香港の本土派って何?

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記事のきっかけ

今回の選挙には、中国政府寄りの立場を取る「親中派」と、民主化の拡大を求める「民主派」に加え、みずからの本土は香港だとして、中国からの独立といった急進的な主張をする「本土派」と呼ばれる勢力からも候補者が出ています。
改選前は、中国に批判的な「民主派」が、重要な議案を否決できる3分の1の議席を確保していましたが、今回は、「本土派」と票を奪い合う構図になったことで、「親中派」が議席を増やす可能性も指摘され、中国に批判的な勢力が合わせて3分の1の議席を獲得できるかが焦点となっています。

香港 立法会の選挙 投票率が過去最高に | NHKニュース

香港の立法会選挙に関してのニュースを見たところ、このように「本土派」という私が寡聞にして知らないワードが出てきたので、気になったのでしらべてみました。

 

本土派とは(私なりの解釈)

本土派とは、日本の第三極みたいなポジションにいる方々のように私には見えました。

民主派と本土派では、反現状の中国共産党というポジションは揃っているように思います。

その上で、民主派は香港も中国の一部と考えた上で、中国共産党を打倒するか、中国共産党の姿勢を改善する、そういう方向に働きかけをしている方々の集まりのようです。

一方、本土派は民主派とは香港自体の認識が違うようです。どうも本土派は『香港は本土である。』という認識が根本にあるということから名付けられた名前のようで、要するに中国は中国、香港は香港という対等な関係性を望んでいるような人の集まりのようです。

そのため、民主派は天安門事件と自分たちの民主化がつながっていると考える一方、本土派は天安門事件はあくまでも中国の問題で、香港にとっては諸外国の問題の1つでしか無いだろうと考えるようです。

また、天安門事件についての名誉回復のみを望んでしまうと、現在の中国共産党のイメージ改善、つまり中国共産党の生存にだけ寄与してしまう可能性もあり、それは台湾の民主化にとってはマイナスになる可能性がある、という考えもあるようです。

そして本土派にとって一番重要なのは『香港の自決権確保』です。『香港』という集団で、中国に介入されずに制度を決め、自決する、そういうことが一番重要であり、その結果が「一国二制度維持」になるのか「独立」になるのかは別な問題である。とにかく自決する事をさせてほしい。これが本土派の集結をもたらす鍵になっている考えのようです。

そのために、中国国内に働きかけ、中国と共に暫時改善を目指すような民主派の動きは、香港の民主化を後退させる動きである、と民主派を批判する動きも強いようです。

一方で本土派の、この中国との決別という考え方に集う人々に、中国人への蔑視が含まれているのが懸念材料のようです。

例えば、本土派の一女性活動家へのインタビューでは中国人に対し、『彼女たちを変えられないならば、できることはただ1つ、できるだけ離れていることです。』『私たちも中国人を排斥しているわけではないのです。しかし、香港文化にとけ込まない彼らに、制度上の福利厚生を提供できるでしょうか』という言及がなされています。

さらに過激な抗議活動についての姿勢でも本土派は懸念されている模様です。

個人的に世代交代で本土派が増加している説を聞いてしまうと、イギリスのEU離脱関連での『過去の常識(EU外だった時期がある)VS現在の常識(EU内の時期しか知らない)』みたいな、そういう構図も私の頭には思い浮かびました。

また、現在の日本でのヘイトスピーチ問題も最後の方に記述した中国人に対する認識にて頭に浮かびました。

 

 

参考文献リスト

「本土派」:とある外国人の独り言 – ブロマガ

過激な反中「本土派」勢い 香港議会補選、得票15%超:朝日新聞デジタル

香港の「独立派」美人若手活動家が「中国への絶望」を語った 野嶋剛「極東のイノベーターを訪ねて」第1回 | クーリエ・ジャポン

香港政治キーワード解説–「6月4日を忘れろ」 脱中国化の「本土派」が台頭

香港政治キーワード解説–民主派、内部分裂の危機 「真の民主派」主張する急進派

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