「保育園落ちた日本死ね」ブログの待機児童問題が「民主党政権の負の遺産」である事を指摘されて都合が悪くなったのか、パヨク界隈がデマだと言って、「小泉内閣の三位一体改革が原因」だと言ってるけど、小泉内閣以後は待機児童が減少していて、民主党政権の3年間3ヶ月で急激に増えてるのは事実です
— 500円 (@_500yen) 2016年3月8日
今回の記事はこのツイートを題材に色々と書いていこうと思います。
『民主党政権の3年間3ヶ月で急激に増えてるのは事実』は嘘
保育所待機児童の推移をグラフ化してみる(2015年)(最新) – ガベージニュース
ここらへんのグラフで『2009年が激増』しているのを見て、『民主党政権の3年間3ヶ月で急激に増えてる』と述べているのでしょうが、待機児童のデータは4月1日時点の数字が出てきているのです。
なので2009年の激増は民主党政権以前の麻生政権時代に起こった出来事だといえます(民主党政権は2009年8月の選挙で誕生)。『民主党政権の3年間3ヶ月で急激に増えてる』というのはグラフを誤読しているとしか言いようがありません。
「小泉内閣の三位一体改革が原因」だと言ってる、はごまかし。
この『「小泉内閣の三位一体改革が原因」だと言ってる』と言うのは
『待機児童増は民主党が公的保育園の補助金削減をやったからだ!』とこの人が言ったことに
『公的保育園の補助金削減をやったのは小泉内閣の三位一体改革だ』と指摘し返したのを、
『公的保育園の補助金削減が原因なら、待機児童増加は小泉内閣の三位一体改革が原因だ』と読み替え、
最終的に『公的保育園の補助金削減が原因』を投げ捨てて
『「小泉内閣の三位一体改革が原因」だと言ってる』と認識を書き換えてしまったわけですね。
元々共産党が「小泉内閣の三位一体改革の弊害」を引用して訴えている文章の引用部分を誤解して『民主党の負の遺産!』とか言い出していたんですが、それを認めず、さも自分は悪くないように言ってるのがアホくさいです。
最初に指摘していた原因をほっぽり捨てて、間違えた統計の読み方で『事実です』と言い出すごまかし加減、非常に見苦しいですね。
待機児童の増減を考える
一方で、小泉内閣以降は待機児童は減少、は2007年までは減少ペースなので確かに正しいのです。
しかし、ここで考えてほしいこととして『減らすことが正しくて、増えたら間違いなのか?』という部分にまで踏み込んでほしいのです。
小泉内閣以降と2010年以降に減って、自民党時代に増えた、それは事実なんですが、細い理由まで検証しないと、その減少は正しいのか?その増加は失敗なのか?ということはわかりません。
例えば、現在問題視されている増加に関しては、政府は『新制度において、教育・保育サービスの提供に対し個人に対する給付化が行われ、また、サービスメニューが多様化するなどの理由から、保育サービスを受けやすくなり、保育の申請者数が大幅に増加している。』という事を理由として掲げています(新制度=子ども子育て支援新制度、民主党政権が検討し、3党合意で法案が成立、安倍政権にて執行)
保育所等関連状況取りまとめ(平成27年4月1日)及び「待機児童解消加速化プラン」集計結果を公表 |報道発表資料|厚生労働省
失業者数の話と同じように、そもそも入所しようとしていない状態だと、数字として出てこないために、認可保育所への入所を諦めた人が増えるほど、『待機児童減少』となり、入所の希望を抱く人が増えるほど(つまりニーズを掘り起こすほど)『待機児童増加』となるわけです。
(ここらへんの『待機児童数』に出てこない希望を出すのを諦めた人の数字を『潜在的待機児童数』と呼ぶようです)
「隠れ待機児童」3万人 役所発表と異なるのはなぜ?:朝日新聞デジタル
また、全国に1万人以上いる「隠れ待機児童」とは?(1/2ページ) – 産経WEST
2009年の増加に関しては、景気悪化により共働きが増えたことが原因にあるのではないかと言われています。つまり景気動向も待機児童数には影響するのです。
時事ドットコム:今も続く「配給制度」 – Foresightコンテンツ-新潮社ニュースマガジン
更に、2001年と2015年には待機児童に数える人の定義を厚労省が通知で変えていて、実際に2001年には1万人も待機児童数が減少したという事がありました。一方でこの待機児童数を数える基準はある程度地元自治体に任せられているので、自治体によって基準がバラバラのようです。
厚労省“待機児”定義を大改悪/「育休中」も除外 見せかけの“数減らし”
このように、正直『なに政権で待機児童数が減った・増えた』というのは原因を探らないと『いいこと・悪いこと』は判断できません。何も施策を打たずに失望を与えれば待機児童数は減る可能性がありますし、施策を打つことでニーズを掘り起こし待機児童増に繋がる可能性がある、さらに言えば規準を変えて待機児童数を減らすことすら出来るのですから。
このように、原因については複合的である、というのはあらゆる問題に対して言えるのですが、こういう場合に重要な事は、与野党のこの待機児童に関する認識が、当事者の実感などとどこまで一致していくのか、みたいなものだと私は思っているので、そういう部分の論戦を個人的には期待したいと思います。
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