2015年3月11日の東京新聞を読んだ感想

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今年の311の東京新聞は普段より写真を多く掲載している印象。

・避難計画いばら道
茨城県の東海第二原発に関連した、原発事故時の圏内住民の避難計画についての記事。
未だに隣県の避難先とは協議が始まったばかりで、相手の意向すらわからない状況。
県庁そのものが原発から20キロの位置にあるので、事故の時に、災害対策本部を移転せざるを得なくなる可能性があるが、移転先は決まっていない。
病院や社会福祉施設にいる要配慮者の避難先も確保できておらず(避難先は施設が自主的に確保するようにというのが県の方針)、更に全員非難するには、新たに50人乗りのバス379台、福祉車両1955台、救急車1809台が必要と試算されたものの、この数の車両の手配は困難ということ。
在宅の要配慮者の把握と避難も課題。
一方で、同じく避難計画の策定を目指している水戸市は、計画を立てたところで『市民はヨーイドンで逃げてしまうから、計画通りには不可能』という限界を認めざるをえない状況になっている。

そして、現在一番心配されているのは、このように策定をしていこうとする過程で、いろんな問題が浮かび上がっている避難計画が、ずさんなまま策定となってしまった場合、避難計画がずさんなままでも原発再稼働に繋がってしまうのではないか?という事。
しかし、再稼働せずとも燃料が有る以上事故が起こる可能性は潜在しているので、避難計画は作る必要はある。
この計画への不信感を拭わない限り、避難計画はまともに機能しないのだろうと思う。

・手賀沼に注ぐ大堀川の上流部で高濃度汚染
手賀沼や、そこに注ぐ大堀川にいくつもある調整池の底にたまった底土や、その周囲の土を採取して測定したところ、非常に高いセシウム濃度が出た場所があったという記事。
廃棄物の基準を上回る高濃度汚染が確認された場所も大堀川の上流に存在したとのこと。(特に高濃度汚染されていた場所は、立入禁止の柵があった場所)
川や沼の底土に溜まりやすいというのは聞いたことがあったが、実際にそれが証明された形。
更にこの高濃度汚染が確認された池は、普段は底が乾燥していて、雨が降った時に水没するような場所で、水没(汚れた土砂が運ばれる)と乾燥を繰り返したことで濃縮されたようだ。
この情報は記事にするより先に地元自治体に提供されていて、地元自治体は「注意喚起を呼びかける看板を立てて、ホームページで周知していく」とのこと。
また具体的な対策も検討したいというが、除染は『またすぐに汚染土がたまってしまう』ということから消極的とのこと。

・家は残ったけれど
東日本大震災の在宅被災者に関する記事。
残った家の修理で精一杯だったり、そもそも家の修理も出来ない、そのくらい生活に困窮している人が在宅被災者には潜んでいる。
生活困窮の原因の一つが『医療費』であり、自治体が医療費免除を行っているものの、一時財政難で打ち切られるなど、免除がいつまで続くかわからず不安定な生活が続く。
在宅被災者は、仮設住宅に避難している方と同じような問題を抱えている場合が多いが、その点はこれまで注目されてこなかった。
また、家を直せないことを恥ずかしいとして困窮状況を隠したがるようで、被害を把握するのは非常に困難なようだ。

・こちら特報部
放射線の影響について不安に思う方々の声が掲載されていた。
不安に思うが、口にすると馬鹿にされたりして孤立してしまうから、自分の中にしまってしまう。
そして、不安に思う気持ちがどんどん増幅して、気軽に周囲と話すことができなくなってしまう。
これは放射線以外でも起こり得ることだ。
心配な思いは、デマバスターの存在で余計に増幅しかねない。
正しい情報を流すことは大事だが、それ以上に今不安な人が気軽に話せる存在ができることが必要なのだろう。
気軽に話せない結果『陰口を叩かれているのだろう』などの別な不安を増幅させているのだから。
(Twitterや2ちゃんねるを見ると陰口どころか、堂々とした悪口を見ることが出来、それで余計陰口を心配しだすこともあるだろう)

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