知的生産術とは要するに上手く考えることなのかも

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『外資系コンサルの知的生産術』という新書を読みました

知的生産という単語や外資系コンサルという言葉から『ハードル高そう』とか『意識高そう』なんてイメージを受けるかもしれませんが、内容はそんなに崇高だったり、高いハードルを備えてたりするわけではなくて、基本的には日常の頭の使い方などを振り返るために読むくらいでちょうどいい本だと私は思いました。

とにかく仕事に活用するなりブログに活用するなり、様々な方面につまみ食い出来そうな内容です。
(ただ、やはり著者の価値観にちょっと違和感を抱いたり、引用文として渡部昇一が出てきたりしてイラッとしたりしたのですが)

今回はこの本の内容から、特にしっくりきた記述をいくつかメモしておきます

・『たとえ知的成果物の品質がイマイチであっても、受け手側の期待と品質が一致していて、費用対効果に納得していれば、それはそれで別に問題はありません』

私はこの記述でまとめブログとか、バイラルメディアという物を思い出しました。
実際の品質はイマイチ(悪い言い方をするとクソ)でも受け手の期待に沿っていれば問題なしとして流通して流行るんですよね。
だからと言って安心して低品質を連発するのは如何かと思うのですが

・『「よい質問」というのは「わからない」からできるのではなく、まったく逆に「完璧にわかる」からこそできるのです』

これは最近ほとんどわからない分野の話を沢山聞く機会に恵まれているので、心から実感しているのですが、分かったという実感がある場合にしか有意義な質問は出来ないですね。
なんにもわからないときにする質問は、暴投みたいな質問がほとんどで、マシンガンみたいな命中率ですが、分かる部分がある場合は明らかに命中率が違うんです。

ただ、分かっていても質問の命中率が悪い場合があって、それは『わかる』状態と『これが正しいと思い込む』状態が紛らわしくて、その後者の状態にあるんだと思います。

・『(観察の)対象者は、観察され、注視されていることを意識すると、必ずしも意図的ではなく行動を変化させてしまう』

これは、良く忘れてしまう事実のような気がします。

・『アインシュタインは決定実験をもとめた。その決定実験が、彼の予測と一致しても彼の理論を確立することはないだろうが、一致しない場合は、彼が真っ先に強調したように、彼の理論が支持できないことを立証することになる。
これこそ、真の科学的態度だ、と私は感じた。』

これは『果てしなき探求』という本から著者が引用していた文章をさらに引用しました。

私は『99・9%は仮説』という竹内薫氏が書いた本を、いろんな人に薦めたい本のカテゴリーに入れているのですが、それに通ずる文章です。

これはどういう事かというと、要するに、この本にも出てくる『演繹法』と『帰納法』をきちんと分けることが大事だという話なんです。

たとえば前提として
『原発事故が起きた』
『これまでその原発事故由来の放射能で死んだ人はいない』
の2つがあってこれらから
『その原発事故由来の放射能で死ぬことはない』
という結論を導いたとしてこれをまるで演繹法で導いたかのように絶対の結論として扱いたがる方々がいるんです。(個人的に強く思い入れがある原発事故をサンプルにしましたが、それ以外でも成り立ちます。)

しかし、これはあくまでも『○○さんは死んでいない』という個別事例を積み上げた帰納法で導いた結論なんです。
帰納法で導いた結論はあくまでも『個別事例がそうである限り正しい』わけで、個別事例に例外が出てきたりなどの変化が起きたら結論は変わるわけです。
要するに『そうなる蓋然性が高い』なわけです。
(原発事故の影響に関しても『そうなる蓋然性が高い』のは認めるが、その蓋然性の高さから例外を見落とす可能性があることを忘れてはいけないと私は思うのです)

そして、これは証明できないのですが私は『世の中のほとんどは帰納法でしか証明できない』のではないかと思うのです。
そして帰納法でしか証明できない場合『その決定実験が、彼の予測と一致しても彼の理論を確立することはない』というのが基本になるのではないかと思うのです

なのに演繹法で結論を導いたかのような『これが確定!』という言動が多いのは危ういのではないかと感じています。(ニセ科学批判の一部など)

これも引用ですが『ポジションというのは常に、その時点でのベストエフォートにならざるを得ない』というのをもっと意識したほうが、世の中上手く回るのでは?と一部の人を見ると思うのです。

・『自社の経営課題としてイノベーションの優先度を高く掲げている会社であればあるほど、(ヘイグループと雑誌のフォーチュン社が実施している)イノベーションランキングの順位が下がっていく、という顕著な傾向』
『イノベーションは予定調和しない』

安倍政権を思い出しました。

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