経産相いわく残業とは時間外労働では無いらしい

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追記:この記事の続きとして、詳しい経産相会見の内容を載せた記事を書きました『『結局物すごく残業をやっているのをそのまま自宅へ持って帰ったら同じ』という認識はあるようです

 

 世耕弘成経済産業相は8日の閣議後記者会見で、国会質疑の対応で待機する職員の残業時間を削減するため、ITを活用し職場以外の場所で働くテレワークを来年の通常国会から本格的に導入する考えを明らかにした。答弁を自宅で作成できる環境を整え、安倍晋三政権が重視する「働き方改革」に率先して取り組む。

既に今臨時国会から、世耕氏自身がセキュリティー環境を整えたタブレット端末を使って答弁内容を自宅で“予習”し、通常は2時間程度かかった朝の答弁勉強会を数十分に短縮している。

来年の通常国会からは担当職員が自宅で国会答弁を作れるようシステムを整備し、「子供の宿題を見ながら作業ができる環境を整えたい」(世耕氏)という。

国会での質疑は、議員が事前に質問内容を役所側へ通告し、担当者が答弁を作成する仕組み。関係部署と調整する必要があり、通告が遅くなれば残業が深夜に及ぶことも珍しくない。

世耕氏は「国会答弁作りは最もテレワークに適した仕事だと考えていた。(役所に)ずっと待機するのではなく、家に帰って必要があれば作業に参加する形をとりたい」と話している。

経産省が残業削減でテレワーク導入へ まず国会答弁作成「帰宅後に自宅でやって」 – 産経ニュース

オフィスにいなくても、家の外で労働していたらそれは『持ち帰り残業』ってやつだと思うんですよ。

持ち帰り残業は2014年に、それが原因で自殺に至った方が『労災』と認定されるくらいには『労働』と認定される行為です。(持ち帰り残業で労災認定 英語講師自殺、作業再現し時間推定  :日本経済新聞

この案件だと『強制しているかどうか』を損害賠償訴訟で争っているようですが、この経産相案件だと強制認定確定ですよね。何か有った時には。

総労働時間を削減せずに、残業を削減する方法は人員を増やすぐらいしか私には思いつきません。
それをせずに『残業を削減する』と言い出す場合、それは単に『残業代削減』だったりする可能性が高いです。
ただし、経産相の件の場合、待機時間という物があるので、それを削減したいようですが、帰りたい人が帰ることが出来る制度というだけで、待機時間にも消化する他の仕事がある場合もあるでしょうし、いつでも作業できる環境下に人を拘束することを考えると、やはり待機時間も労働時間に含まれると考えるのが妥当じゃないんでしょうか。
LSC綜合法律事務所のサイトでも『待時間について検討すると,手待時間は作業を行っていないとはいえ,使用者からの指示があればすぐに作業を始めなければならない状態にあるのですから,待機中であっても労働から解放されているわけでありません。』ということで、やはり労働時間に該当すると解することが妥当という記述になっていました。
テレワークもそうなる可能性が高いのではないでしょうか?

また、それ以外にも色々責任関係を考えると、まだ職場に残っていたほうが労働者が守られる可能性があると考えることも出来ます(労使双方の持ち帰り残業に関するリスクについての記事が日経にありました)

結局は同じ作業を行うのですから総労働時間は減りません。外に労働時間を排出しているだけです。
特に『世耕氏自身がセキュリティー環境を整えたタブレット端末を使って答弁内容を自宅で“予習”し、通常は2時間程度かかった朝の答弁勉強会を数十分に短縮』と言うのは答弁勉強会を外でやっているだけに過ぎないと思われます。
テレワークしたところで残業も労働時間も減ってない可能性が高いと思います。

それをさも労働時間が減っているかのように錯覚してしまうのは、何か『労働』や『残業』に対する根本的な認識が間違っているような気がするのですが・・・

 

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