蓮舫氏への告発が無理筋だった

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蓮舫氏が様々な資料を提示して国籍関係について説明したのですが、そういえば右派市民団体が告発していたな、と思ったので調べてみました。

告発したのは右派市民団体『愛国女子のつどい花時計』というところで、「日韓国交断絶国民大行進」を行ったりなど在特会と共闘しているような組織です。

この訴訟に関して、Gohooが検証記事を書いていました。

一つ目の国籍法違反として挙げられている事実は、蓮舫氏が22歳までに国籍を選択する義務があったにもかかわらず、その義務を怠ったというもの。しかし、国籍法には、重国籍者の国籍選択義務が定められているが(14条)、これに違反しても罰則はない。国籍法違反で処罰の対象となるのは、認知された子の国籍の取得(3条1項)の際に虚偽の届け出をした場合に限られる(20条)。蓮舫氏は10月7日に国籍選択の宣言を届け出たことを明らかにしており、それまで国籍法14条に違反した状態であったとの評価は免れないとしても、その事実をもって刑事「処罰」を求める「告発」はできない。
二つ目の公職選挙法違反として挙げられている事実は、蓮舫氏が2004年7月の参議院選挙に立候補した際、選挙公報に「1985年、台湾籍から帰化」と記載した行為が、公職選挙法の虚偽事項公表罪(235条1項)に当たるというものだ(注:産経新聞は元号表記なので、「16年」=「平成16(2004)年」を意味する)。しかし、この罪の法定刑は「2年以下の禁錮又は30万円以下の罰金」であるから、時効は3年である(刑事訴訟法250条2項6号)。時効の起算点は「犯罪行為が終わった時」であり、このケースで「選挙公報」記載行為が開票日まで継続していたと考えても、2004年7月11日ごろから起算されることになる。したがって、時効が成立していることになる。犯人や共犯者が国外にいた場合はその期間時効は停止するが、ずっと参議院議員である蓮舫氏や共犯者が9年以上海外にいたということはなかろう。

(中略)

岡氏は、当機構の指摘に対し「おっしゃる通り国籍法には罰則がなく、虚偽事項公表罪は時効が3年です」と述べる一方、2013年ごろまで蓮舫氏のホームページに「台湾籍から帰化」という記載があったことも挙げていた。そのことが告発状に「犯罪事実」として明記されていたかどうかは定かでないが、その事実をもってしても虚偽事項公表罪には当たらない可能性が高い。
公職選挙法は「衆議院議員、参議院議員並びに地方公共団体の議会の議員及び長の選挙」に適用される法律である(法2条)。選挙犯罪の一種である虚偽事項公表罪が成立するためには「当選を得又は得させる目的」をもって「公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者」に関する虚偽事項を公表した場合でなければならない。蓮舫氏が参院選に立候補したのは2004年、2010年、2016年の3回で、2013年ごろに立候補の意思を示していた選挙はない。
結局、時効にかかる前で、「当選を得又は得させる目的」でした行為を問うのであれば、蓮舫氏のケースでいえば少なくとも第24回参議院議員通常選挙(2016年6月22日公示、7月10日投開票)の選挙期間中、またはそれに近接した時期における行為でなければならないと考えられる。選挙から3年も前のホームページの記載が、「公職の候補者若しくは公職の候補者となろうとする者」に関する選挙犯罪として問われることはあり得ない。

「蓮舫氏告発」 時効成立の疑い 大々的に報じた産経新聞の責任(楊井人文) – Y!ニュース

この段階の告発は案の定不受理となったようですが、花時計は論旨を変えて二度目の告発を行っていたようです。不起訴処分でしたが。

 女性団体は昨年11月に提出した告発状で、蓮舫氏が二重国籍の状態であったのに2004年の参院選の選挙公報に「1985年、台湾籍から帰化」と記載したことは、「虚偽事項の公表にあたる」と主張した。

 また、虚偽事項の公表によって当選したことに乗じて、2016年の参院選の選挙公報には台湾籍を有している真実を記載せず、日本国籍のみを有するかのように見せる「不作為」で虚偽の事項を公にしたとしていた。

 これに対し、東京地検は昨年12月末、蓮舫氏を不起訴処分とした。

蓮舫氏「二重国籍」問題不起訴 検察審査会に申し立て、女性団体「説明責任果たされていない」

花時計さんは、公職選挙法の趣旨から、蓮舫が選挙においては、選挙公報で「国籍の選択をせず二重国籍状態であることを明確にすべき人」と見ていて、あえてこれをしないことによって、1回目の選挙公報で構築した、有権者の「立候補して問題のない帰化した日本人」という錯誤を利用して当選した点に注目し、その説明を加えて、告発状を再提出したのです。

この告発状は受理され、地検の中で法解釈の精査が行われたようですが、年末ギリギリで地検から「不起訴処分」の通知が来た、とのこと。

不起訴の理由は「罪に該当しない」だそうです。

ネタプレゼント第二弾 蓮舫告発は、なんと不起訴!

罪に該当しないということは、要するに結論が『嫌疑なし』だったのでしょう。
さり気なく『「立候補して問題のない帰化した日本人」という錯誤』という文章が、嫌中嫌韓を煽り外国人犯罪を煽る元警察官のブログに書いていますが、国籍取得自体は出来ていたので「立候補して問題のない帰化した日本人」は錯誤ではありません。
(事後的に認められた出生時の国籍取得した件を帰化とするのは錯誤なのかもしれませんがそれが当選目的でわざと錯誤させているなんて話にはならないでしょう。)
二重国籍に出馬を阻害する問題はありませんし。

無理筋の告発としか言いようがなく、告発してニュースにするための告発だったのではないでしょうか。
このような無理筋告発をニュースにしてしまうことについて、報道の自由としては自由が満載で素晴らしいとおもいますが、読者の価値判断を左右していることを考えると、本当にこんなのニュースにしてていいの?と言いたくなります。

報道の自由ですから直接的に止めはしませんけど批判を浴びせるのはやっていこうと思います。

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