労働問題

安倍首相の『最賃平均1000円目指す宣言』で鳩山政権の政労使合意を知る

2016/04/04 362views

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安倍総理大臣は政府の経済財政諮問会議で、GDP=国内総生産600兆円の達成に向けて、現在全国平均で時給798円の最低賃金を、来年以降、毎年3%程度引き上げ、1000円にすることを目指す考えを示しました。

首相 最低賃金1000円目指し 引き上げを NHKニュース

この最低賃金1000円について野党批判を繰り広げる連中が居たのですが(「野党の仕事がなくなる」「野党は何をやっていたんだ」等)それへの反論で面白い事実を指摘したツイートを目にしました。

 

(甘利大臣が見通しを述べていますが、参考として、今回の安倍総理の宣言通り最低賃金が毎年3%上昇するとなると、『各都道府県の最賃が毎年3%ずつ上がると、簡単な複利計算で、2020年には東京都は1052円、沖縄県でも804円になります。10年後の2025年には、東京都で1219円、沖縄県でも931円です。最低賃金が毎年3%ずつ増加したら・・・: hamachanブログ(EU労働法政策雑記帳)』となるそうです)

ツイートで2020年のソースとされてるのは、田村前厚生労働大臣の記者会見であり、その内容は以下のとおりです

(この前に最低賃金引き上げ額の都市部と地方の格差に関しての質問がなされています。)

(記者)

 関連してもう1問。今、政府としては、前の政権の時の合意ではありますけれども、政労使の合意で2020年までのなるべく早い時期に、最低賃金を全国平均で1,000円、最低で800円にするという目標を掲げてます。ただ、実質的に今回が目安どおりの引上げがあっても最低賃金が全国平均で780円ということで、2020年までの残り6年の間に全国平均を1,000円まで上げようと思うと、平均額を40円近く毎年これから上げていかなければならないということになります。1,000円、800円という目標について今後見直される考えがあるのか、あるいはそのまま目標は目標として置いていかれるのか、そこは大臣はどのようにお考えでしょうか。

(大臣)

 そうですね、当然、平均の最低賃金1,000円というような状況を実現しようとすれば、それだけの経済環境にもっていかないと、何でもいいから上げるという話になれば、今度は逆に国際競争力やいろんな問題が出てくるわけであります。我々も今、そういう目標をですね、これは前政権の時にお作りになられた目標でありますが、我々としてもそれを引き継いでおるというところがありますので、そういう経済環境を目指すよう努力をしていくということであろうと考えます。

(記者)

 確認ですけれども、1,000円、800円という目標は堅持するということでよろしいわけですね。

(大臣)

 まだ放棄しておりませんので、引き継いでおるということであります。

 

この記者の質問で安倍政権下の政府が民主党政権時代から引き続き『政府としては、前の政権の時の合意ではありますけれども、政労使の合意で2020年までのなるべく早い時期に、最低賃金を全国平均で1,000円、最低で800円にするという目標を掲げて』いることがわかります。要するにこの目標を安倍晋三氏は再提示しただけだということです。

で、この『民主党政権時代の政労使合意』ってなんだ?と思い調べたところ以下のブログをみつけました。

最低賃金早期に1000円台に❶ : 憲法とたたかいのblog

このブログ記事にきちんと合意文書へのリンクが貼ってあったので、文書の内容を引用すると

 

(「2020 年までの目標」の設定について)目標案としては、「できる限り早期に全国最低800円を確保し、景気状況に配慮しつつ、全国平均1000円を目指すこと」が考えられる。

 

というように2020年までに最低賃金の全国平均1000円を目指すことが合意されているようです。

民主党は2009年のマニフェストでも以下の様な記述があります。

40.最低賃金を引き上げる

【政策目的】
○まじめに働いている人が生計を立てられるようにし、ワーキングプアからの脱却を支援する。
【具体策】
○貧困の実態調査を行い、対策を講じる。
○最低賃金の原則を「労働者とその家族を支える生計費」とする。
○全ての労働者に適用される「全国最低賃金」を設定(800円を想定)する。
○景気状況に配慮しつつ、最低賃金の全国平均1000円を目指す。
○中小企業における円滑な実施を図るための財政上・金融上の措置を実施する。
【所要額】 2200億円程度

このようなマニフェストを掲げていた以上、この政労使合意は当然のものなのですが、私は指摘されるまで存在をしりませんでした。

(新聞では『思い出されるのは民主党政権だった5年前、政労使代表による「雇用戦略対話」で合意した内容だ。最低賃金の全国平均を2020年までに時給千円に引き上げ、時給800円の全国最低賃金をできるだけ早期に実現するとした。(社説|最低賃金引き上げ/継続へ目標定めて努力を | 河北新報オンラインニュース)』と書かれているように、何度も言及されているんだと思います。たぶん。)

これはあくまでも政労使合意なので、民主党政権の実績といえるのかどうかは微妙なラインだと思いますが、最低賃金1000円という話は、民主党政権から続いている話だということは、押さえておくといいのではないかと思いました。

(ちなみに、この政労使合意関係をマニフェストを合わせて『よく知られているように、民主党は2009年の総選挙で、最低賃金の原則を「労働者とその家族を支える生活費」とし、「全国平均1000円を目指す」と公約していました。しかし、政権交代後、鳩山政権は、この公約をほごにして、「2020年までに全国平均で時給1000円を目指す」(新成長戦略)という看板に書き換えました。』と批判する人もいます。NPO法人 働き方ASU-NET - 第187回 唄を忘れた政党は選挙で泣かせてやりましょう

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