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フランス国民議会選挙 想像以上に『共和国前進』は盤石

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フランスにて、国民議会選挙の第一回投票が行われました。

第一回投票というのは、フランスの国民会議選挙は二回投票制を採用しているので、そう記述しています。
第一回投票では、有効票の過半数かつ選挙人名簿登録者数の25%以上を獲得を獲得しないと、議席を確保することは出来ません。
その代わりに、第一回投票にて、選挙区の有権者数の12.5%以上の票を獲得すると、第二回投票へ出馬する権利を得ることが出来て、第二回投票では日本の小選挙区のように、単に最多票を獲得するだけで議席を確保できます。

(フランス大使館の選挙制度を読んでみたら、それ以外にも「在外フランス人代表」が選出されていたり、国会議員と地方議員の兼職が前回選挙までOKだったり、立候補する選挙区に居住している必要がなかったりと、なかなかおもしろいと思いました)

冒頭にリンクを貼ったBBCが伝えているように、今回の第一回投票では、マクロン大統領の与党「共和国前進」が30%以上の得票を記録しました。
新潮社フォーサイトの記事によると『多党分立が伝統のフランスでは、第1回投票で20%以上取ると各選挙区での有力候補の1人になる。それぞれの選挙区事情にもよるが、慣例では30%以上獲得した候補の当選確率は、かなり高くなる。』とのことで、それが共和国前進が圧勝するという予測の根拠のようです。

以前、フランスの地方選挙にて社会党が国民戦線の議会進出を押さえ込むために候補者を下げて、事実上共和党との選挙協力を行ったことがありましたが、今回の国民議会選挙では、そういう選挙協力が行われそうもないし、されたとしても逆転が困難な情勢だということでしょう。
(ちなみに、フランスの地方選挙[地域圏議会議員選挙]の仕組みも、国民会議と似たような二回投票制のようです。ただし、小選挙区制ではなく、第一党が一定の議席優遇を得る比例代表制のようです。)

全体的に合計した投票結果についてはWikipediaに掲載されていました。

フォーサイトの記事によると、社会党や緑の党の有力議員が多数、第一回投票の時点で落選確実になってしまっているようで、この票も共和国前進が吸収する可能性が高いと考えると、たしかに圧勝すると予測するのが妥当だと思われます。

一方で、マクロンが選ばれた大統領選挙にて決選投票まで進んだルペン氏が党首に復帰していた国民戦線は、1~5議席というほとんど議席を確保できない予測が出ています。
これは、同じ大統領選挙の第一回投票で4位だったメランション氏が率いる「不服従のフランス」の10議席予測よりも少ないものとなっています。
こうなる理由は、他の政党の支持層を引き込むことが出来るかどうかの差なのでしょう。不服従のフランスの場合は、社会党などの支持層から流れてくる人もいるでしょうが、国民戦線は社会党とは真逆ですし、思想的に親和性がありそうな共和党とは大抵戦うことになってしまう(地域圏議会選挙でも共和党と国民戦線が戦って第一党を阻止している)など引き込める支持層に限界がある、ということなのでしょう。

第一党にならないと勝利できない制度では、このように他党支持層を抱き込むことが出来るかどうかも議席確保の条件となるので、自ずと極端な主張を掲げる政党が淘汰されていくのでしょう。
そういう意味で政治の安定を求めるには第一党にならないと勝利できない制度は最適ですが、そのような制度的な安定が民意についていかなくなることで極右などが台頭している、とも考えることが出来るということも同時に考慮しないと行けない制度だと思います。

しかし、近年はどんなフランスの選挙でも、新興勢力を止めるには共和党の固定票が不可欠、という構図になるくらい、共和党の基盤は強いですね。
社会党が共和国前進に半ば合流してしまっているために、さらに共和党の強さが際立つように思います。

今後のマクロン与党の伸びも、結局は第二勢力である共和党がどれだけ他党を抱き込めるのかに掛かっているのですが、共和国前進の社会党から一部共和党まで抱き込んでいる状態よりも強くなるとは思えず(他の大勢力である、国民戦線や不服従のフランスを共和党が抱き込めるとは思えないので)この予想が大きくひっくり返ることは、共和国前進が余程支持者を手放さない限りはありえないでしょう。

一方で、第一回投票は投票率が49%程度で棄権をした人が約51%存在しています。
この棄権をした人たちの支持が掘り起こされると一発逆転があり得るのですが、そんなことが出来るならば足切りが行われる第一回投票の時点で投票されているように思いますし、共和国前進が地域圏議会選挙の国民戦線ほどアンチ票が出るとも思えないので、やはり他勢力の一発逆転は無いと見るべきなのでしょう。

第二回投票は来週行われます。
ここでの票の動きがどうなるのか、私の予想外のことが起こるのか?
とにかく、フランス国民にとって良い結果に繋がることを願っています。

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