『日本の女性の30%は犯罪者であると言ってる』から『ヘイトスピーチ』?

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これ、問題意識がズレッズレなんですよね。

特にふたつ目のツイートを読むと、問題意識のズレが明確になっています。

それはどこかといいますと『〇〇人女性の30%が売春経験がある』という文言があるだけで、ヘイトスピーチの対象になっている人間は決められない、という文脈を考慮しないといけない面を無視していることです。

こういう文脈を意識せよというと、『同じ行動を誰が行えば許されるかが変化するというのは、明らかな差別』なんてレスが来たりするみたいなんですが、そもそもヘイトスピーチってそういう概念だから『人権救済機関設置』関連で揉めたりして『表現の自由がー』って話になるんじゃないんですかね?なんで都合よくSimpleに決められるかのようになってんですかね?Simpleに決められないから法規制出来無いって話じゃないんですかね?

 

今回『韓国人が』という例が出てきていますが、この韓国人が売春経験があるという話は確かにヘイトスピーチになる可能性が高いです。

しかし、ヘイトスピーチになる理由としては、常日頃から慰安婦問題関係で『韓国人が自ら売春婦として』などといった言説が流通していたり、週刊誌などの『韓国人女性は売春をするような淫乱売女!』みたいな『売春=売女』という差別的な視点が前提となっているというのが明示的な場合が多いため『ヘイトスピーチ』となる可能性が高いということがあると思うのです。(要するに、名誉毀損の延長としてのヘイトスピーチが成立する)

今回、日本の売買春が指摘された場所は『国連の「子どもの売買、児童売春、児童ポルノ」に関する特別報告者の会見』でした。

国連の「子どもの売買、児童売春、児童ポルノ」への姿勢は『児童に対するあらゆる形態の性的搾取との闘いにおいて、日本がどのような状況にあるのか、日本にはどのような課題が残されているのか』という方向にあるわけで(ソース:メディア・アドバイザリー:児童の性的搾取の状況 国連の人権専門家、日本視察を開始(10月19日-26日) | 国連広報センター)要するに今回の指摘がヘイトスピーチにあたる場合、対象となるのは少なくとも『日本人女性』ではなく『問題に対する日本人の姿勢』というようなものがヘイトの対象にあたるのではないでしょうか?

ですので、抗議を行うのは悪くないと思いますし、きちんと人権を踏みにじる形になる売春を無くす姿勢を示すのは良いと思います。

しかし、ツイートでは『女性の30%が犯罪者であると言っている』という指摘により『ヘイトスピーチである』という結論を導いています。それは私は間違っていると思います。

売春が日本の国内的に犯罪であるかどうかは今回は無関係なのではないでしょうか?売春を犯罪にするのかどうかも議論等あるわけですし(アムネスティがセックスワーカーの人権擁護のためにセックスワークの非犯罪化を支持したのは有名な話ですよね?)売春が日本の刑法で犯罪であることは今回のヘイトスピーチにはかかわらない。

ただ、これをきっかけに『日本の女子児童は売女である』『日本の女子児童は犯罪者だ』というような差別言動を行った時点ではヘイトスピーチにあたるとは言えるでしょう。

しかし、そういう言動を誘導するからといって、指摘をヘイトスピーチと認定してしまうと、それこそ『表現の自由』を毀損することになってしまうのではないでしょうか?(ソース無しで数字を出すのは指摘として誤りであり、という話ならわかる)今回、児童ポルノ規制という表現の自由を毀損することになる問題に反対しているはずなのに、ヘイトスピーチによって表現の自由を毀損するのは平気なのでしょうか?

また『日本人男性が平気で買春している印象を与えるので、ヘイトスピーチだ』とも言えるかもしれませんし、『日本社会に売買春の仕組みが組み込まれていて、社会として公認してしまっているという印象を与える』から抗議するというのもわかります。

ですが、この『日本人女性が犯罪者だといわれているからヘイトスピーチ』というのは、やはりちょっとクビをひねらざるを得ないと思います。

少なくとも社会が児童を性的搾取している、という指摘として言われているという自覚も無いのかな?と思ってしまうのですが、それを言うと『都合いい指摘をかばうための差別だ』なんて言われてしまうので、ここまでにしておきます…

(ところで、『韓国人女性 売春』という検索で韓国人女性を蔑んだ記事ばかり見つかるのは想定内なのですが、『日本人女性 売春』というワードでの検索でも韓国人女性を蔑んだ記事だらけの検索結果なのには驚きました。)

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