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麻生太郎氏は「セクハラ罪という罪はない」以外にも発言している

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麻生太郎財務大臣兼副総理の「セクハラ罪という罪はない」という発言への批判に対して「刑法に存在しないという事実を指摘しているだけ」と返している方々がいます。

しかし、これらの方は、麻生氏がその発言だけしているかのように扱っているという点で誤った認識をしているように思います。
それこそ、発言を批判する際に散々指摘される『文脈』が問題につながるものなのです。

例えば、最初に発言した場面では「セクハラ罪という罪はない」と同時にいくつかの主張をしているのです。
それを並べたのが、以下に引用したBuzzfeedの記事です。

麻生氏は、福田氏の辞任の理由について、国会審議への影響のほか、「役所に対しての迷惑とか、いろんな意味で品位を傷つけたとかいろいろな表現があるでしょうけれど、そういった意味であの種の処分をさせていただいた」と語った。

そして「セクハラ罪っていう罪はないですよね。殺人とか強制わいせつとは違いますから」と発言した。財務省は4月27日、福田氏のセクハラを認定して減給処分をしているが、その点には触れなかった。

女性社員がセクハラ被害に遭ったとしているテレビ朝日は、調査の継続を求めているが、麻生氏は次のように説明し、調査を打ち切る方針を改めて示した。

「1対1の会食のやりとりについて、財務省だけで詳細を把握していくことは不可能だ」「いくら(調査結果が)正確であったとしても偏った調査じゃないかと言われるわけですから。被害者保護の観点から(調査に)時間をかけるのは、かなり問題がある」

そして、「本人が否定している以上は裁判になったり、話し合いになったりということになる。ここから先はご本人の話だ」と今後は個人の問題になるとの考えを述べた。

麻生財務相「セクハラ罪という罪はない」。識者ら「何から何までおかしい」と批判や戸惑い

 「セクハラ罪という罪はない。あなた(記者)も良く知っているように。殺人とか強制わいせつとは違いますから。訴えられない限りは、親告罪ですからあれは」(麻生太郎財務相)

 訪問先のフィリピンで、福田前財務次官のセクハラの認定について問われた麻生財務大臣はこのように述べました。その上で、「福田氏本人がそういうつもりはなかったと否定している以上、福田氏と被害女性側の言い分を聞かないと、公平さに欠く」「福田氏の人権も考えなければならない」とこれまでの主張を繰り返しました。

 また、福田氏の処分の理由については、「役所に対しての迷惑とか品位を傷つけた、そういった意味で処分をさせていただいた」と述べていて、財務省がセクハラを認定して処分した対応と食い違う説明となっています。

事務次官セクハラ問題、麻生財務相「セクハラ罪という罪ない」 TBS NEWS

また、二度目の発言をした場面では、同時にこのような主張をしていたようです。

これについて、麻生副総理は8日の閣議のあと記者団が女性団体などから批判が出ていると質問したのに対して、「セクハラ罪という罪はないと思う。罪としてはいわゆる親告罪であって、まだ訴えられたという話もうかがっていませんから、私どもとしては事実を申し上げただけだ」と述べ、これまでの見解を繰り返しました。

「『セクハラ罪はない』は事実述べた」麻生氏 | 注目の発言 | NHK政治マガジン

親告罪だとか訴えられていないなど、これらの発言を総合するに、麻生太郎氏は「本人が出てきてないから事実を認定するのは不可能だ」「だから福田元事務次官がセクハラをしたとは断定しない」という主張をするために「セクハラ罪という罪はない」と言っていると言えるのではないでしょうか?
要するに『本人が名乗り出てくれないと』の延長線上の発言でしかないわけです。

そういう文脈で批判されているのに、発言単独だけを抜き出して「曲解」だと言い出すのは不誠実なのではないでしょうか?

また、セクハラしたか認定せずに処分した、という意味で『セクハラは国家公務員法が定める信用失墜行為に該当するから、懲戒処分の対象たり得る。』という解釈はここては当てはまらないのでは無いでしょうか。

また「現在の刑法で「セクハラを明確に規定した法」があるんって話で。ないから他の理由で処分しましたよってのは適当。」という主張は、刑法と行政処分の基準を統一する必要はないはずなので、行政が独自にセクハラとは何かを定めて、それこそ信用失墜行為などとして処分することは可能ですので、これもおかしいのではないでしょうか?

ちなみに2018/05/09に財務省で行われたセクハラ関連の研修では弁護士の方がこう述べていたようです。

菅谷氏は研修の冒頭、福田前次官のセクハラ問題への財務省の一連の対応について「大きな疑問やズレを感じた。どこかゴシップのひとつであるとして『本当に訴えたいなら証拠を持ってきなさい』というおごりがあったのではないか。人権侵害の問題であり、刑事事件にもなりうる大きな不祥事であることについてしっかり認識していただきたい」などと語りかけた。

財務省の感覚、世の中の常識と「非常にズレている」 セクハラ研修講師が幹部に指摘

(麻生大臣は、これを聞いても「本人が訴えていないから刑事事件にはならない」と言い続けるでしょうけど)

ただ、麻生氏は二回目の発言の際、こうも述べていたようです。

そのうえで麻生副総理は、財務省が福田前事務次官のセクハラ行為を認定し処分したことに関して、「本人は否定していたが、本人の反論を弁護士が聞いた範囲ではあの程度のものだったので、これでは難しいという前提に立って判断した」と述べ、セクハラ行為があったというテレビ朝日の主張を覆すだけの反論が福田前次官から示されなかったため処分した、という考えを強調しました。

これは実際に財務省が行っている処分理由になっていることであり、このように、財務省は「反論が示されなかったから、セクハラはあったと判断し処分を行った」という理屈なはずなのです。

そこは麻生大臣もわかっているはずなのに、麻生大臣の口からは、セクハラ罪はないとか親告罪ではないとか、余計な指摘がどんどん出てくるのです。
なぜいまその「事実を申し上げる」の?それは認めないために色々とごまかしているのではないの?というのが、批判されている大きい理由ではないでしょうか?

それなのに「事実を申し上げただけ」と批判に対して返されてしまっては、なにも指摘を聞いていないんですね、という事しか理解が出来ないわけです。

強引にまとめると、このタイミングで、余計な混ぜっ返しをする大臣が「膿を出す」のに適切なのか、それが安倍政権の「任命責任」として問われるのではないでしょうか?

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