興味乱舞に引きこもれず

全記事数:606件

権利保護の緊縮削減に反対するブログ

人権問題

人権相談窓口がまさにお役所仕事だった

2016/03/16 121views

アドセンス広告

この記事の所要時間: 355

毎日新聞に『ヘイトスピーチ対策:法務省の電話相談がっかり』という記事が掲載されていました。内容がまさに、お役所仕事の悪い例としか言えないような酷さ、をこれでもかというくらい表現しているものでした。

これはヘイトスピーチに関する新たな水際作戦と言えるかもしれません。

記事には2つの例が掲載されています。

 

「『韓国人は死ね』などと路上で叫ぶデモを見聞きするのがつらく、怖い」と訴える東京都新宿区の在日コリアンの男性(41)に対し、応対した男性職員は「不特定多数に向けられたその言葉がヘイトスピーチに当たるかは判断できない」「表現の自由もあり、今の法律では対応できない」などと話した。

 

母校の朝鮮大学校の校門前で数年前に行われた街宣活動について、今もネット上で出回っているその際の動画を止めてほしいと相談した。街宣は、「朝鮮人を殺しに来た」「東京湾にたたき込め」などと叫んでいた。

しかし応対した男性は「学校は法的措置を取ったのか」「人権を守るには、まずは当事者本人が頑張ることが重要」「殴られてもバカにされても、本人がそれでいいと言うなら、いくら周りが止めろと言っても『本人がいいって言っているんだから別にいいでしょう』って話になる」などと話した。

 

この対応の中で、応対した人が話している言葉で必要な言葉は『学校は法的措置を取ったのか』という確認くらいでは無いでしょうか?それ以外は余計な自己弁明になっているように思います。

同じ『出来ません』でも『どのような対応ができるか検討します』という曖昧な対応のほうが相談する側としても『押せばどうにかなるかも』という希望を抱けるわけですね。しかし、この相談窓口の人は希望を全部粉々に粉砕しに来ているわけです。

特に2つ目の相談例の『「人権を守るには、まずは当事者本人が頑張ることが重要」「殴られてもバカにされても、本人がそれでいいと言うなら、いくら周りが止めろと言っても『本人がいいって言っているんだから別にいいでしょう』って話になる」』なんて言葉を相談当事者に言ってしまうようではアイスピックで当事者の相談を粉々に粉砕しているようなものです。

 

一方で「不特定多数に向けられたその言葉がヘイトスピーチに当たるかは判断できない」という言葉が一つ目の相談で飛び出しているのですが、この『不特定多数だから判断できない』という基準はヘイトスピーチではなく『名誉毀損』などの基準です。(そういうものは人格【法人格など】のない集団には適用できない)

ヘイトスピーチは不特定多数だとしても『韓国人』などの人種や民族などの人格を持たない一定の集団を対象にしているものを対象にして、『特にこういう表現に注視するべきだ』とする概念なはずです。(いろんな人が使う言葉になったので、言葉の定義には誤差があるのですがシノドスの『ヘイト・スピーチ規制論について――言論の自由と反人種主義との相克』という論にてなされている「人種、民族、宗教、性別等にもとづく憎悪及び差別を正当化もしくは助長する表現」という定義付けが一番無難だと思います)

ヘイトスピーチに対し『不特定多数だからヘイトスピーチに当たるのか判断できない』という回答を出すということは、要するに『窓口担当としては知識不足なのではないか?』という疑問を抱かざるを得ません。

 

それと個人的に重要だと思ったのは、この相談窓口で『今の法律では対応できない』という言葉が出ていることです。これはヘイトスピーチ規制について反論としてよく言われる『脅迫、名誉毀損、業務妨害などの現存する法律を使えば対応可能』という論を打ち消す言質として活用できるのではないでしょうか?

 

まず第一にこのような形で相談をするという勇気を抱いた方を傷つけることになっている現状は、絶対に変えられるべきだと思います。

しかし、明確に自己弁明を行ってくれることで、どういう動きをすればいいか明らかになるということもあるのです。

しかし、その自己弁明をぶつけられる相手、言質を取るための尖兵を、できるだけ当事者ではなく第三者に至急変えないと、当事者に本当に申し訳ないと思ってしまうのです。

『人権を守るには、まずは当事者本人が頑張ることが重要』なんて段階は、問題が明らかになった瞬間にとっくに終わっているんだと示すためにも。

 

関連記事&アドセンス広告

-人権問題
-