イタリアの国民投票敗北は既成政治の批判か?

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<イタリア>憲法改正国民投票で敗北 レンツィ首相が辞意(毎日新聞)

イタリアでの憲法改正国民投票にて改憲反対派が勝利したというニュースがありますが、このニュースに関して(日本の政界が基準になっているからか)疑問に思うことがあります。

それは今回の否決が既成政治の批判の高まりと考える報道が多いことです。

確かに報道によると反対派の主力は五つ星運動という新興勢力である事は確かなようです。

しかし、今回の改憲の内容を確認すると、トランプやブレグジットとはまた違う話のように思うのです。

改憲の中身は、ハフィントンポストによると

改正案は、上下院のねじれが生じやすい今の仕組みを改めることがねらいで、上院の定数を315人から100人に削減するとともに、原則として下院の承認だけで政府を信任し、法案を可決できるようにするなどの内容だ。

レンツィ首相が辞意表明 イタリア国民投票で敗北

という内容のようで、日本では既成政治批判者が掲げるような一院制に実質を近づけるように改憲をする方向性なのです。

また、毎日新聞の記事によると、ナポリ市長がこの改憲案を批判しています。(ナポリ市長は五つ星運動と選挙で戦い、勝っているようです。)

改編される新上院(定数100)が市町村長・州議員の代表らで構成される点について、デマジストリス氏は「1日16時間も働いている市長が法案審議のためにローマに行くことができるのか」と疑問を呈した。

また、地方から国への権限移行について「中央政府の権限は国防、保健、司法などに限定し、他の分野は地方自治体に任せるべきだ」と主張した。

イタリアには「豊かな北部」と「貧しい南部」の格差があり、世論調査によると、反対派は南部で多い。理由に関しデマジストリス氏は「レンツィ政権は南部のための労働・社会政策や、不平等是正のための努力をしてこなかった」と見る。

改革案に沿って中央集権化が実行されれば「豊かな州が自治を強める一方、貧しい州は(中央政府の)保護監督下に置かれ、イタリアが(南北間でより)分断される」と警鐘を鳴らした。

イタリア:「南北格差拡大」憲法改正案に懸念 ナポリ市長 – 毎日新聞

こんな感じで、たしかにブレグジットやトランプの話と同じような置いて行かれた地域問題のようなものが見られるのですが、改憲の中身やレンツィ自身が既成政治の批判で成り上がったのを考えると、なかなかシンプルに他の現象とは並べられないように思うのです。

今回の改憲は他の現象とは違い大差で否決された様ですし、やはり既成政治の批判以外も乗っかっているのだと思います。

倒閣運動をすべて既成政治の批判と考えるのは多少安直なのでは無いでしょうか?

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