参院選、茨城県選挙区 2019/03/08時点の概況と雑感

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2019年の7月に行われる参議院議員通常選挙。

このブログを書いている私の出身地である茨城県選挙区は、普段は定数が2議席であることに加え、日立労組がしっかりとしているためか、自民と民主党が1議席を分け合う事がほぼ確定していた無風区でした。
しかし、今回は珍しく茨城県選挙区が注目されています。
そこで、今日までに私が把握した報道の内容などを記事に残しておきます。

自民党の動向

そもそも、2人区である茨城県選挙区の動向が注目されたのは、自民党が2議席独占を狙っている、という憶測が流れたことがきっかけであるように思います。

自民党が2議席独占を狙うと言われた根拠は茨城県選挙区の過去の選挙結果、特に藤田幸久氏の得票と立憲民主党の参院選の方針だと思われます。

(出典はWikipedia

2013年、第三極に押し込まれる形で、藤田幸久氏の得票は、自民党の上月氏の約3分の1程度でした。

2016年の郡司彰氏の場合も、第三極の衰退により得票はマシにはなっているものの、自民党の得票率も伸びていて50%超えをするという、自民党が圧勝しているというのが、茨城県選挙区の現状です。

そんな中、藤田幸久氏は国民民主党の公認で出馬することが内定していた一方、立憲民主党は大きな方針として「1人区では野党共闘、その他の複数人区では共闘せずに切磋琢磨するのが基本」という方針で、茨城県選挙区にも独自候補者を出すという方針だ、という情報が流れていました。

そこで、どうも国政の自民党の選対が、数字上野党が統一しなければ独占できると判断して、広島と茨城にて2人目の擁立を模索していた、という話だったようです。

自民党は、同じ改選数2の茨城選挙区でも2人目の候補の擁立を模索している。茨城でも地元の慎重論は強いが、党関係者は「野党が分裂すれば戦える」と意欲を見せる。

【参院選】自民、広島で2人目擁立へ 茨城も模索

この自民党の選対が2人目擁立を狙っているという話、興味深いのは、上で引用した記事は産経新聞が2月19日に報じたものなのですが、その2日前、2月17日に、読売新聞が「茨城での二人目の擁立は見送る方向だ」と報じているのです。

自民は改選定数2の茨城選挙区でも2人目の候補擁立を検討したが、県連が強く反対したため、見送る方向だ。

参院選 自民 広島で2人目擁立へ…2人区 茨城では見送る方向 : 政治 : 読売新聞オンライン

見送るのか、未だにやる気なのか。非常に曖昧な状況になっていたのですが、先日、自民党茨城県連の定期大会などで。自民党茨城県連としての方針は明らかになりました。

梶山会長は同日、県連定期大会後の記者会見で「上月氏1人で行くのが県連の方針だ」と明言。圧倒的な票数でトップ当選を目指す姿勢を示した。改選2人区は茨城、静岡、広島、京都の4選挙区あり、党本部からは2人擁立を求められていたが、「県連としては1人で臨みたいと再三伝えている」と説明した。党本部の選対委員長代理も務める梶山会長は「党本部の方針は近々出るのでは」との見通しを示した。


自民が2議席独占した例は1971年の1度しかなく、2人擁立し現職が落選した例があることなどを踏まえ、梶山会長は「(2人擁立で)ぎくしゃくする部分もある。どうやって票分けするかも非常に難しい」と1人に絞った理由を述べた。

【茨城新聞】自民県連 参院選擁立は1人 梶山会長明言 上月氏に傾注

自民党茨城県連会長である梶山弘志議員が、党中央の選対の委員長代理も務めているため、県連の判断と中央選対の判断がそぐうことはないだろうということで、この県連の方針決定が、自民党が2人目擁立を見送ったという情報として受け止められているようです。

梶山弘志氏は票分けの難しさや2人目擁立はぎくしゃくするということを述べていますが、東京都選挙区を見ると、2007年の自民党にて都連本部が推していた保坂三蔵氏が惜敗して丸川珠代氏が当選したこと、2010年の自民党にて東海由紀子氏を捨てて1議席確保したこと、2013年に民主党が大河原雅子氏の公認を取り消したものの、結局鈴木寛氏も落選したこと、などなど、同じ選挙区に二人の公認候補がいるということにより党内、県連内がぎくしゃくするというのは公然の事実であるように思いますので、茨城県連の判断は妥当なのではないかと思います。

http://bit.ly/2Hj66c8

http://bit.ly/2HkzluY

http://bit.ly/2HiEnbC

民主党の参院選、党内でも激戦
民主党の海江田万里代表は、2日、東京で記者団の取材に応じ、現在2人を公認していた参院選東京選挙区(改選数5)で、大河原雅子氏(60)の公認を取り消し、鈴木寛氏(49)に候補を一本化すると発表した。民主党は6月に行われた東京都知事選において、複数候補者を立てた選挙区で共倒れが相次いだこともあり、候補者を一本化するという戦...

国民民主党、立憲民主党、共産党の動向

この内、共産党は大内久美子氏の擁立が決定しています。

そのようにどっしり構えている共産党に比べ、国民民主党と立憲民主党は、藤田幸久氏を中心に大混乱に陥っています。

まず、先程自民党の動向を受けて、かつ、立憲民主党からのアプローチもあったようで、藤田幸久氏が公認を得ていた国民民主党から離党して立憲民主党への入党を決めます。

国民から立憲への移籍が相次ぐ背景には、支持率が1%と低迷する国民では夏の参院選で当選が見込めないという懸念が根強いからだ。関係者によると、立憲側はそうした国民の苦境を口説き文句に、水面下で国民からの引き抜き工作を繰り返してきたという。

立憲と国民、対立鮮明 議員引き抜き・バラバラに統一会派 参院選の候補者調整にも影響:朝日新聞デジタル

立憲民主党の引き抜きは塩村氏に限らない。藤田幸久参院議員(68)は、立民からの出馬が不透明なまま1月25日に国民民主党に離党届を提出した。
 関係者によると、今年改選を迎える参院議員には、立憲民主党の架空の候補が同じ選挙区に出馬した場合の世論調査の数字を示し、国民民主党に所属したままでは落選の確率がいかに高いかを示すという。

【野党ウオッチ】立憲民主党がいそしむ露骨な「引き抜き工作」

引き抜き工作をしているというのが複数の報道で報じられているのですが、一方で引き抜いたあとに、立憲民主党がどのような絵を描いていたのかが、正直わからないな、ということを、次の毎日新聞の報道を見てすごく思いました。

改選数2の茨城選挙区では昨年8月に国民が藤田氏を公認した。ところが立憲の独自候補の絞り込みが具体化した昨年末、藤田氏が立憲の福山哲郎幹事長に入党を直談判。福山氏は「公認は約束できない」としぶったが、藤田氏は年明けに「国民・自由党」と「立憲・社民党」の統一会派が結成されるのに乗じ、国民の離党届と立憲の入党届を提出した。

 ただ立憲は、茨城選挙区では当初予定通り官僚出身の男性を擁立する方針だ。「藤田氏に公認を出しても、国民が独自候補を出し、自民党が2人目を立てれば、自民の2議席独占の可能性が高くなる」(立憲参院議員)との見立てがあるためだ。

 だが、藤田氏の入党で参院の野党第1会派に返り咲けるだけに、むげに扱うわけにもいかない。立憲幹部は「どうやったら茨城以外で当選させられるか」と頭を悩ませる。

藤田氏「移籍」巡り混乱続く  立憲、参院野党第1会派復帰へ 「茨城」の公認には消極的 – 毎日新聞

今ざっくりと思いつく仮説としては、引き抜き工作をしていたのは公認を受けた直後ぐらいまでで、その後は藤田幸久氏については引き抜き工作を諦めて独自候補の擁立を目指した、という感じの思惑のずれがあった可能性とかはあると思いますが、とにかく引き抜いたはいいものの藤田幸久氏の扱いをどうしようと困り果てているのが立憲民主党のようです。

ちなみに、茨城新聞に、立憲民主党の茨城県連が茨城県選挙区に擁立を検討している候補者についての情報が掲載されていました。

立民県連 藤田氏擁立見送りか 参院選茨城選挙区 元経産官僚軸に検討』という記事によると以下のような経歴を持つ方のようです。

  • 33歳、鉾田市出身
  • 清真学園→早稲田大学
  • キャリア官僚として入省
  • 現在は民間企業に勤務

鉾田市出身といい、清真学園卒といい、見事に衆院選の茨城二区の地盤にぴったりだと思うので、個人的にはいい加減引退寸前のように見える額賀福志郎氏と石津政雄氏の対決に割って入ってほしいとも思ってしまいますが、少なくとも今回は参院選の候補者として、こういう経歴の方が立憲民主党茨城県連が検討している候補者のようです。

一方、引き抜かれた国民民主党茨城県連側も独自候補者を擁立するという姿勢は崩していません。
ここで出さなきゃ舐められるという意地もあるでしょう。

https://ibarakinews.jp/news/newsdetail.php?f_jun=15503150398223

正直、茨城県選挙区のような定数2の選挙区でできることは限られていて、その中で支持率が劣る側にとってベターなシナリオとしては優位勢力の候補者が一人になって、劣勢勢力は好き勝手擁立して各々支持を掘り起こす方向になるか、最後まで劣勢勢力が分裂しているように見せかけて、優位勢力が二人目を擁立してきた直後に劣勢勢力が統一候補を作り出して、優位勢力の落とし合うギクシャクを眺める、くらいだと思うんです。

そう考えると、立憲側はあくまで藤田幸久氏について国民民主党公認を剥がすまでで収めて、野党統一候補に仕立て上げる考えもあったのかな、と思ったりするのですが、そうなると立憲が独自候補者を擁立しない言い訳がし辛いなとも思い、正直引き抜きを藤田幸久氏にかけたとしたら、参院の眼の前の議席を焦って取って、その代わりに中期的な負債を得てしまったように見えます。

ただ、個人的に茨城県選挙区のいち有権者としては、茨城県選挙区の野党候補者が正直、茨城県での野党停滞の象徴のように見えてしまっていたといいますか、マンネリのようなものを感じてしまっていたのはあるので、今回の騒動をきっかけに自公勢力以外の勢力が活性化すれば良いなぁ、なんてことを思っています。

あと、石井章氏のいる日本維新の会ですが、正直当選可能性は皆無に等しいのではないかと思いますし、2017衆院選にて、つくばの方の選挙区にすら候補者擁立をできなかったのを見ると、参院選でも出せないのではないかな、と見ているのですが、どうでしょう?

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