自民党への政権交代で自殺者減少?

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まずこのツイートを見て欲しい

このツイートを見て一言。

お前は何を見ているんだ?

とりあえずこのツイートで引用されている図は時事通信社のニュースに載っている一年間の自殺者数の棒グラフです。
そして図を見ると分かることは2009年をピークに、2010年~2013年は右肩下がり、そして2012年に大幅に減少しているということです。
そして民主党から自民党への政権交代は2012年の12月16日、たった2週間でそんな大幅減少が実現できるなんて空想にも程があります。
実際に数字を見てみると

このツイートの画像(古い画像を載せていたら、差し替え用のキャプ画像を提供していただきました、ありがとうございます!)の平成24年のラインをみると分かるように、政権交代が発生する以前にもう『前年比約2600人減』を達成しているんですね。その減少のほとんどは4月~8月に起こったもので、それ以外の月は微減です。
そして、政権交代が起こった12月も微減です。
よって政権交代は無影響といえるでしょう。
というわけで、冒頭のツイートは『またまたご冗談を』というツイートなのですが、このついでにもっと細かい数字などをみていこうと思います。

・全体的な自殺者数の推移

まず、こういう自殺者数の把握をしたいときには内閣府にある『自殺対策』というページに大体揃っているので、そのページを抑えておくと便利です。

そこの『自殺の統計』というページにある『最新の状況』という資料を見ていただくと、全体的な自殺者数の推移がわかります。
今年も大幅減少傾向にあるようです。ただし9月と10月は微増しているのが気になりますが。

ちなみにこの自殺者数の減少については『変死体の数と合わせると自殺は減っていないことになるのでは?』という説もあります。
変死体として処理されている数は自殺者数と反比例するように確かに右肩上がりなのですが、その数は明確にリンクしているとはいえないので、『変死体者数など、他の数字にも自殺者が紛れ込んでいることがある』と考えておくのが妥当だと思います。
少なくとも『変死の半分は自殺』という話はどうも翻訳ミスから始まった誤解の可能性この文書の「violent death」という単語が『変死』と訳されたことによって生じたらしい。辞書を見るとその単語の意味は『非業の死』などとある。)があるようなので事実ではないと思ったほうがよさそうです。

・ 動機別の自殺者数の推移

これがよく分かる資料はこの資料の4枚目の図です

例えば、安倍政権が重視する経済という観点を見ると、ここでは『経済・生活問題』という括りになっていて

21年、8,377人
22年、7,438人
23年、6,406人
24年、5,219人

25年、4,636人

というピークの2009年(リーマン・ショック)から減少の一方となっています。

・自殺者数減少の原因は?

これは、それを論じている記事を紹介するにとどめておきます。

ライフリンクの代表の清水さんの記事2つ
昨年の自殺者 減少の理由
視点・論点 自殺はなぜ減ったか
また『日本の自殺者が減少 景気回復だけが原因ではないと海外報道』や『県内自殺者減少182人 唐津市で大幅改善』『年間自殺者、減少の要因は』という記事も読むとなんとなく『単純にコレが原因だとは言えなさそうだな、ということがぼんやりと分かるのではないでしょうか?

・その他諸々読むといいよというやつ

世界自殺予防デー
自殺は不名誉ではない:世界自殺予防デー・自殺予防週間に考える私たちにとっての自殺問題
自殺予防総合対策センターに載ってる「自殺を予防する-世界の優先課題」

というわけで、自殺ということは非常に複合的なものなので、シンプルな構造を提示された時にはそれは何らかの利益を背景にしたプロパガンダのようなものだと穿ってみてみるのが良いのではないかと思います

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