2014/08/18 産経新聞がしれっと責任逃れをしていた。

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産経新聞がまた無通知編集で責任逃れを行っているので、記事にして残しておきます。

その編集を行った記事は『「日本人に深くお詫びしたい」、日本の「原発」生んだのは米物理学者たちの「原爆贖罪意識」だった』という記事。
この記事は【国際ビジネスマンの日本千思万考】という上田和男氏の連載の記事です。
ちなみに、上田和男氏は以前にもこの連載で『近くて遠い「反日チンパンジー・中韓」より、遠くて近い「親日・インド」を大事にすべし…パール判事の「知性」を思い出そう』というタイトルで記事を掲載し、『反日チンパンジー』という記述に批判が殺到、さり気なく『近くて遠い「反日・中韓」より、遠くて近い「親日・インド」を大事にすべし…パール判事の「知性」を思い出そう』という記事タイトルに変えた、ということもありました。

さて今回は記事の中身の文章をさり気なく変更しています。
まず魚拓された本来の文章をどうぞ。

WS000062

『オッペンハイマーにいたっては「日本人に深くお詫びし、死をもって償いたい」と自死を遂げました。』
このようにオッペンハイマーの死因を『自死』と断定しています。しかし、実際にはオッペンハイマー氏の死因は『喉頭癌』であり、自死というのは新説中の新説、というか珍説の粋です。
もちろん批判が殺到、そこで産経新聞は文章を改編することで、責任逃れを行います。それが以下の現在の文章です。

WS000063

『オッペンハイマーにいたっては「日本人に深くお詫びし、死をもって償いたい」と自死を遂げたと聞きました。
なんと誰かから聞いた知識ということにして、責任逃れをしています。
この『オッペンハイマーは自死』というのは、この記事の『原爆を作った人が如何に自責の念に駆られていたか』という論拠を補強するための『とどめの強調』として『にいたっては』という強調する言葉を付けることまでしているものです。
『自責の念があったからこそ、湯川秀樹氏がノーベル賞をとれて、更に日本に素晴らしい原発がもたらされたのだ』という論の文章なのですからそこまで強調されるのも当然ですね。

しかし、その重要な部分で、重要な事実誤認があるというのは情けないにも程が有る気がします。
この記事の執筆者と編集者などは、そろそろ事実かどうかくらいは慎重に調べるとかしないのでしょうか?

ちなみに、先に軽く記事の論調を説明しましたが、詳しくは記事中で『こうした米国の良識派で自責感の強い学者や平和主義者、一部政治家などの「原子力の平和利用」「核兵器抑止」活動の延長線上に、唯一の被爆国であった日本がありました。日本は科学技術立国による経済成長途上にもあり、そうした倫理的・技術的ノウハウを含む支援も受けて実行に移されたのが、日本における原子力発電所建設だったのです。』と書いているのですが、この記述、憲法廃棄論によくある『日本国憲法はアメリカの左翼の実験だった。だから自虐史観に染められたんだ』みたいなものと一緒だと思うんですが、ここでは原発を廃棄せよとならずむしろ原発を歓迎している論調になっているのが面白かったです。

あと湯川秀樹氏のノーベル賞をとった理論を『中性子論』と書いているのですが、これは『中間子理論』の間違いであり、かつこの外国のノウハウ支援を受けて素早く原発を建設するという行為に対し湯川秀樹氏が「輸入技術への過度の依存は自主性を妨げる」等と『自国での基礎研究不足』をずっと訴えて反対していた事も書いておきます。
(ただし、原発そのものに反対しているわけでもなく、戦前・戦中に日本の原子爆弾開発に関与していたこともあるのですが)

参考:「原発の再稼働」をめぐって各界に訴える:京都大学旧湯川研究室同窓会有志
湯川秀樹博士の予言、原発が直面する輸入技術依存のツケ

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