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雑記

過去を無視して今を批判するな

2018/06/22views 

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自衛隊員監視 恣意的運用ではないのか

 防衛省の防諜部隊、「自衛隊情報保全隊」が陸上自衛隊OBの佐藤正久自民党参院議員や田母神俊雄元航空幕僚長の講演に潜入し、現職自衛官の参加状況を監視していた問題が表面化した。

 佐藤議員らの講演では参加した自衛官の氏名がチェックされ、講演内容と併せて報告書として提出されたという。

 佐藤氏や田母神氏が民主党政権の防衛政策に批判的な発言をしていることが監視対象なのか。これは思想統制にほかならず、組織の恣意(しい)的な運用というしかない。

 機密情報の流出や自衛隊へのスパイ活動の防止が、保全隊の役割だ。それがなぜOBの講演を監視する必要があるのか。本来の任務とかけ離れた活動は、自衛官の思想・信条の自由を侵害していた疑いを持たれてもやむを得まい。

 防衛省は昨年11月、民間人の政権批判を封じる「事務次官通達」を出したことでも、情報統制や言論封じだと厳しく批判された。思想や言論の自由など、民主主義国家の根源的な価値を損なう問題が相次いで浮上するのは、極めて危険な兆候である。

 異論や批判は認めないといった民主党政権の政治判断があるなら断じて許されるものではない。

 枝野幸男官房長官は「報道されたような事実があったとは認識していない」と述べたが、今回の保全隊の監視活動問題は徹底調査すべきだ。とりわけ、北沢俊美防衛相がこの問題にどう関与していたかを明らかにする必要がある。

 昨年の事務次官通達は、自衛隊の後援会幹部による「民主党政権は早くつぶれてほしい」との発言に反発した北沢防衛相らが主導して出し、自民党などの撤回要求にも応じていない。自衛隊員の政治的行為は自衛隊法などで制限されているとはいえ、政権批判を行う人物を遠ざけ、思想や言論の自由を侵すことは許されない。

 自衛隊情報保全隊は平成21年に陸海空3自衛隊の情報保全隊を統合して新たに編成され、約千人の隊員を擁する。外部の働きかけから自衛隊部隊を守るため、資料・情報収集などに当たっている。

 16年前、オウム真理教信者の現役自衛官がハイテク技術を盗み出そうと三菱重工業の施設に侵入、逮捕される事件があった。こうした外部組織、団体からの浸透を防ぐことこそ、保全隊の存在意義だと改めて肝に銘じるべきだ。

さてまず突っ込まなければいけないのは、日本語としておかしいのではないか、という点がこの主張には有るということです。それは、恣意的という言葉の使われ方です。
恣意的と言う言葉をこの主張ではさも「意図的」という言葉のように使っていますが、「恣意」という言葉の意味が「その時々の気ままな思いつき。」という意味であるので、思想統制という意図がある行動を批判する文脈で使う単語としてはおかしいと思うのです。
新聞という一応ステータスの高い媒体で発表するような文章ならそういう事にも気を使ってほしいなぁ。と思う事がまず突っ込みたかったこと。
そして産経新聞は、意図的なのかはわかりませんが、過去の事例と比較することをなるべく避けているように思うフシがあるということが突っ込みたいことの二つ目です。
自民党政権時代にも、情報保全隊は共産党などの政治活動全般を監視していたことで批判されています。
このことを敢えて産経新聞は報じていないのではないか。そしてこの話で、「民主党はやはり言論統制を行っている。」などと騒ぎ立てる人も、敢えて避けているのではないか。もしくは共産党や民主党は言論統制されて当たり前とでも思っているのではないか?と思ってしまうのです。
以下に引用するのは、その自民党政権時代の批判のきっかけになった共産党の発表をしんぶん赤旗が報じたものです

自衛隊による違憲・違法の国民監視活動を告発する
2007年6月6日 日本共産党幹部会委員長 志位 和夫

 日本共産党の志位和夫委員長が六日、国会内での記者会見で発表した「自衛隊による違憲・違法の国民監視活動を告発する」は次の通りです。

入手した自衛隊情報保全隊の内部文書について

 わが党は、陸上自衛隊の情報保全隊が作成した内部文書を入手した。入手した文書はつぎの二種類、計十一部、A4判で総数百六十六ページにおよぶものである。

 (1)第一は、「情報資料について(通知)」と題した文書である(以下「文書A」)。陸上自衛隊・東北方面情報保全隊で作成された文書で、東北方面情報保全隊が収集した情報を、週間単位で一覧表としてとりまとめ、分析をくわえたものである。二〇〇四年一月七日から二月二十五日までの期間のうち、五週間分、五部の資料を入手した。「別紙」として「情報資料」が添付されており、情報保全隊が収集した情報資料が詳細に記録されている。

 入手した「情報資料について(通知)」の「表紙」は、東北方面情報保全隊長から各派遣隊長あてとなっているが、配布先を示すと思われる「配布区分」には「情報保全隊長、東北方面総監部調査課長、仙台派遣隊3部 北部、東部、中部、西部各方面情報保全隊長」と記されている。この文書は、同様の情報が、全国五つの方面情報保全隊(北部方面、東北方面、東部方面、中部方面、西部方面)から情報保全隊本部(東京・市ケ谷)に、定期的に提出されていることをうかがわせるものとなっている。

 (2)第二は、「イラク自衛隊派遣に対する国内勢力の反対動向」と題した文書である(以下「文書B」)。情報保全隊本部が作成した文書で、この文書の「趣旨」として、「イラク自衛隊派遣に対する国内勢力の反対動向」を、「週間単位及び月単位でまとめ」、「今後の国内勢力の動向についての分析の資とするものである」とのべられている。二〇〇三年十一月二十四日から二〇〇四年二月二十九日までの期間のうち、六週間分及び「11月総括」「1月総括」の、六部の資料を入手した。

 入手した資料には、全国の情報保全隊が収集したイラク自衛隊派兵に反対する運動についての資料が詳細に記録されている。この資料には、配布先等は記されていないが、情報提供者によれば、情報保全隊本部から全国五つの方面情報保全隊に配布されていたとされる。

 (3)これらの文書は、自衛隊関係者から日本共産党に直接提供されたものである。文書には、自衛隊内部の者でしか知りえない情報が多数記載されている。党として、文書の記載内容と事実関係を照合する独自の作業をおこなったが、抽出調査したもののうち、事実と照合しないケースは一例もみられなかった。これらから文書の信憑(しんぴょう)性は疑いないものと判断した。
情報保全隊がおこなっていた活動について

 自衛隊の情報保全隊とは、防衛庁長官直轄の情報部隊として、二〇〇三年三月に、それまでの「調査隊」を再編・強化してつくられた部隊である。陸海空の三自衛隊に設置され、隊員数は約九百人とされる。主力である陸上自衛隊では、中央の情報保全隊本部のもとに、五つの方面隊ごとの情報保全隊がおかれている。その任務は、表向きは「自衛隊の機密情報の保護と漏洩(ろうえい)の防止」とされてきた。

 これまで、政府は、情報保全隊にたいする情報開示要求に対して、ことごとく「不開示」として拒否し、「国家の安全」を盾に、この部隊がどのような情報収集活動をおこなっているかについて、いっさいを秘密のベールにつつんできた。

 しかし、わが党が入手した内部文書は、情報保全隊が、国民のあらゆる運動を監視し、詳細に記録していたことをしめしている。

 (1)「文書A」に添付された「一般情勢の細部」は、情報保全隊が、国民のあらゆる種類の運動を監視の対象としていたことをしめしている。そこに記載された多くは、この時期に全国各地で広がった自衛隊のイラク派兵に反対する活動であるが、それ以外にも、「医療費負担増の凍結・見直し」の運動、「年金改悪反対」の運動、「消費税増税反対」の運動、「国民春闘」の運動、「小林多喜二展」のとりくみなどへの監視がおこなわれていたことが記載されている。これは自衛隊情報保全隊が、国民のおこなう運動の全般にわたる監視活動を、日常業務として実施していることをしめすものである。

 (2)「文書B」は、イラク派兵に反対する運動の監視については、特別の体制がとられていたことをうかがわせるものである。情報提供者は、陸上自衛隊の情報保全隊は、「国民的に高まったイラク派兵反対運動の調査を中心的な任務とし、他の情報よりも優先して本部に報告する体制をとっている」、「情報保全隊は上部からの指示で、各方面ごとに反対運動を調査し、各方面の情報保全隊は、情報を速やかに情報保全隊本部に反映するため、毎日昼に前日の反対運動をまとめて報告する」と証言している。

 (3)「文書A」「文書B」によると、情報保全隊は、監視・収集した国民の運動を運動団体別につぎのように「区分」して集約している。

 「P」――日本共産党および「日本共産党系」と区分された労働運動・市民運動など。

 「S」――社会民主党および「社会民主党系」と区分された労働運動・市民運動など。

 「GL」――民主党および連合系労働組合、それに関連すると区分された市民運動など。

 「CV」――上記に区分されない市民運動など。

 「その他」――市民運動、個人、地方議会の動向など。

 「NL」――「新左翼等」と区分された運動など。

 こうした独断的・一方的な「区分」、色分けは、それ自体が集会・結社の自由を侵害する行為であるが、こうした「区分」をみても、情報保全隊による監視対象が、国民のあらゆる運動分野に及んでいることをしめしている。

 それぞれについての記述はきわめて詳細である。「文書A」では「発生年月日」、「発生場所」、「関係団体」、「関係者」、「内容」、「勢力等」などの項目で、「文書B」では、「区分」、「名称(主催団体)」、「行動の形態」、「年月日」、「時間」、「場所」、「動員数」、「行動の概要」などの項目で整理し、詳細に記述されている。そこには多数の個人が実名で記載されている。

 「文書B」に記載されている「反対動向」のうち、「市街地等における反対動向」の監視対象とされた団体・個人は、全国四十一都道府県、二百八十九団体・個人におよび、高校生まで監視の対象とされている。ここにはデモの行動の様子や参加者を撮影した写真も添付されている。

 (4)情報保全隊は、社会的に著名な映画監督、画家、写真家、ジャーナリストなどの活動なども、監視の対象としている。マスメディアの動向についても監視下におき、詳細に記録されている。マスメディアとの「懇親会」の席上で、誰がどういう質問をしたかまで、肩書付きの実名で記録されている。「駐屯地を退庁する隊員に対し取材を実施した」ある大手新聞のメディア記者の行動は、「反自衛隊活動」として記載している。イラク・サマーワに派遣されたメディアの特派員の動向も、詳細に追跡されている。

 各地の市町村議会でおこなわれた「イラク派兵反対決議」についても、その発議者、賛否議員数、議会構成などについて、詳細に記録している。国会議員についても、民主党の国会議員によるイラク派兵への批判的発言と、それへの対応が記載されている。

 宗教団体の活動についても、仏教者やキリスト教関係の団体のおこなった平和運動が監視・記載されている。さらに「文書B」では、「日本国内におけるイスラム勢力等の特異動向」という項目が特別に設けられており、イスラム系団体が組織的・系統的な監視対象にされていることをしめしている。
情報保全隊の活動の全容を明らかにし、違法・違憲の監視活動をただちに中止せよ

 わが党が入手した文書は、軍事組織である自衛隊の部隊が、日常的に国民の動向を監視し、その情報を系統的に収集しているという驚くべき事態を、動かしがたい事実としてしめすものである。こうした活動が、憲法二一条に保障された集会、結社および言論、出版などの表現の自由を根底から脅かす憲法違反の行為であることは明らかである。

 さらに、個人名がいたるところに記載され、デモ参加者にたいする写真撮影がおこなわれていることは、個人の尊重、生命・自由・幸福追求の権利を明記した憲法一三条が保障する個人のプライバシーに対する侵害行為である。「マスコミ動向」の監視は、言論・出版の自由を脅かすものである。地方議会にたいする監視活動は、地方自治にたいする軍事権力による介入である。宗教団体、とくにイスラム系団体にたいする監視は、信教の自由にたいする重大な侵害となる。

 情報保全隊がおこなっている活動は、日本国憲法を蹂躙(じゅうりん)した違憲の活動であるとともに、自衛隊法にも根拠をもたない違法な活動である。

 自衛隊という軍隊が、政府・自衛隊の活動に批判的な市民や政党の活動を監視する――これは戦前・戦中の「憲兵政治」――軍隊の治安機関であった憲兵組織が、やがて国民全体の監視機関となり、弾圧機関となった暗黒政治を今日に復活させようとする、絶対に許しがたいものである。

 これ以上、こうした闇の部隊の活動を隠蔽(いんぺい)・継続することは許されない。わが党は、政府にたいして、情報保全隊の活動の全容を明らかにすることを求めるとともに、違憲・違法な監視活動をただちに中止することを、強くもとめるものである。

そしてこの話を外交防衛委員会等で当時の自民党政権。麻生内閣で防衛大臣をしていた久間章生大臣に質疑で共産党は問いただします。
その時に久間大臣は
「自分たちと自衛隊の関係を調べられるのが、調査される、情報収集されるのが嫌だというところに私はむしろ不自然さを感じる」
「情報収集をして整理することができると書いておれば、相手は国会議員なら駄目だとか共産党さんなら駄目だとか、そういうことを、一々駄目なことを書いていない限りはできるわけであります。」
「法律を超えて、法律で禁じられたことはできないわけですけれども、法律はそういう情報収集については、すべてのものを対象に、保全のために必要ならば情報収集はしていいとなっているわけですから、情報収集することが非常に悪いというような印象で発言されるからそういうふうな決め方されるんですけれども、情報収集というのはこれはもう構わないと思うんですよ。」
「いまだかつて情報収集したことについて、その手段が違法であれば問題かもしれませんけれども、そうでない限りはそれが問題になるとは私は思わないですけれども。」
(以上平成19年06月19日 外交防衛委員会 共産党 緒方靖夫議員と久間章生防衛大臣とのやりとりより抜粋)
と答弁しています。基本的に防衛大臣の監視下に自衛隊はいるので、自衛隊も同じ考え方であると考えて良いと思います。そして久間大臣が防衛庁長官であった時期よりも前から活動は行なわれていたので、自衛隊にはこういう考えがずっと前から有ったと見ても間違いではないと私は思います。
つまり当時から自衛隊は「情報収集だけなら、手段が違法でない限りいくらでもやっていい」と認めていることになるとおもうのです。
そして、トップが変わればそういう認識が一気に変わることはありえないでしょうから、つまりは今でも自衛隊はそういう認識で動いていてもおかしくはないと思われます。
それなのに、過去に自衛隊に関わっていた人物が、自分が監視された途端に騒ぎ出すのはおかしな話だと私は思います。(自衛隊OBで今回、対象になっていると報道された佐藤正久議員はHPでの活動報告で「私は自衛隊にとって危険人物だったらしい!」というタイトルの文章をアップしている)
ちなみに久間章生防衛大臣は平成19年6月7日の外交防衛委員会では
「それは別に人のあれを踏みにじるようなことじゃないわけでして、こういうような団体がこういうような集会を持っておりましたというのを、そういう公開の場で、出掛けていって、そういうことが行われておったということを事実として把握するだけの話ですから、表現の自由を抑えるわけでも何でもないし、踏み込んだということにはならないわけですね。」
といって情報収集だけ、事実把握だけなら表現の自由は抑えられない。つまり思想統制には成り得ないとの認識も示しています。
ただ今回の産経新聞の主張では「思想統制にほかならない」と共産党側の意見のような記述があります。
つまり、過去の共産党の主張を載せることが、その思想統制にほかならないという事を強調する事になるとおもうのですが、その点は産経新聞さんはどう思っているのでしょうかね。
ちなみに民主党も監視されてはいたのですが、抗議に動いた形跡が見られません。
もし民主党当時、自衛隊情報保全隊の活動を非難していたのなら、今回の行動は矛盾であり、当然批判されても仕方ないであろう、と私は思います。
つまり今回は批判することがおかしいのではなく、批判するのであれば、過去にも事例があったことを示し、それと同様におかしいことである、と言わないで、さも過去に全くやらなかったことを民主党が勝手にはじめて行ったように主張するということは、おかしいではないかと思うのです。
そうしないと、共産党や社民党などの過去に監視された団体は思想統制されて当然と認めることになり、つまりは思想統制そのものを認めることになり、いつ自らが思想統制されても文句が言えないような事になると思うのです。
そんな偏見のもとで相手を批判しても、私からみると説得力にかけてしまうと思うのですが、どうなんでしょうかね。

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