興味乱舞に引きこもれず

全記事数:591件

権利保護の緊縮削減に反対するブログ

小ネタ

民主党の事業仕分けで火山観測の補正予算が切られた?

2017/01/24 11views

アドセンス広告

この記事の所要時間: 759

 

片山さつき氏のツイートをみて指摘したいと思いました。(2017/01/24確認したら、ツイートが削除されてました)
まず前提確認ですが、22年の事業仕分けというのは多分前の記事でふれた行政事業レビューのことでしょう。
本物の事業仕分けでの対象事業をホームページで確認しましたが、火山関係は見受けられませんでした。

行政事業レビューにて有った補正予算への指摘は、行政事業レビューのやりとりを聞いて書いた記事にも書いたとおり、補正予算で一気に新しい機器を導入するという形ではなく、当初予算に計上して、段階的に更新する形にしないと、ランニングコストの増大などで予算不足が発生するのではないか?という指摘です。

コレによって気象庁がこの22年度以降の補正予算にて抜本強化を狙っていたのが頓挫したというのならば、正しいと思います。
何故ならば、これ以降、気象庁は補正予算ではなく、当初予算(つまり本予算)にての更新計画を作ります。(そしてそれは行政事業レビューでも『そうあるべきである』と気象庁の担当者は認めていた)
その当初予算の枠で23年度(菅政権)から予算を確保しているので、補正予算ではない場所で計画が進んでいくことになるので、22年度以降の補正予算で一気に更新しようとしていた計画だったならば、それは否定されたということになります。(ただし、そういう話は行政事業レビューには一切出ませんでしたが)

WS000110
平成24年度気象庁関係予算決定概要に掲載されている図)

そして、この気象庁が策定した五ケ年計画にそってやっていたので『また、25年度には富士山、御嶽山(おんたけさん)、阿蘇山など6火山の観測所を更新する計画で、新年度予算に1億9500万円をつけた。(サーチナの記事)』となったというわけです。(後に扱う大手保守ブログでもそうなのですが、このサーチナの記事の記述を『民主党が削ったのを自民党が取り戻している!』みたいな証拠に使う方が多いので、実際は五ケ年計画で民主党政権から続いている予算枠であることを記述しておきました。ちなみに平成23年度予算ではその直前に閣議決定された『経済危機対応・地域活性化予備費』を使って2億8600万円が計上されました。あと上の24年度予算概要の額は少なめに見えますが、概算要求の額と同額でした。)

というわけで『事業仕分けで補正予算が削減された』というのは間違いになります。

しかし、事業仕分け以外で、実は補正予算を削減している可能性があります。
それが、『鳩山政権での一時補正予算執行停止して見直し』というものが有ったからです。
ちなみに麻生政権で策定された補正予算の資料から抜粋した図がコレです

WS000114

上に41.2億円と書いてるのがわかると思います。
一方で行政事業レビューにて予算の説明があったのですが、この年は『35億円の補正予算がついた』と説明されていました。要するに約6.2億円減っています。

この6,2億円が機器更新費用だった可能性はあると思います。
ただ元々が41.2億円だったものから6,2億円減って35億円となったのを『補正予算で抜本強化しようとしていたのが、ばっさり切られ、予算も当初計画より大幅に減らされてます。』と表現するのは個人的には違和感がありますがどうなんでしょうかね。(これは個々人の感覚次第なので、片山さつき氏の表現が全面的におかしい訳ではないと思う)
そもそも抜本強化自体はできている可能性が高いですし
(そもそも執行済みの補正予算は減らせるわけもなく、御嶽山の観測点一覧の観測開始日を見ると『2010年』と『2011年』に観測開始したものが存在し、平成14年度以降は補正予算での新規更新以外はできていないと行政事業レビューで述べていた以上、それが『抜本強化するために補正予算で設置された観測機器である』と推測できるため。)
WS000115←観測点一覧の図(この図の最終更新日は平成24年(2012年)1月1日)

ちなみに観測機器は『10年が本来の耐用年数』のところを保守整備をして使っているようで、御嶽山も更新ができて良かったと思います。(どこなのかは分からないが17年以上更新されていないものがあると行政事業レビューでは述べていました)

ちなみに五ケ年計画として要求された額は
23年度 2.86億円
24年度 0.85億円
25年度 1.95億円+0.79億円(補正予算による予算追加)
26年度 1.96億円
27年度 1.03億円(概算要求)
で合計 9.44億円となっています。

・更新ができていなかったことでの、今回の観測への影響。

これを触れるにあたって、批判材料として使うブログ記事のまずタイトルについての批判から初めないといけないと厄介なのですが・・・
使うブログは『正しい歴史認識、国益重視の外交、核武装の実現』という個人的にはネトウヨデマ御用達ブログだと思っているブログの『事業仕分けで御嶽山監視をやめていた!抜本的改善で予算5分の1に!民主党と勝間和代による人災!』という記事です。

このタイトル、まず『事業仕分けで御嶽山監視をやめていた!』 は『気象庁の観測体制が不十分なまま大学の観測網が縮小されている。これでは活火山の監視をやめるに等しい』という記事の中にある名古屋大の教授のコメントを拡大解釈した間違いです。

そして『抜本的改善で予算5分の1に!』というのも時系列などなどを誤認したデマ、釣りです。
向こうのブログでは以下のように書いています。

WS000116

まずこの書き方のおかしい点は『本予算と補正予算の区別がつけられていない等、予算の詳細が書いていない』点にあります。
平成22年度と平成23年度の差を『5分の1』と表現されているのですが、そもそも22年度予算の大半は『21年度の補正予算の繰り越し』なのです。
そして『平成22年6月、事業仕分けで火山観測費を大幅削減!御嶽山の監視やめる!』の間違いは上と前回の記事で書いたとおりです。
行政事業レビューで削減されたのはせいぜい予算の6%程度です。5分の1は時系列をハチャメチャにした印象操作でしかありません。

その上でさらなる印象操作をここでは批判したいと思います。
それは以下の画像化した部分に書かれている記述です。

WS000118

正直言うとすべてが印象操作でしかないように思えるのですが・・・

まず有珠山にて事前予知に成功したことが書かれています。
これは今回も体制がきちんと揃っていれば、と言いたいのでしょうが、そう単純ではありません。

この記述の中で『しかし、噴火の予知には継続的な観測データが必要。直前に火山性微動まで探知できたが、予知するためには3年間のブランクは痛かった…。』なる記述があります。
まず前提として3年のブランクは存在しません。
キチンと行政事業レビュー後も観測データは存在し、分析・発表がなされています

その上で、この根拠とされている産経新聞の記事はこういう記述になっています。

噴火は地震と比べると予知しやすいとされるが、過去の噴火で観測されたデータに頼る部分が大きい。気象庁火山噴火予知連絡会の藤井敏嗣会長は「今回の噴火は予知の限界」と話す。

平成12年の有珠山(北海道)の噴火は約1万人が事前に避難し、予知の初の成功例として知られる。有珠山では江戸時代以降、地震増加が噴火に直結することが分かっていたからだ。

だが、このような経験則が成り立つ火山は例外的だ。御嶽山は有史以来初となった昭和54年の噴火が起きるまで、噴火の可能性すら認識されず、近年も静穏な状態が続いていた。噴火過程の理解など予知の判断材料は十分でなかったという。
藤井会長は「観測点がもっとあれば分かったかもしれないが、噴火予知は多くの場合、難しいのが現状だ」と話している。

WS000119

どう読んでも『有珠山は例外的な火山で、御嶽山はそもそも過去の噴火過程の理解不足などで、予知するための判断材料がそもそも足りなかった。』という内容が書いてありますよね?
それの記事のリンクをつけながら『有珠山の成功例』をサンプルに『予知するためには3年間のブランクは痛かった』というわけのわからない記述をしている時点で印象操作極まりないと思います。
というわけでこの記事だけではなく朝日新聞の記事でも

頂上付近の火山性地震は9月上旬にいったん増えた後減少し、マグマの上昇を示すような山体の大きな膨らみも観測されなかったため、北川貞之火山課長は「前兆をとらえ予知するのは難しかった」と説明している。予知連も今回の噴火を「突発的に起こることが多く、予知は非常に難しい」(藤井会長)とされる水蒸気噴火と認定している。

と書いているので、やはり今回は余程予知が難しい噴火の仕方だったのだろうと思います。
なので、今回の噴火が予知できなかったことには『民主党の事業仕分け』以上に、もっと噴火予知に関する根本的な原因があるようです。
ただ『観測点がもっとあれば分かったかもしれないが』という言葉がちょっと気になりますが。

関連記事&アドセンス広告

-小ネタ
-, ,