自衛隊の威を借る総理大臣

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安倍氏は演説で「現場では夜を徹し、今この瞬間も海上保安庁、警察、自衛隊の諸君が任務に当たっている」と強調。「今この場所から、心からの敬意を表そうではありませんか」と呼びかけた。これに自民議員らが呼応して起立。安倍首相も壇上で拍手をした。

(中略)

一方、自民の高村正彦副総裁は同日夕の党役員会で「所信の演説の最中のスタンディングオベーションは、自分の経験上も初めてのことだった」と興奮気味に語ったという。二階俊博幹事長が役員会後の記者会見で明かした。二階氏自身は「総理に対する信頼がああいう形になって現れた」として、問題視しない姿勢を示した。

情報源: 首相の呼びかけで自民議員が起立・拍手 衆院議長は注意:朝日新聞デジタル

虎の威を借る狐という言葉があります。

語源としては

虎が狐を食おうとしたときに、狐が「私は天帝から百獣の王に任命された。私を食べたら天帝の意にそむくことになるだろう。嘘だと思うなら、私について来い」と虎に言った。
そこで虎が狐の後についていくと、行き合う獣たちはみな逃げ出していく。
虎は獣たちが自分を恐れていたことに気づかず、狐を見て逃げ出したのだと思い込んだ。

情報源:虎の威を借る狐 – 故事ことわざ辞典

というものだそうです

自衛隊は、国会議員に指名され天皇により任命される総理大臣についていかないといけない組織です。

内閣府調査によると自衛隊への印象は

全般的に見て自衛隊に対して良い印象を持っているか聞いたところ,「良い印象を持っている」とする者の割合が92.2%(「良い印象を持っている」41.4%+「どちらかといえば良い印象を持っている」50.8%),「悪い印象を持っている」とする者の割合が4.8%(「どちらかといえば悪い印象を持っている」4.1%+「悪い印象を持っている」0.7%)となっている。

自衛隊・防衛問題に関する世論調査 2 調査結果の概要 2 – 内閣府

このように良い印象を持っている人が、あくまでも政府機関である内閣府の調査だと圧倒的になっています。

 

安倍内閣は安保法制を含め重要な軍事関係の方針変更を行おうとしています。

安保法制の審議の際の批判に対して、安倍晋三総理の答弁は『国民を守るため』という目的のみを主張することで、中身がどのようなものかについての批判を全く解消せずに法案を通してしまいました。

そして今年3月に安保法制が施行され、今年9月には新任務に向けた訓練が開始されています。

そして11月に新任務を付与した部隊が派遣される可能性がある中、総理はシンゴジラという映画を利用して『このような人気もまた、自衛隊に対する国民の揺るぎない支持が背景にあるのだと思います。』ということを述べるなどしていました。

その中で、わざわざ『自衛隊への敬意を示そう』等と言って、自党の国会議員を煽ることを行ったわけです。

そしてそれは異例のスタンディングオベーションとなり、挙句の果てに二階幹事長が、自衛隊への敬意としての拍手という名目だったはずなのに『総理に対する信頼がああいう形になって現れた』と拍手の対象を総理への信頼へと偽装する発言をしているのです。

これはどう考えても軍事関係の方針変更などでの内閣への批判を『自衛隊への敬意』を利用することでのり切ろうとしているような様子であり、もっと単純に言えば『自衛隊への敬意』を内閣支持率へと錯覚させてしまおうとするような、そのような行為としか言いようがありません。

多分、国会審議中に『自衛隊を批判するのか!』みたいなことを暗に示すような答弁が今後多くなってくるのではないでしょうか。

このような事に惑わされることなく、化けの皮を剥がす批判ができるかどうか、民進党がどうか変な方向に転ばないことを願います。

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