった。民主党政権も含め、基準が曖昧なところがあるのも事実だ」と語った。このため、同党内には「絶対にブーメランになる」(参院幹部)との懸念もある。
 だが、立憲の安住淳国対委員長は共同会派会合で、安倍晋三首相の後援会関係者約850人が参加していたと問題視。「これは後援会活動だ。首相が説明しない限り終わらない」と徹底追及する考えを強調した。政府が招待客リストを廃棄したと説明していることにも反発を強めている。

「ブーメラン」恐れず攻勢 桜を見る会、民主党政権も開催:時事ドットコム

招待基準が不明瞭になりがちなのは、行政が主催する「検討会議」等々、外部から人を呼ぶものではよくあることですが、不明瞭だとしても批判できるように、せめて情報公開に応えられるようなものにしておくべきものだろうと思いますし、こういう会はどういう人を呼ぶのかが政権の性質を示すメッセージにもなるわけで、そういうアピールのためにも誰を読んだのかはある程度オープンにしたほうがいいと思います。

そういう意味で、今回の桜を見る会の資料が一年以内に廃棄されているという現状は、とても酷い状況と言えると思います。

14日で3日連続の開催となった、「桜を見る会」の追及チームの会合で、出席した議員からは、4月13日に開かれたことしの会の招待者名簿などを廃棄した時期をただす質問が相次ぎ、内閣府の担当者は、紙の資料は5月9日に廃棄したと明らかにしました。

共産党の議員は、「この問題を国会で取り上げるために、5月9日は、質問の準備で、内閣府に聞き取りを始めたタイミングだ。なぜそのタイミングなのか」と指摘しました。

ほかの議員からは、「なぜ1か月近く保存していたものを、その時期に廃棄したのか」などという声が出され、内閣府の担当者は、「例年、同じ時期に捨てている」と説明しました。

桜を見る会 内閣府「招待者名簿は5月9日に廃棄」 | NHKニュース

 「桜を見る会」を国会で初めてただしたのは、5月13日の衆院決算行政監視委員会での日本共産党の宮本徹議員の質問です。その質問の準備のために宮本氏が内閣府に招待者が増加した理由や選考基準などの資料を要求したのが5月9日でした。同氏の資料要求当日に内閣府が「招待者名簿」を廃棄したことになります。

 菅義偉官房長官は15日の記者会見で「招待者名簿」の廃棄について問われ、「従前から保存期間1年未満文書として終了後遅滞なく廃棄する、との取り扱いをしている」として、宮本氏の資料要求当日に名簿を廃棄した事実は「(記者会見で)初めて聞いた」などと答えました。

 内閣府はヒアリングで、「招待者名簿」の保存期間を「1年未満」と定めたのは「2018年4月1日」だったと証言。文書管理に関する政府の統一方針として17年12月に保存期間「1年未満の文書」という区分を設けたことに基づくものだと説明しました。17年12月は「森友・加計問題」で公文書管理のあり方が焦点となっていた時期でした。

 「森友・加計疑惑」での安倍首相のウソをかばうために「見直し」た文書管理を利用して「桜を見る会」問題での野党の追及から逃れる―。公文書管理規則さえ“私物化”していたのではとの疑惑さえ浮かび上がっているのです。

「桜を見る会」資料要求当日に名簿廃棄/国会追及逃れか/公文書管理まで私物化

また、もう一つの問題として追求されている、安倍晋三事務所の後援会ツアーについては、そもそも事務所は代理で料金徴収しただけで、懐に入れてないので収支報告は必要がないとしているようで、これも安倍政権らしい問題回避方法だと思います。

総理大臣主催の「桜を見る会」をめぐり、安倍総理大臣は15日夜、総理大臣官邸で記者団に対し、「さまざま報道があったので事務所から詳細について、きょう報告を受けた。夕食会を含めて、旅費・宿泊費等のすべての費用は、参加者の自己負担で支払われており、安倍事務所なり、安倍晋三後援会としての収入・支出は一切ないことを改めて確認した」と述べました。

そして、旅費や宿泊費は、参加者それぞれが旅行代理店に支払い、懇親会の会費は、会場の入り口で事務所の職員が集めてホテル側に渡す形をとっていたと説明しました。

また、安倍総理大臣は、前日夜に開かれた懇親会について広い意味での後援会活動だという認識を示すとともに、「価格設定が安すぎるのではないかという指摘があるが、5000円という会費は、大多数がホテルの宿泊者だという事情を踏まえ、ホテル側が設定した価格だと報告を受けている」と述べました。

そのうえで「収支報告書への記載は、収支が発生して初めて義務が生じる。交通費や宿泊費などを直接、旅行代理店に支払っていれば後援会に収支は発生せず、前夜祭についても、お金をそのままホテルに渡していれば収支は発生しないので、政治資金規正法上の違反には全くあたらない」と述べました。

「桜を見る会」安倍首相「すべての費用は参加者の自己負担」 | NHKニュース

これに関して、郷原信郎弁護士が「じゃあ、後援会の人、総理、総理の配偶者の参加費も個別に払ったのか?」という疑問を呈しています。

個人的には他に「じゃあ依頼はどうやってしたの?関係資料無いの?」とか考えてしまうのですが、その全ては次の話に関連していそうです。

その次の話というのは「一人5000円というのは適切なのか?」という話。

政府側の弁明や自称元ホテルマン(真偽不明)によると、高級ホテルは色々特権階級のような泊がついたりするような案件だと、色々と融通聞かせてくださるようです。上級国民の心強い味方ということでしょう。

ちなみに、このように民間企業を盾にして「民間の活動を邪魔するな」と野党の追求を阻害するのも、安倍政権でのよくある手法のように思います。

菅義偉官房長官は15日の記者会見で、安倍晋三首相の後援会が「桜を見る会」前夜に催した夕食会の会費を5000円と参加者に案内していたことに関し、「ホテルと趣旨などを話すことによって柔軟に対応いただけると思っている。過去にもいろんなところで経験がある」と述べた。

交渉次第で5000円も可能 安倍首相後援会の夕食会費―菅官房長官:時事ドットコム

ちなみにこの自称元ホテルマンは、嫌がらせしてくるような人には嘘の予約状況を伝えてお断りすることを示唆しており、ホント高級ホテルってろくでもないんだな、と縁のない人間として思います。

ということで、料金や領収書等々の疑問は「ホテルが経営判断で利権共同体に入ろうとして色々と融通を効かせている」で万事解消されていくのでしょう。
万が一補填がなされていても、後援会関係者の個人名義の支払いに化けていたりするのではないでしょうか?

政治資金規正法ってなんなんだろうな、って改めて思いますね。

(目的)
第一条 この法律は、議会制民主政治の下における政党その他の政治団体の機能の重要性及び公職の候補者の責務の重要性にかんがみ、政治団体及び公職の候補者により行われる政治活動が国民の不断の監視と批判の下に行われるようにするため、政治団体の届出、政治団体に係る政治資金の収支の公開並びに政治団体及び公職の候補者に係る政治資金の授受の規正その他の措置を講ずることにより、政治活動の公明と公正を確保し、もつて民主政治の健全な発達に寄与することを目的とする。

(基本理念)
第二条 この法律は、政治資金が民主政治の健全な発達を希求して拠出される国民の浄財であることにかんがみ、その収支の状況を明らかにすることを旨とし、これに対する判断は国民にゆだね、いやしくも政治資金の拠出に関する国民の自発的意思を抑制することのないように、適切に運用されなければならない。
2 政治団体は、その責任を自覚し、その政治資金の収受に当たつては、いやしくも国民の疑惑を招くことのないように、この法律に基づいて公明正大に行わなければならない。

政治資金規正法

最後に、安倍総理の元秘書である下関市長が色々と言っているのですが

総理主催でしょ? この国は民主主義ですよ。ある程度の権限が与えられておかしくないと思いますけどね。逆に私たちが民主党政権の時に、一歩も踏み入れなかったのも仕方ないと思ってますもん。自分たちの政策が国民の支持を得られなかったからでしょ? それはジェラシーでもなく、甘んじて受け入れた。選挙で勝って主催になって、多くの方に喜んでもらえるのって悪いことですか? そして総理大臣になったら我々有権者は会えませんからね。他の代議士みたいに。声を届けたくても届けられない。そういう方が地方で耐えて耐えて地方で歯食いしばって、自分が何十年も頑張って応援してきた代議士がトップを取って、招待状が届いて、やっぱり今まで応援してきてよかったなって、いいじゃないですか。そういうなんか、人情的な感覚というのは公金を扱ってルールにのっとって正しくやっていく中では、あまり言っちゃいけないのかもしれないけど、そういうのもあっていいんじゃないですか。そのおじいちゃんたちの家にいったら、桜の会の升を玄関に飾ってますよ。来年も行けるかなってもう1年、元気に生きなきゃいけんなって楽しみにしているわけですよ。そういう実情を、都会の国会議員はわかってんのかなって思いますけどね。特に野党議員。

桜を見る会 安倍首相の元秘書・下関市長はこう答えた…定例記者会見・一問一答 – 毎日新聞

この市長、自らを支持する業界団体とかを露骨に優遇してそうですね・・・

まず、民主主義は選挙の勝者にある程度の権限を与える仕組み、という理解は「議会制民主主義は期限を区切った独裁」という言葉を思い出します。

また、この市長の「人情的な感覚」による語り口には、無党派層などのどの候補者の後援会にも入っていないような人の存在が抹消されているようにも思いますし、総理の地元ではない地方にどれだけ招待された人数が居るのか?という話にもなります。

『自分が何十年も頑張って応援してきた代議士がトップを取って、招待状が届いて、やっぱり今まで応援してきてよかったなって、いいじゃないですか。』なんて私的な人情噺は、自分たちの(政党の)金でやってくれ、としか思えないです。

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