長尾たかし議員が印象操作の誤情報を流す様子

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今回のオスプレイ空中給油訓練失敗事故を受けて様々な動きが出る中で、自民党の長尾たかし議員が図を含めた上記のツイートを行いました。
しかし、この図、それらしい出典として産経新聞という記述はありますが、この図に書かれている“一部の”数字の根拠となっているであろう記述は、産経新聞が2014年に(つまり最新情報ではない)『10万飛行時間あたりの「クラスA」の事故率』という限定した状況のみの数字を米軍の事故率として掲載していたものに近いです。
(CH-53EがCH53Dになっていたりなど、産経新聞の数字とグラフの内容にちょくちょく違いが散見されますが、 最近書かれたnut-news365というサイトの記事に同じ間違いが存在することを確認したので、コピペ元があり、それが間違っているのだと思われます。)
ちなみに、その際に、その他の民間航空会社などの事故率は不掲載でした。

防衛省が公開したMV-22オスプレイの事故率(飛行10万時間あたりのクラスA飛行事故の件数)は1・93。ヘリコプターのCH-46で1・11、CH-53Eで4・51。AV-8Bハリアーで6・76。

【岡田敏彦の軍事ワールド】自衛隊導入控えた「オスプレイ」の“正体”に迫る…ヘリの2倍速、事故率は? 急患輸送で積極導入望む声も(3/4ページ) – 産経WEST

一方、民間航空会社の情報は産経新聞ではなく、All Aboutというサイトが2005年に掲載した記事が『AirSafe.com』というサイトから引用した数字を引っ張ってきていたもののようです。
しかも、その数字はあくまでも2005年時点での引用なので情報が古く、現在の数字はまったくもって違う数字となっています。
(産経新聞を根拠とした数字は2014年時点なので、そういう意味でも全然違いますよね)

つまり、このグラフに載っている数字はまったくもって別な時点に別な規準で算出された数字であり、数字同士にまったくもって共通点がないので、安全性については何も証拠とならず、単なる印象操作しかもたらさないグラフとなっています。

最近キュレーションサイトが医療情報で滅茶苦茶な情報を載せていた検索汚染をしていたことが問題視されていましたが、このグラフもキュレーションサイトと同様に、様々なサイトの情報を乱雑に継ぎ接ぎして出来たものです。問題外ですよね。

このようなグラフをもっともらしく持ち出してくる国会議員は、政務調査というものが全くできていないんではないかと心配になります。

今後、キュレーションサイトの誤情報拡散と同じように、国会議員が誤情報を拡散するという事についても随時問題となって欲しいですね。(そういう点で、最近、朝日新聞が首相と野党第一党党首の発言を精査した記事を載せていたことは良いと思いました)

 

民間航空機については、たとえば国際ビジネス航空協議会(IBAC)が10万飛行時間あたりの事故率を公表しているが、米軍の「クラスA」と同様の方法で事故率が発表されている事実は確認できなかった。そのため、MV-22の「クラスA」の事故率が「大韓航空や中華航空よりも低い」という指摘は、裏付けとなるデータがなかった可能性が高い。

オスプレイ事故率 「民間航空機より低い」 産経サイト、一部記述を削除(楊井人文) – 個人 – Yahoo!ニュース

 

米海兵隊が2012年10月に普天間飛行場に配備した垂直離着陸輸送機MV22オスプレイについて、10万飛行時間当たりの重大(クラスA)事故の発生率が、配備された時点の1・93件から、15年12月時点で3・69件と約2倍に増加していることが分かった。琉球新報の取材に米海兵隊が明らかにした。日本政府などは事故率について「一般に飛行時間の増加に伴い低減する」などと説明してきたが、実際は普天間への配備後3年が過ぎた段階でも上昇傾向となっている。

(中略)

日本政府が「最新の数値」として公表していた14年9月段階のクラスA事故率は2・12で、配備当初よりも増えていた。その後も14年10月にアラビア湾、15年5月にハワイ、15年12月にカリフォルニア沖でクラスA事故が発生し、15年末段階で10万飛行時間当たりのクラスA事故率は3・69件に達した。

 オスプレイ事故率倍増 普天間配備以降、各地で「重大」続発 – 琉球新報 – 沖縄の新聞、地域のニュース

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