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イギリス連邦のEU離脱に関して色々考える

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イギリスのEU離脱をめぐる国民投票にて、EU離脱が過半数の得票を獲得し、イギリス連邦政府としてEUから離脱する方向に動くことが確定的になりました(一応、投票結果に法的拘束力はないのですが。)

私はEU残留という結果になると思っていたのですが、離脱の勢いもすごかったので、離脱にしろ残留にしろ、大きな課題が残るなぁ、と思いました。

その課題というのは、今、イギリス全体に根付いている民意を見ることによって察する事ができます。
そして課題は、世界各国共通のように思いますので、今回は、その民意について「未来世紀ジパング」や「WBS」や、その他様々な記事を見た上で考えてみます。

 

 

EUは民主的ではない

離脱派はBREXITという映画?を作成して、EUの内実を批判しています。

その中身は「EU職員が我々の税金によって、異常な好待遇を受けている」「EUにはくそ細い、バカバカしい規制が大量にある」というものです。

例えば、『EU職員には様々な手当があり、様々なもの・サービスを無料で受けることが出来る。バイアグラまで無料で使える』ということだったり、『我々の生活で身の回りにあるもの、ありとあらゆるものに規制がある。例えば枕にもカバーと中身にそれぞれ幾つもの規制があり、さらに朝食の牛乳には1万2千もの規制がある』という感じの指摘がなされていました。

また、『民主主義の赤字』という言葉があります。この言葉は当初、EUに対する、立法議会の権限が少なく、非民主的に選ばれた欧州委員会という官僚組織で物事が決まってしまっている、という批判を指す言葉でした。
そういう言葉があるくらいには、EUという組織は民意を反映しているのか不透明な巨大官僚組織と化していたわけです。(その後、徐々に立法議会の権限が増えては居ますが・・・)

個人的にこの内容を見た時に思ったのは『公務員批判』『政治資金使途批判』でした。
税金の使いみちや、組織の方針についての疑問に説得力のある回答が用意出来ていないと、体制は見放され崩壊していく、ということを学習すべきなのだと思います。
また、国連への批判なども思い出しました。規制に対して『必要性』をきちんと説明できることが重要である。ということが言えるのではないでしょうか?

 

移民のせいで

「社会保障で4000億の負債がある。それでも移民を受け入れろと?」
「私の息子が移民のせいで大学に行けない」
「移民に仕事を奪われている。俺達の権利は?」
「(移民が来たので)危なくて夜も歩けない」「殺人事件も有った」

このような声が離脱の動力の1つになっていたようです。(全てではないです)

「息子が移民のせいで大学に行けない」と述べていたのはシングルマザーの方でした。

その方は月収17万円、家賃月5万円の公営住宅に息子と二人暮らしをしていました。(元夫は月700円しかくれない、と愚痴っていました)
その息子を大学へ進学させるために、学費が安い大学を調べていたところ、スコットランドに存在しているとわかりました。
しかし、詳しく調べてみると、その大学はスコットランド圏内とEU圏内のみが年30万円で他のイギリス国内の方は年120万円かかることがわかったのです。
それを見て「私の税金がEUに使われているのに外国人ばかり優遇されている」「EUにいる意味が全く無い」という結論に至ったようです。
(スコットランドが絡んでいたり、EU以外の背景がありそうですが、それは私にはわかりません。)

また、「危なくて夜も歩けない」「殺人事件も有った」という声が上がっていたのはボストンです。

ボストンでは、大量のコンテナハウスによって形成された新たな集合住宅が出現。
そこに東欧からの移民が住み、平均月17万円の賃金で農園で働いているようです。
ちなみにコンテナハウス街は、柵で囲われていて、入り口に門がありセキュリティカードによって開閉するようになっているようでした。(要するに明らかに出入りを管理されていました。番組内では触れていませんでしたが。)

この内容で私は『在日特権』や『ヘイトスピーチ』が頭に思い浮かんでいました。

実生活での一経験が、様々な偏見につながり憎悪が溢れていく。そういう小さい誤解にきちんと対応していかないと、色々な人の人生を壊し、最終的に社会を揺るがしていく、そういう事を前提にし、きちんと対応しないといけないと思うのです。

また、『外国人技能実習生』についての問題もこれに含まれるように思います。

さきほど、移民の方々が明らかに管理されていたことを記述しました。その管理してる主体、要するに住宅を用意したのは、雇用主ではないでしょうか?
要するに、安い労働力を手軽に確保したい企業が、雑に労働力を確保していることが問題につながっているといえるのではないでしょうか?
そういう安い労働力に頼る経済体系を変えていく、そういう動きが必要になっていくのではないでしょうか?

 

大英帝国を取り戻す

多くの主張は「取り戻す」という言葉に収束していきました。

「移民から仕事を取り戻す」「EUから決定権を取り戻す」「EUから民主主義を取り戻す」

様々なものを取り戻すための戦いをEU離脱派のオモテに出てくる方々は繰り広げていたようでした。

どこかの総理大臣も「取り戻す」ということをキーワードに選挙戦を展開していた事がありましたが、そういう戦いは「今失っているもの&これから得られるものVS新しく失うもの」という構図を作り上げる事になります。
新しく失うものというのはつまり『今得ているもの』なのですが、そこで『取り戻す!』という主張に乗っかる方々は『非既得権取得者』であるわけです。つまり『今得ているものが少ない』から、『取り戻す』事に期待をかけるわけです。

そういう人を説得する際に『これを失いますよ!』といわれても、『もう十分失ってるから、これ以上どうなってもいいよ』という考えに至る人も少なく無いと思うんです。
つまり『非既得権取得者』を減らしていく方向性で動くこと、『私は既得権取得者なんだ』とある程度いろんな人が実感できる事がまず必要なのだと思います。

その一方で、日本の例を見ると分かるように『既得権取得者』から滑り落ちる恐怖も『取り戻す』戦いへ人を動かすのだと思います。日本では中間層が崩壊するという恐怖が『取り戻す』戦い、『取り戻す』憎悪に人々を駆り立てたのではないか?という事を私はかんがえています。

そういう『取り戻す』憎悪に対し『これを失いますよ!』と言われてもより恐怖を駆り立てるだけで逆効果にもなりかねないわけです。
それを前提に、そういう憎悪・恐怖を予防するための政策、手段をきちんと整えることが重要なのではないか?と思うのです。

 

グローバリズムとか

今回のEU離脱について、企業の8割が反対していた、という調査結果が有ったようです。
実際にキャメロン首相は、経済損失や雇用損失という国家的な損害、経済的損害を訴えていました。

しかし、移民のことで企業を批判したように、EUの仕組みを活用して、企業が儲けていることで、個人を犠牲にしている場合があるわけです。
そういうグローバリズム経済、企業優先の国家経済への批判票が、EU離脱側に入ったのは言うまでもないでしょう。(TPPに対する構図と似ているような気もします)

また、EUがギリシャを支援する際に、緊縮策を行うように迫っていたことも記憶にあたらしいのではないでしょうか?
そのような緊縮政策に反対する票が、EU離脱側に入っていると思います。

まとめ

このようにEUというのは多面的な巨大組織であり、また、イギリス連邦では様々な人が様々な環境下で生活しています。(当たり前ですが)

そういうことを前提にし、『反移民』だとか『田舎』というようなシンプルな構図に囚われずに、EUとイギリス連邦の様々な面を見て考えることが、これからの日本のためにも必要なのではないでしょうか?

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