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記憶についての一知識と麻生氏の記憶

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われわれは自分の物語を調整して、よりよい物語に変える。われわれは事実を曲げて、もっと集団にアピールするようにする。われわれは社会的動物であるから、過去の記憶も、社会的圧力に即する形で絶え間なく修正されているのだ。

(中略)

海馬は長期記憶の形成に関わっていることで知られる領域、扁桃体は脳の感情中枢だ。この2つの領域が同時に活性化すると、正しい記憶と虚偽の記憶は、虚偽の記憶のほうが社会的要素を帯びていた場合、入れ替わってしまうことがある、と研究チームは述べている。このことは、他者によるフィードバックは、われわれの記憶する体験を形づくる強い影響力を持っていることを示している。

なぜこの現象が起こるかについて、研究者たちは次のように述べている。

偽りのプロパガンダなどがもたらす社会的影響は、政治キャンペーンや商業広告における個人の記憶に有害な影響を及ぼしたり、目撃者の証言を変化させて裁判の妨げになったりするおそれがある。しかし一方で、記憶の同調は、適応的役割を果たす可能性も考えられる。社会的学習は、個人的学習よりも効率的で正確であることが多いためだ。このような理由から、人間は、本来の個人的意見と食い違っているときでさえ、集団の判断を信頼する傾向をもっているのかもしれない。

「社会への同調」で生まれる「ニセの記憶」

これらの実験から、記憶というものは時間とともに変化していくものだということがわかる。例えば学校での初日のことなど、ずっと昔に起こった出来事を思い出そうとする時、実際の出来事ではなく、その後に起こった出来事の情報を引き出してしまうか、もしくは他の記憶が上書きされ、混同してしまっている可能性が高いのだ。 

人の記憶は曖昧なもの。伝言ゲームのように書き換えられていく(米研究)

ベルコウィッツ氏は脳の記憶について、こう説明している。「脳はビデオテープの様なものではない。我々が記憶を紐解く時、脳は小さなヒントを元に過去の記憶を”再構築”している。つまり我々が何かを思い出そうとする時、常に新しい記憶を作り上げてしまっているのだ。多くの人が”過去の記憶を保持しておきたい”と願うあまり、この事実に目を背け、自身の記憶が絶対的な物だと信じてしまう。」

あなたの記憶があなたを欺く。誰もが起こりうる、脳によって捻じ曲げられた記憶の改ざん

われわれは自分の記憶を、常に変わることのない「印象」ととらえ、それを思い出す「行為」とはまた別物として考えようとするが、実際はそうではない。

すなわち、記憶とは、常に変わらない情報が蓄積されているわけではなく、常に変化する「プロセス」であることが明らかになってきているのだ。いわば、思い出すたびに書き換えられるファイルのようなものだ。何かを思いだせば思い出すほど、記憶の正確さは失われて行く。

記憶の確かさと感じられるものは、あくまで、それを最後に思い出した時点での確かさでしかない。記憶の元になった刺激が存在しないため、想起される記憶は変化している。そして、「実際に記憶している内容」から、「記憶したいと思っている内容」に近くなっていく。

厄介なことは、われわれは自分の記憶の多くを、ほかから借りて補わざるを得ないということだ。その結果、以前テレビで見たコマーシャルが自分自身の記憶となり、その中に登場する人物のエピソードを、自分の経験として語りなおすようになっていく。

広告で生まれる「ニセの記憶」:研究結果

以上のような知識を前提にして、以下の麻生氏の記憶に基づいた朝日新聞云々の発言は受け止めるべきなのでしょう。

産経新聞は発言の内容よりも朝日新聞の記者が狼狽えたことにニュースバリューがあると思ってそうなんですが。

とりあえず、閉会中じゃなければ、サマータイムを本当に北緯40度以上の国では日本以外導入しているのかなどの事実確認の質問主意書がすぐに飛ぶような、そういう粗雑な発言だと私は思います。

(太字はブログ執筆者による強調です。ご了承ください。)

 朝日新聞の記者が、政府・与党が平成32(2020)年の東京五輪・パラリンピックの酷暑対策として、サマータイムの導入を検討していることについて質問。すると麻生氏は「確か俺の記憶だけど、違ってたらごめん」と付け加えた上で、「(当時の朝日新聞はサマータイム導入を)あおって書いたんだ。だけど良くないから止めた方がよいって(報道した)」と朝日記者に対して恨み節を炸裂(さくれつ)させた。

 さらに「(止めるべきと)書いた最大の理由は、新聞記者が明るい最中だと夜に飲みに行きにくいから。それが事実だろ?」などと問い詰め記者を狼狽(ろうばい)させていた。

 また、政府・与党が東京五輪・パラリンピック期間中のサマータイムの導入を検討していることについては、「北緯40度以上の国では多分、日本以外はみんな(サマータイムを)やっていると記憶している」と説明。その上で「熱中症で死者が出るなどの可能性を避けるため、早めに導入するのはひとつの選択肢としては正しいと思う」との見解を示した。

昭和のサマータイム廃止「朝日新聞の責任」、麻生氏「記者が飲みに行きにくくなるからだろ?」

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