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情報公開

元自衛官の中谷真一議員の、日報に関する認識に疑問

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自民党の議員で、元自衛官である中谷真一衆議院議員(山梨一区、宮川典子議員とコスタリカ方式)が、日報の情報公開について持論を述べたようです。

中谷議員は、昨年3月の安全保障委員会でも、日報について持論を述べています。

(日報が黒塗りされているのは、自衛隊の任務に支障がある恐れがある、または他国との関係上問題になるから、という答弁を引き出した後)
○中谷(真)委員 これは非常に現地部隊に影響を与えるものなんですよね。これがもし流出したらどうなるんでしょうね。これはもう、部隊は任務遂行に大きな影響があるわけであります。ですから、こういった場でこういった現地の部隊に影響を与えることについて議論するというのは慎重じゃなきゃいけないんですよね、実際は。
 これは、どんどん出せと言いますけれども、これが民間に出ていって、もし宿営地を狙うような勢力の手に渡ったらどうなるんでしょうね。そういうことをやはり考えながら、我々はここで議論しなきゃいけないと思うんです。
 私は、もともと自衛官でありました。ですから、これがどういう意味を持っているかということをわかっているつもりであります。現地で、この国のためにやっているんですからね、国民の皆さんのために。本当に、家族と離れて、遠くは異国の地で苛烈な任務をやっているんですよ、この人たちは。この隊員の皆さんの任務遂行に影響を与えるんだ、そのことを前提としてこの議論をするべきなんです。これを残す、残さないという議論は、そこを中心にやはり考えなきゃいけないというふうに思います。
 もともと、これは破棄されていなければいけない、保存期間を過ぎているわけですからね。それが残っているということの方が私は非常に問題だと思います。これは、何ですぐ破棄しないのかというものであります。危険にさらしますからね、これが出たら。なのに破棄をされていなかったというところで、ある。このことについて見解を伺いたいと思います。

日報が流出したら危ないからさっさと破棄すべきであった、とか、議論することについて苦言的な事を述べているんです、昨年3月には。

そして、今回も、情報公開請求することに対し苦言を呈する形で『テロリストに渡していいのか?』と言い出しているわけです。
なぜか、『情報公開=テロリストの手に渡す』になってしまっているのです。(それをうけて案の定ニコニコ動画のアホは野党がテロリストとか朝日新聞がテロリストだとか喜んでいるのが、なんとも)

しかし、そもそもの話として、黒塗りの話に自ら触れているように、基本的に公開してはいけないような危険につながる情報などは行政庁の判断で黒塗りにされて開示されているわけです。

中谷議員は昨年3月の質問時『黒塗りだとここで議論する意味はないんですよね、実際は。日報について、日報についてという議論をここでよくやっていますけれども、黒塗りのまま出したって意味はないんですよね。』と述べていて、基本的には黒塗りを少なくさせようとする言動に対して牽制する質問をしているつもりかもしれません。

しかし、そういう牽制の範囲外と言える言動が明らかに存在しています。

例えば今回の言及では、状況を知りたいなら、日報ではなく、外務省の役人を派遣して安全確認したらいいじゃないか、みたいな事を言っているのですが、それは政府側が提案してやればいい話で、開示判断にしても、基本的には政府側に要求する話なのではないか?と思うんです。
しかし、中谷議員は結局『日報を公開しろというのはおかしい』『テロリストに渡すのか』というような情報公開請求を批判するかのような言動になっていくのです。

行政が情報公開請求を拒否できる仕組みとして、情報公開法五条三項に例外規定として『公にすることにより、国の安全が害されるおそれ、他国若しくは国際機関との信頼関係が損なわれるおそれ又は他国若しくは国際機関との交渉上不利益を被るおそれがあると行政機関の長が認めることにつき相当の理由がある情報』と定められていたり、特定秘密指定という手段だってあるというのに、それらの活用は提案されないわけです。

また、中谷議員は昨年3月の質問で『そもそも日報は廃棄されてなければいけない』と述べています。
しかし、これに関しては日報が一次資料である以上、一次資料は基本的に二次資料に付随して保存しなければならないという行政的な定めに違反することになります。
(元自衛官がこんな認識で大丈夫なんですかね。)

また、国際的にも研究のために長期保存して、一定期間が経過した後に公開するという、日本でいう特定秘密のように長期保存して、その後公開することが当然であるかのような事が、産経新聞の記事には書かれています。

 --日報の目的は

 「2つある。指揮官の指揮を適切にし、任務の教訓もまとめるためだ。指揮官は日報を読み現地の状況を把握し運用構想を練る。運用構想は司令部組織を挙げて検討するため、幕僚は日報データを共有する。教訓は全活動を終了した後に取りまとめ、次の国際平和協力活動に生かす」

 --将来にわたり日報の価値は高いと

 「そうだ。日報は軍事用語でいえば戦闘速報で、速報がまとめられ戦闘詳報になり戦史につながる。日報は歴史的な1次資料といえ、陸上自衛隊研究本部(現教育訓練研究本部)など教訓をまとめる部署に日報は保管されるべきだ」

(中略)

--情報公開のあり方と日報問題の本質は

 「陸自に公文書管理への認識の甘さがあったことは否めないが、軍事作戦の戦闘速報にあたる日報を他省庁と同じ行政文書と位置づけ、情報公開の対象にしていることが正しいのか疑問だ。恐らく日本以外にはなく、欧米では永久保存とした上で30年後や50年後に完全開示しているという」

 「日本の情報公開法ではその都度、開示か不開示かを判断し、秘密保全上の問題があれば黒く塗りつぶして部分開示するのが原則だが、情報開示請求が相次げば選別は膨大になり、防衛省・自衛隊の機能は麻痺しかねない。ましてや日報を書く隊員が戦闘という言葉を使わないよう忖度するようになれば、指揮官は状況を正確に把握できなくなり指揮を誤る。日報問題を政争の具にするのではなく、憲法の制約に伴うPKO参加の前提を見直すことまで含め問題の本質を直視すべきだ」
【陸自イラク日報問題】元イラク派遣航空部隊指揮官 織田邦男氏に聞く 「政争の具にせず、問題の本質直視を」 

この『永久保存とした上で30年後や50年後に完全開示』なんて、まさに日本でいう特定秘密の扱いっぽく感じるのですが、実態はどうなんでしょう?

こういうことで、個人的に不思議なのは、あれほど野党の批判に反発していたであろう産経新聞や中谷議員が、こういう情報に対して特定秘密保護法の活用について言及せず、『廃棄されてないとおかしい』とか『開示しろというのがおかしい』みたいな論調に流れていきそうな点です。

もし、特定秘密保護法がそういうことに使えないと言うのならば、あの政争は何だったのか?としか思えないのです。
(ただ、そもそも今回の場合は『不存在』だったものなので、特定秘密指定もなにもあったもんじゃないんですが。)

そのような法整備や法活用などの努力をせず、『開示しろというのがおかしい』と言い募るのは、おかしいのではないかと個人的には思います。

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