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歴史認識

世界遺産の件、単に日本が誤魔化そうとしてミスっただけでは

2016/04/04 135views

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日本の佐藤地ユネスコ大使は「1940年代に一部の施設で大勢の朝鮮半島の人々などが意に反して厳しい環境下で労働を強いられた」としたうえで、「この犠牲者のことを忘れないようにする情報センターの設置など、適切な措置を取る用意がある」と述べました。

「明治日本の産業革命遺産」世界遺産に登録決定

今回の世界遺産の件、対立相手が韓国であることにばかり注目してる人が多いですが、相手が韓国だろうがなんだろうが今回の件については無関係なのではないでしょうか?

まず、先月行われた日韓外相会談で日本側の岸田大臣は以下の約束を韓国としました。

 

会談の中で岸田外相は、韓国が反対していた「明治日本の産業革命遺産」の世界文化遺産への登録について、一部の施設で戦時中、朝鮮半島出身者が働いていたことなどを明示することを表明。

日韓外相会談、「世界遺産登録で相互協力」へ

 

日本は、戦時中に朝鮮半島から労働者が動員された徴用工の問題は、遺産が対象とする時期より後だとして、当初はこうした説明も必要ないとの立場だった。ただ、世界遺産の登録には韓国の理解が欠かせないと判断し、韓国の主張に配慮。一部の施設で徴用工が働いていた事実を日本が自発的に説明し、韓国も反対しない方向で調整することになった。

世界遺産登録、日韓協力で一致 「徴用工」記載で調整

 

日本政府関係者によると、世界文化遺産については岸田氏が、韓国政府の主張を踏まえ、一部の施設で戦時中、朝鮮半島出身者が働いていたことなどを明示すると説明。一定の配慮を示し、尹氏も受け入れた。

韓国政府、遺産登録に反対せず…日韓協力で一致

韓国が反対しないと約束した、ということばかり強調されていますが、それには『朝鮮半島出身者が働かされていた事』を明示することなどが前提条件となっていたことがこの当時の報道から読めると思います。そして今回の審議延期の報道での日本側の主張が以下のとおりです。

 

外務省関係者によりますと、登録に反対していた韓国側が、審議の中で、「遺産群の中には強制徴用が行われた施設がある」などと主張したいという考えを示していたということです。
これに対し、日本側は、「委員会はあくまで学術的・技術的な観点から議論が行われる場であり、歴史などに踏み込んだ発言は控えるべきだ」として折り合わず

世界遺産 今夜の審議へぎりぎりの調整

 

日本側は徴用工について、本人の意思に反したという意味の「against their will」という表現を使って、植民地時代に朝鮮半島から連れてこられたと言及、厳しい環境で労働を強いられたなどとも述べた。また、こうした歴史を記憶するために、適切に対応すると表明した。

当初、韓国側の発言案に「強制労働」とあったため、日本側は当時は法令に沿った動員がされたとし、韓国での損害賠償請求訴訟など元徴用工をめぐる動きに悪影響を及ぼす恐れがあると反発。調整が難航し、当初予定された4日の審議は先送りされた。

明治の産業遺産の登録決定 「徴用工」表現、日韓が合意

 

韓国側は委員会のなかで、「強制労働」に関して意見陳述を行うという方針を打ち出したということです。しかし、意見陳述の内容や表現方法を巡って日本と韓国で折り合いが付かず、交渉が難航しているということです。

協力のはずが…韓国が土壇場で反対 その背景とは?(「韓国が土壇場で反対」と書いていますが、韓国は意見陳述をすると述べただけで反対の意志を示したという記述がなかったのでこのタイトルの『反対』は誤りだと私は考えます)

 

要するに韓国と重要な内容を詰めずに外相会談で合意を行ったら、重要な部分で齟齬が出てしまったでござる、というのが今回の経緯のようです。これ、そもそもその部分を事前に詰めていなかった日本側のミスなんじゃないんでしょうか?

また今回の件で以下の複数のツイートの論旨のように、日本人にとっての労働環境と同じ環境にいて、それは過酷な労働環境だったこと。そして不本意な労働者が多数いたことを明記すればよかったのでは?という論点からは、当時の日本国民をも含め、負の面を丸っと軽視して『めでたしめでたし』という部分だけで済ませてしまうという国家としての軽薄な姿勢がうっすらと見えてくるのではないでしょうか?

そういう面が韓国につかれているんですから、批判すべきは韓国ではなく、歴史認識などが甘っちょろい日本の行政機関なんじゃないんでしょうか?

 

(おまけ) 外務大臣談話にて 『本件の登録決定後,我が国は,世界遺産委員会の責任あるメンバーとして,国際記念物遺跡会議(イコモス)の勧告に真摯に対応していく姿勢を示すため,発言を行いました。この発言は,これまでの日本政府の認識を述べたものであり,1965年の韓国との国交正常化の際に締結された日韓請求権・経済協力協定により,いわゆる朝鮮半島出身者の徴用の問題を含め,日韓間の財産・請求権の問題は完全かつ最終的に解決済みであるという立場に変わりありません。』 と書かれていたのですが、この記述は『韓国・朝鮮日報によると、日本政府がユネスコの世界遺産登録を推進していることに関連し、ユネスコ傘下の国際記念物遺跡会議(ICOMOS)が、「歴史の全貌を知ることができるような解釈を準備するように」と日本政府に勧告したことがわかった。』という報道が正しかったことを示していると捉えていいのでしょうか?それとも別な勧告が有ったのでしょうか? (おまけの追記)  

この記事を公開した後に上のリプライを頂きました。ありがとうございます。 勧告とは、報道発表された資料の内容だったようです。

推薦資産に関する説明(インタープリテーション)の計画を策定し、各構成資産がいかにOUVに貢献し産業化の1又は2以上の段階を反映しているかを特に強調すること。また、各サイトの歴史全体についても理解できる計画とすること。

この勧告が今回の『この犠牲者のことを忘れないようにする情報センターの設置など、適切な措置を取る用意がある』という発言をすることに繋がったようです。要するに以下の認識がICOMOSの総意だったとみていいということではないでしょうか?

ポルトガルのユネスコ大使は「遺産群は総体で一つであって、ある時代を切り取ることはできない。全参加国が満足できる結果を待っている」 明治産業革命遺産:審議延期…日韓「強制徴用」対立再び

 

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