少女ファイトの1巻から3巻を読みました。

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hontoの電子書籍にて、バレーボール漫画少女ファイトの1巻から3巻が無料だったので読んでみたのですが、すごいです。
名言というか、自分のことを問い直すような、そういう場面がいくつも出てくる、読み応え抜群な漫画でした。

少女ファイトという漫画は、2006年から10年以上連載を続けている漫画です。

あらすじとかは以下にhontoなどの商品説明文を引用しておきます。

「あの日から、友達は作らないって決めたんだから」大石練(おおいしねり)・15歳。バレーボールの名門・白雲山(はくうんざん)学園中等部に在籍。練はずっと自分を抑え続けていた。小学校時代に全国大会で準優勝したチームのキャプテンであったほどの実力を隠しながら。集団スポーツの中で、自分を殺さなければいけない理由は――。それでもバレーを辞められない想いとは――!! バレーボール群像劇スタート!

この作品、インターネット的には「お前がそう思うんならそうなんだろう お前の中ではな」というインターネットミームが独り歩きしている状態でしょう。

作者ツイート

私は今回始めて読んで、その言葉に出会って、「これは気軽に使ってはいけない言葉だな」と実感しました。

私の読んだ感覚では、この言葉は、相手が「自分の中」に閉じこもっていることをわかっていること、そしてそこから出ていけるであろうことも確信しているからこそ出てきた言葉なのだろうと。
決してインターネットミームのように「お前は話しにならない」と突き放すだけの言葉ではないのだな、と思いました。

それ以外にも、私がバレー漫画と聞いて想像していたものより、とても濃くて、とても重厚なエピソードや言葉ばかりで、無料で読んでしまったのが申し訳ないです。

もちろん、これから全巻揃えまるのですが、とにかく今すぐこの熱を誰かに伝えたいと思って記事を書いています。

この漫画、登場人物が一癖二癖あるだけでなく、とても重いもの(過去とか課題とか)をみんな背負っています。
その結果、一つ一つの人間同士の交わりがとても濃密になり、それがすごく心に来て何一つ読み飛ばせないのです。

冒頭でふれたセリフもそうですし、同じ話数に出てくる、主人公の進学先となる高校の顧問のセリフ。

「生き方が雑だと言ったんだ。そのままでは自分に殺されるぞ」「生きている意味が全て噛み合うその瞬間を味わいたいのなら、丁寧に生きろ」

これらのセリフも、その高校の顧問が背負っている過去を知ると、とてもとても重い言葉となって突き刺さってくるのです。

私は、こういう突き刺さってくる漫画やアニメが大好きなんです。
読んだあとにぐったり来るので、覚悟を決めないとなかなか読もうと思えないのですが。

しかし、こういう作品は本当に色んな人に読んでほしいし、こういう作品の影響をどんどん受けていきたい、と私は思うのです。

以下、1巻から3巻までの感想を記述しておきます。

1巻

ざっくりいうと主人公である大石練さんが過去を振り払い少し未来へと歩みだすような流れに踏み出すまでが描かれています。

ものすごい濃い巻なので是非読んでほしいのですが。

自分がコントロールできないことに悩む大石練さん。
その不器用さに私は共感できることが多かったです。
特に確認を怠ることによる噛み合わずあらぬ方向に思い込んでいくというのが本当に多くて、身近にも事例が多く存在するので、本当に「そうなるよなぁ」と思いながら読み進めていました。

そんななか主人公の幼馴染である式島シゲルさんが理由あってバレー部をやめることとなり、その引退試合となった春高バレー決勝。
その試合前に黒曜谷高校(シゲルさんの通う高校)の男子バレー部顧問の榊監督が、式島くんに言葉を掛けるシーン。監督が本当に選手のことを見ているのが、すごい伝わってきて泣きました。

中学高校とバレー部に所属していたものの、私の人格の悪さなどが理由でやめた自分としては、こういう監督がいたら、自分はもっとマシな人間になったのかな、なんて絶対そんなことはない妄想をしてしまいます。

2巻

1巻にて放たれた、「お前がそう思うなら(ry」というセリフ。その場では練さんの中でへんてこな方向に突き進んでいた思考を、強制的にシャットアウトする役割を果たしていました。

練は良くも悪くも「自分の中ですごい考える」という傾向が有り、それが1巻とは違って、ポジティブな作用をしていることが多いのが2巻だと思います。

2巻のメインストーリーは、練さんに憧れて、マネージャー志望として入部するはずだったのが選手になった空気読みの天才、小田切学さんの成長でしょうか。

学さんにどうやってバレーを怖がらずにうまくなってもらうか、どうやってチームとしてまとまるか、そういうことを綿密に考えて、すべてを練さんが組み立てていくさまが、すごかったです。

また、幼馴染の式島シゲルさんがマネージャーになったことに対し、「私のせいだ」と考え込む練に対し、学さんが寄り添い「昔、自分の思い込みで辛かった時期があるので、今は自分で確かめるようにしているんですよ」などのアドバイスを送っていたのがすごいと学さんらしくていいなと感じました。

そういう観点では、学さんに対して練さんが、「自由にやれると調子こいちゃうから、制限ある方がかえってやりやすいんだよね」と述べているのが、すごい深いなと。

一方で、練と対比するように書かれていたのが、伊丹志乃さん。

実力は十分なものの、型にはまりすぎているというか、常識と思うことの枠内からはみ出すことが苦手な様子。

セッター希望だったものの「巧すぎるセッターで慣れると、二段のとき打ち切れなくなる」や「トス回しには性格が出る」という理由でセッターから外されているのは、先程触れた学さんに対して練さんがいった「制限あるほうが」というセリフとリンクしてしまいます。
(外される理由が先出で、セリフが後なのですが)

3巻

見た目も言動もギャルっぽい早坂ナオさんがこの巻の中心人物。

ナオさんが最近部活に来ないのは、ナオさんの新しい彼氏(本間豪徳)がセクシーさを売りにした賭けバレーの胴締めであり、そこにいいように出場させられているからではないか?という疑惑からスタートします。

そこで、彼女と小学生の頃からずっと親友であった延友厚子さんと、2巻で行われた練習試合(のあとに会ったときの会話)にて親交を持った練さんが各々別ルートで賭けバレーに潜入するという事になります。

そしてナオさんを取り戻すには、試合で勝ってチームを解散させるのが一番だと判断して、黒曜谷高校の一年生(と、三國広之という、男子バレー部一年、三國智之の弟)のチームで挑むことになるのですが、そこで本間さんが雇っていた用心棒が登場。

この用心棒がなんと黒曜谷高校の2年生3人衆だったのです。というながれで試合が行われるたのです。

この問題が発覚する前、黒曜谷高校の女子バレー部長、犬神鏡子先輩がどうしても脱落者を二度と出したくないこと、そこには去年やめていった人がいたことへの悔いのようなものが強く栄養していることが、犬神先輩の家に住み込みでメイドのようなことをしている鎌倉沙羅先輩から語られていたのですが、試合中に先輩たちが用心棒になったのはナオを取り戻すためであることが本間さんの口から明されます。

しかも、灰徳高校のメンツは彼女を出していたとはいえ、そこに出ていた選手はみな「事情があってバレーができなくなったけど、本気で続けたかった人」であることも発覚。ナオさんはその人達にどうしても怪我で欠けた人員の穴埋めや練習に付き合ってなどと頼まれて、助かると喜ばれたのでつい助けてしまっていたということがわかります。

黒曜谷高校のメンツは全員誰かのことを思って行動していたわけです。

その上、本間が違法賭博を行っていた理由は設備投資や賃貸料などを相当稼がないと追いつかなかったからだということが発覚。

そこで三國財閥が事業に投資を行うことで違法賭博をやめさせて、合法的なビジネスとして、バレー興行を行う環境を整備することで合意する、というのが一連の流れになります。

こういう人情噺、いいですよね。ほんと良いです。試合後に延友さんとナオさんが抱き合ってるシーンは泣けます。

一方で、2巻の最後に出てきていた唯隆子さんが、なんと式島シゲルさんの弟、式島ミチルさんを過去に画像で脅して付き合っていたことが発覚。

そのトラウマで式島ミチルさんが誰とも付き合えなくなっているというのです。

その悩みを空気読みの天才の、学さんに相談したところ、お互い大切な練を守る者同士で付き合っていることにしよう、ということになりました。

いや、学さん本当にすごい。聖母みたいになってます。強すぎて、これから崩壊しないか心配になります。

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