賛成VS反対という構図で主導権を握るのは大抵賛成側

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今回の大阪都構想の住民投票はまさにそういう構図だったのですが『賛成VS反対』という構図になった場合、票を集める策を打ちやすいのは賛成派である場合が多いです。

何故そうなるかというと、ポジティブキャンペーンを打ち出すことが出来るのは大抵賛成派の方であり、ネガティブキャンペーンよりポジティブキャンペーンの方が票積みには繋がりやすいのではないかと思います。ネガティブキャンペーンを拡散した場合、反対票になる場合と賛成しないという意味で『投票放棄する』という二通りの行動を促すことになります。つまり賛成側の票崩しになっても、反対の票積みにならない可能性が常に存在し続けるわけです。

一方でポジティブキャンペーンになると、それを成立させるためには賛成票を投じないといけない、というわけで票を投じる以外の選択肢は生まれないわけです。つまり票積みに積極的につながる策はポジティブキャンペーンなわけです。

 

そして、今回の住民投票のような策を巡って『賛成VS反対』という枠で議論を打てる場合に、ポジティブキャンペーンを打てるのは賛成側だけの特権なんですね。

良くも悪くも反対側は『現状維持が良い』という訴えがメインにならざるを得ず、今回反対した後に、問題をどう解決するのか?という部分は『参加している人たちの中でもバラバラ』というわけで、ポジティブキャンペーンに踏みだそうとすると足並みが揃わないというのが実体だと思います。なのでネガティブキャンペーン(相手の欠点を指摘すること)しか打てないのが、反対側となるのが常なわけです。

一方で、賛成派は自分たちの賛成しているもののポジティブイメージを語ることが出来ます。何が実現するのか?何が良くなるのか?そういう夢を語ることが出来るポジティブキャンペーンを打つことが出来るのは唯一『何かに賛成している立場』であるはずなんですね。

では、その夢を語ることが、出来るいわゆる今回の大阪市を5つの特別区にする案で何が出来ると主張していたのか?

  • 教育委員会、児童相談所、子ども青少年局、福祉局の増加
  • 市長一人では聞ききれない声を、特別区長だと5人になるので拾える
  • 府と市で広域事業を行っていたものを、府だけが行うようになり、市の分の事業費等が減らせる(要するに都市計画の一本化?)
  • 減らせた事業費を他の福祉政策の財源に出来る
  • 大阪消防庁、大阪警察庁の実現
  • 統合型リゾート施設?
  • 大阪万博?
  • 大阪メトロの私鉄相互乗り入れ
  • 大阪オリンピック?
  • 西成区の地名が消せます!

このくらいでしょうか?都構想推進側がポジティブキャンペーンとして打った手は。(最後の西成区の地名が消せますというのはポジティブキャンペーンの仮面をかぶった差別を煽るネガティブキャンペーンだと思うが)

あとポジティブキャンペーンで有った手は全部『今回の住民投票が可決した後に、選挙で選ばれた区長や議員が賛成しないと行えないこと』だらけだったので、『今回の住民投票』自体のポジティブキャンペーンというにはズレが有るのかな?と思いました。ただ単に大阪維新の会はこういう政策を推進しています!という自己紹介でしか無かったといいますか、今回の住民投票は大阪維新の会の信任投票ではないのに、大阪維新の会はそういう信任投票にしたかったんだなという意思はビンビン感じました。

で、正直言って、実際、都構想推進側の声として目立っていたのは、これらのポジティブキャンペーンの声よりも『ネガティブキャンペーン』の声のほうだったのではないでしょうか?

例えばチラシを見るだけでも、こんな現状へのネガティブキャンペーンが打たれていました。

  • 市議会議員は市全体から選出されているので、地域ごとの問題が小さな問題となって市議会で取り上げられない
  • 河川の管理が右岸と左岸の権限を府と市でわけあってしまっている。
  • 大阪城ばかり注目されて、天王寺はほったらかし。
  • 過去の市長が交付金を配って、地域団体の支持を取り付けている。
  • 反対派はデマばっかり。
  • 反対派は大阪市を残すと得をする既得権益層
  • 都構想反対なら、今の課題はそのまま残り、市民サービス低下、二重行政で税金の無駄遣い、役人天国に逆戻り、議員報酬も上がっちゃう、住民の声は届かない。結果、地方都市として衰退していくだけ。
  • 都構想否決で改革は全部ストップ
  • 住民投票否決で橋下徹大阪市長がやめてしまう!
  • 反対の立場の人気持ちが悪い!たむけん 気持ちが悪い

 

すみません、最後のはチラシじゃなかったですね。チラシじゃないネガティブキャンペーンというと、上山信一氏の『反対派は無名な教授ばっかり』とか『反対派は左翼ばっかり』という感じのツイートもありましたね。

 

 

結局最後の方にポジティブキャンペーンの説得力を補強できず、ネガティブキャンペーンに頼るしか無くなったのが、あの『10741票差』に現れてしまったんじゃないのかな?と思いますね。

もしポジティブキャンペーンをもう一手、説得力があるやつを打てていたり、芸人にもっと大々的に街宣をしてもらったりしていたら・・・もしかしたら賛成多数になっていたかもしれないですね。

 

しかし最後の方は橋下徹という顔とネガティブキャンペーンだけで芸人やら政治評論家やら脱藩官僚やらがついてきて、ここまで主導権を握ってしまうんですから、正直恐ろしいと思いました。

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