2017/10/30 会計検査院に指摘された辺野古海上警備業務の受注者はライジングサンセキュリティーサービス

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 防衛省沖縄防衛局が発注した沖縄県名護市辺野古沖の海上警備業務に過大積算があると会計検査院が指摘したことが、関係者への取材で分かった。2015、16年度の契約4件の予定価格は計約83億円で、すべて東京都渋谷区の警備会社が受注。米軍普天間飛行場(同県宜野湾市)の移設反対派に対する警備の「特殊性」を口実として、人件費などが過大に見積もられていた。

 辺野古沖では、移設反対の市民らがカヌーなどに乗って抗議活動を続けており、同局は埋め立て工事を安全に進めるため海上警備を発注している。受注社は子会社に業務を一部委託しながら現在も海上警備を行っている。

 各契約の一般競争入札は15年7月を皮切りに、16年3月と10月、17年1月に実施。受注社は1件目で予定価格24億790万円に対し23億9481万円で落札するなど、落札率は約98~約99%で推移し、100%に近い。

 同局は当初の入札の前、3社に見積書を依頼したが、2社が辞退し、受注社だけが提出した。国土交通省が定める沖縄県内の警備員の日割基礎単価(15年度)は7500~1万100円だが、毎日新聞が入手した受注社の見積書では「海上警備要員」の日割単価が3万9000~9万円と記載されていた。

辺野古:「警備費過大」検査院指摘 防衛省83億円で発注 – 毎日新聞

アメリカ軍普天間基地の移設に向けて、名護市辺野古の沖合では海上で工事が進められている一方、移設に反対する人たちによるカヌーなどを使った抗議活動も激しくなっていて、沖縄防衛局は警備会社を通じて地元の漁業者などを海上の警備員として雇っています。

会計検査院が昨年度までの2年間に警備会社と結んだ3回の契約内容について調べたところ、防衛局が入札の予定価格として用いた警備員の人件費の単価が通常のおよそ2万円の、1.9倍から4.5倍で積算されていたことがわかりました。
契約はいずれも東京に本社がある警備会社が受注し、合わせておよそ2億円が過大に支払われていたということです。
沖縄防衛局が複数の警備会社に見積もりを依頼したところ、入札に参加した1社からしか得られず、業務内容が特殊で警備員の確保が難しいと説明を受けたため、その会社の見積もりをそのまま採用したということです。

一方、実際に雇われた警備員の人件費は、通常のおよそ2万円を基準に計算されていたということです。

キャンプシュワブの海上警備費 2億円過大に支払い | NHKニュース

この会計検査院が指摘した、沖縄防衛局が杜撰な見積もりを掴まされた件、昨年琉球新報と沖縄タイムスがこの件について指摘する記事を書いていました。

 名護市辺野古沖の新基地建設予定海域で海上警備を請け負うライジングサンセキュリティーサービス(東京)が、人件費を実際に払っている5倍以上で沖縄防衛局に請求している疑いがあることが分かった。市民が情報公開で得た資料によると、ライジング社が2014年度の警備業務を受注するに当たって沖縄防衛局に提出した見積もりで「海上警備要員」の日当は3万9千円~9万円とされている。だが実際に支払われているのは9千円~1万7500円だった。大幅の差額がそのまま会社の利益になっている可能性がある。
 さらにライジング社が防衛局に提出した見積もりの単価を、沖縄防衛局がほぼそのまま予定価格の単価にしていることも分かった。

 ライジング社の子会社、マリンセキュリティー社(沖縄市泡瀬)が求人誌に出していた求人情報などによると、業務の給与は日当で漁船を借り上げる警戒船勤務(午前8時~午後6時)が9千円。最も高額の警備艇の船長の勤務(午前8時~翌午前8時)で1万7500円となっている。

 見積額と支払額の差は最高額同士で5・1倍、最低額同士でも4・3倍だった。

 沖縄平和市民連絡会の北上田毅さんが得た資料によると、ライジング社の見積もりによる「海上警備要員」の単価と、防衛局がその見積もりを査定した表を比べるとまったく同じだった。全体を比べてもほぼ差はなく、見積もりがそのまま予定価格に反映された可能性が高い。沖縄防衛局はライジング社1社の見積もりを予定価格の参考にしたことを認めている。ライジング社の海上警備業務の落札額はいずれも99%以上となっている。

差額5倍 辺野古の海上警備人件費、業者が過大請求疑い – 琉球新報 – 沖縄の新聞、地域のニュース

現場の業務を担うライジング社の100%子会社、マリンセキュリティー(沖縄市泡瀬)の従業員に実際に支払われているのは、最も高額な警備艇船長の当直勤務でも1万7500円。漁船を借り上げる警戒船の昼間勤務は9千円にすぎない。見積もりと支払額の差は最高額同士で5・1倍、最低額同士で4・3倍ある。

 防衛局は先に、ライジング社1社の見積もりに沿って予定価格を決めたことを認めている。落札率も99%以上で、見積もりがほぼそのまま契約の単価になっている可能性が高い。

 ライジング社関係者は「海上警備は競合他社がいない。単価は基本的に言い値だった」と証言。「船長の当直勤務で日当8万円、警戒船の日勤で3万円を請求した事例もあった」という。防衛局との契約は期限が来るたびに結び直しており、単価は変動しているとみられる。

辺野古海上警備、人件費を過大請求か 受注企業支払額の5倍 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス

ということで、過剰な人件費を請求していた警備会社は『ライジングサンセキュリティーサービス』であることを沖縄二紙が昨年報じていました。(会社案内には本社が渋谷区にあることも記述してあります)

一方、今回の件を受けて、沖縄の基地関係の警備会社としてALSOKを連想する人も多いようです。
しかし、今回の件とは無関係です。この点に関して見分ける方法があります。
それは、請け負っているものが陸上警備か海上警備か、という差です。

キャンプ・シュワブゲート前を中心とした陸上の警備業務は綜合警備保障(ALSOK、東京)、辺野古沖の海上はライジングサンセキュリティーサービス(東京)が独占している。新基地工事が始まった14年当初、警備業務は大成建設(東京)が受注した工事業務に含まれ、2社に再委託されていた。この期間の警備費は陸上が少なくとも約39億円、海上が同じく約40億円。

 その後、警備業務が独立して発注されるようになった。入札が計4回あり、陸上が約19億円と約15億円、海上が約23億円と約20億円で契約された。落札率は99・8%、99・2%、99・5%、99・9%。1日当たりの費用が陸上約900万円、海上約1100万円に上る時期もあった。

辺野古 巨額の警備費…2年半で159億円 東京2社が独占 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス

陸上警備はALSOKが行っており、海上警備はライジングサンセキュリティーサービスが行っているということです。
そして、今回会計検査院が指摘しているのは海上警備なので、ライジングサンセキュリティーサービスに関することであるということになります。

ちなみに、ライジングサンセキュリティーサービスについては、委託先子会社で同時期に残業代未払いが発覚しているなど、人件費をケチって儲ける癖がある企業である疑いが非常に強い事を付記しておきます。

 名護市辺野古沖の新基地建設予定海域で、沖縄防衛局から海上警備業務を請け負っている警備会社マリンセキュリティー(沖縄市泡瀬)の従業員が月最大200時間以上の残業代が支払われないのは労働基準法違反だとして、沖縄労働基準監督署に訴えを起こしていることが分かった。労基署はマリン社に改善・是正するよう指導した。マリン社は沖縄タイムスの取材に「労使で話し合いをしている。真摯(しんし)に対応している」と話している。(中部報道部・赤嶺由紀子、北部報道部・阿部岳)

 マリン社は、「普天間代替施設建設事業などの適正かつ円滑な実施の確保を目的」にした警備業務を沖縄防衛局から受注しているライジングサンセキュリティーサービス(東京都)の100%子会社。

 従業員らによると、海上での警備業務(日勤)が始まるのは午前8時だが、午前4時半~5時半に沖縄市の会社を出発する前には、録画用ビデオや連絡用携帯電話、ライフジャケットなどの装備品の点検を受け、配置を指示される。会社の車両などで金武や漢那、宜野座、辺野古、汀間の各漁港に向かい、現場の配置ポイントには午前8時に到着し、業務を開始する。

 警備の解除は午後5時で、各漁港には同6~7時ごろに帰港。その後会社に戻り装備品を返却し、報告書を提出すると退社は同7~8時すぎになるという。

 従業員によると求人誌には、日勤で午前8時~午後5時で日給9千円と記載されていて、業務の前後と実質的に業務から解放されない「休憩時間」分の残業代が支払われていないと主張。「会社の指揮監督下にある場合は労働時間に当たり、1日平均5・5時間の残業を強いられているにもかかわらず、残業代が支払われていないのは違法だ」と訴える。

 また、残業代の未払いを会社側に訴えたところ、週5~6日あった仕事が、週2~3日に減らされたこともあったといい「明らかなパワハラだ」と指摘。労基署には、残業代の不払いと仕事を与えないなどの嫌がらせを受けたとして「金銭的不利益・精神的苦痛」を申告した。

 親会社のライジング社は防衛局のシュワブ(2015年)海上警備業務を一般競争入札で落札し、約23億9千万円で契約している。

辺野古海上警備の会社、残業代未払い 月最大200時間超 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス

 沖縄県名護市辺野古沖の新基地建設予定海域で、沖縄防衛局から海上警備を請け負っているライジングサンセキュリティーサービス(東京都)が、残業代を支払わずに沖縄労働基準監督署から是正勧告を受けた問題で、未払い対象者が90人余りとなり、支払総額は約1億円に上ったことが分かった。残業は毎月、慢性的に発生していたという。(中部報道部・赤嶺由紀子、北部報道部・阿部岳)

 海上警備の現場業務は、ライジング社の100%子会社のマリンセキュリティー(沖縄市泡瀬)が請け負っている。

 残業代未払い分の対象者は、漁船をチャーターする「警戒船」で約40人、会社が所有するクルーザーなどを使う「警備艇」で約50人。当初、労基署に訴え、勧告対象となった8人を合わせると90人余りに上る。

 期間は、大成建設(東京都)が受注した工事業務に含まれた海上警備業務をライジング社が再委託された2014年から、ライジング社が警備業務を単独で受注した15~16年まで。

 同社の残業代未払いは昨年5月、月最大200時間以上の残業代が支払われていないなどとして、従業員らが沖縄労基署に申告して発覚。会社側は是正勧告に応じて従業員らに支払っていた。その後も同社は14~16年の未払い分を算出し、退職者を含めて支払った。

 一方、従業員との雇用契約解除の際には合意書を交わし、(1)今後相互に誹謗(ひぼう)中傷しない(2)不利益となる情報を開示しない(3)第三者から退職原因を問われた場合、円満退職したことのみ告げる-などの内容が盛り込まれている。

 防衛省は昨年5月の参院外交防衛委員会で、勧告対象の8人以外について「未払い分があるとの情報には接していない」と述べていた。ライジング社は本紙の取材に「監督官庁の指導に沿って是正を完了した」とコメントしている

辺野古の海上警備会社、残業代1億円支払う 未払い90人余に | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス

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