『日本オワタ』を煽る『論理的に正しい?』人

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大阪都構想否決で、日本、オワタ。一体何が終わったのか?

都構想賛成の人がYahooニュース個人に書いた記事なんですが、滅茶苦茶どうしようもない記事だったので、思わず突っ込みたくなりました。突っ込むこともこの言論の拡散に影響すると考えるとムカつくのですが。

 

  • 『論理的』ということばの無意味さ

まず、前提として、大阪都構想により大阪府と大阪市の二重行政をなくし、効率化することは、論理的に言って大阪の、ひいては日本の経済にとって有用なことでした。(この前提が共有出来ない人はこの後も意見が合わないと思いますので読まなくていいです)

ポポポポポ( ゚д゚)゚д゚)゚д゚)゚д゚)゚д゚)ポカーン…

単純に大阪都構想程度で終わるものってなんだろうと思って記事を見たら冒頭がコレですよ。唖然。

前提である、その有用さが否定されているから『日本オワタ』になるわけで、その前提を分からない人に説明することがこの記事の目的じゃなかったんですか?もうなんでオワタのか知ってる人に向けての記事なのに『一体何が終わったのか』なんてタイトルにつけてるんですか?説明する必要がある人を『読まなくていい』とかなにいってんですか?(実際は「なぜ「日本、オワタ」になるかを考えてみましょう。」とそこにきちんと触れている?のですが)

また『論理的に言って』と書いていますが、その『論理的に』という場合の『論理的』って一体なんなんでしょう?論理的と言われても『その論理を構成する際に使われている前提条件』が一切提示されない場合『論理的』という言葉の意味は皆無になります。(というか何かを説明する際の前提で『論理的に言って』と言い出すことはその後組み立てる論理的に大丈夫なの?というツッコミが出来そうな気がします。)

 

  • 都構想反対を誰が行ったか?

大阪都構想の場合は、具体的にはこういう人たちが反対していると思われます。
1.論理的に不利益を被る
仕事がなくなるかもしれない大阪市の役人、シルバーパスがなくなるかもしれない老人
など。
2.感情的に今あることを無条件に変えたくない
区の名前が変わるのが何となくイヤな人、橋下さんが急速に何かを変えようとしているのがイヤな人。
3.感情的に理解できないことを拒否したい
よくわからないけど、イヤな人。

1で不利益を被る可能性がが高いのは老人が多いです。また、変化したくないという感情を持ちやすいのも老人が多い。この結果が(信憑性は定かではありませんが)70代以外はすべての世代で賛成が過半数、30代が一番賛成率が高いという出口調査の結果に繋がったのだと思われます。

 

『大阪都構想により大阪府と大阪市の二重行政をなくし、効率化することは、論理的に言って大阪の、ひいては日本の経済にとって有用なこと』という前提を否定する人って、都構想に反対すると思うんですけど、この人にとっては存在しないようです。

わざわざ読むなと言っているのに存在しないようです。

・・・ちょっと良くわからないですね。『よくわからないけど、イヤな人』に含めてしまっているのですかね。

 

 

  • なぜ『日本オワタ』なの?

日本国の最大の問題点は、借金が多すぎること、そして、その借金が年々増大していることです。

 

この日本国の財政状況を考えるとやらなくてはならないことは、社会保障費と地方交付税を減らし、借金を減らすことで支払い利息を減らすことだということがわかります。

その際に日本国民がやらなくてはならないことは、
a.今までもらっていた年金や国が払ってくれていた医療費を減額すること
b.地方の行政を効率化したり、補助金などを減らしたりして、地方にあげるお金を減額すること
です。

さて、大阪都構想が否決された理由を考えてみると、
1.論理的に不利益を被る
シルバーパスや地方公務員の仕事がなくなるのがイヤ
2.感情的に今あることを変えたくない
効率化のために区や市の名前が変わるのがイヤ
3.感情的に理解できないことを拒否したい
よくわからないけど、大きな変化が起こるのがイヤ
ということで、今日本がやらなくてはならないことが全て否決されるわけです。

 

 

都合よい『反対者』を定義して、都合よく『日本がやらなければいけないことが否決された』という結論を導いています。自身の主張に都合の良い前提を作ることで『論理的に』都合のいい結論を導く行為を行っているわけです。

また、少なくとも都構想の賛否と『年金・医療費削減』は無関係ですよね。

そもそも大阪維新の会が作った都構想推進のサイトには『都構想になると、各区にこれら(教育委員会、児童相談所、福祉局、経済戦略局)の組織が設置されて5つに増えるので、子育て世代、現役世代、高齢者の支援など、医療・福祉・教育サービスが格段に強化されます。』と言っているわけで、組織数増えて、サービスは充実するはずなのに、本当に費用削減になるのか?という疑問があるわけです。(確か結果的に職員数増えるんでは?という話があったような)

そういう『本当に都構想で効率化するのか』の判断が存在していることを無視している状態なので、『効率化自体に反対=都構想反対』というのは前提条件が間違った上での『論理的な結論』と言わざるを得ません。

 

  • 『投票に行く人は暇人』?

 

そして、今回の住民投票「若者の投票率がもっと高ければ可決されたかも」という意見もありますが、残念ながら「老人の方が投票率が高い」という傾向はこのままの制度では絶対に崩れません。なぜなら、若者は忙しく、老人は暇だからです。

若者が選挙を「重要度70」だと考えていても、彼らには「重要度80」のデートとか「重要度90」の仕事とかが山ほどあり、知らないうちに選挙日が終わっています。
老人が選挙を「重要度30」だと考えていても、彼らには他にやることがなんもないので、選挙に行くのです。

投票に行く奴は『デートも仕事もない、非リア充な無職』というレッテルになりそうなことを言い出しました。しかも勝手に物事の重要度を決めつけ始めました。『デートの重要度』も『仕事の重要度』も『選挙の重要度』も人それぞれでしょ?それがいかなる組み合わせになるかはわからないでしょう。さらにデートなんて『選挙の日ってウチじゃ何故か、投票行って外食するんだ』という歌が有ったように、選挙とデートは両立可能ですよ?なんかバカにしてません?デートで終わっちゃうような選挙日(投票日のこと?)ってよっぽど重要度として低いと思うんですけど、そうじゃないんですかね?

更に老人にも働いている人や、デートをする人だっていますよ?

少なくとも老人の労働者は、2002年時点の総務省統計局の『高齢者の労働力人口比率(65歳以上の何%が労働しているのか)』では『20.7%』、平成26年度の高齢社会白書には『60~64歳の雇用者は459万人、65歳以上の雇用者は375万人』という数字や『(男性は)60~64歳で72.7%、65~69歳で49.0%』『(女性は)60~64歳で47.3%、65~69歳で29.8%』の人が労働しているというデータが出ているわけです。

なので高齢者が『仕事していない』『デートもしていない』、逆に若者はそういうことを行っている、と決めつけるのはレッテル張りにしかなっていません。

更に高齢者にとっては選挙に行くということは『外出する』ということです。外出することは一部高齢者には身体的に衰えがあるためにしんどいはずです。それでも投票に行っている場合、その人は選挙の重要度は高いと考えている可能性が高いといえるのではないでしょうか?

つまり投票に行くまでのハードルの高さというのは人それぞれであって若者のほうが、というのは網目が荒すぎてお話にならないと私は思うのです。

 

  • 再び『論理的』ということばの無意味さ

 

もし、大阪都構想の住民投票が可決されていたら、
「論理的に正しいことを考える人の数が、上記の1-3の理由で否決する人の数よりも多い場合もある」ということが証明され、大阪に続け!という形で次々と「論理的に正しい」行動をする人が増えた可能性があります。

しかし、稀代の政治家である橋本氏が7年間かけてこれだけのムーブメントを起こし、それでもダメだったという現実を見せつけられて「論理的に正しい」行動をする人の「感情」が萎えてしまったのです。これが「日本、オワタ」です。

 

まずどういう「前提、定義、背景」を持っているのかによって『論理的に正しい』事がどういう結論を示すかは変わってくるのです。(これは前に『論理的』よりまず『前提、定義、背景』に注目するべきだと思うという記事にて『文章を読むときには、論理的であるか?よりも、背景、前提、定義の3要素に注目しないと、あっさりと間違いを受け入れてしまう』と表現しました。)

つまりどっちの立場が『論理的に正しい行動』をする人なのかは、『前提、定義、背景次第では、どちらも論理的に正しい』となるわけです。

つまりこのYahooニュース個人の記事で書かれている『「論理的に正しい」行動をする人の「感情」が萎えてしまった』というのは最初に前提を書いているように『改革が「論理的に正しい」』という人の感情が萎えたと言うだけの話なんですね。そういう限定がないのは間違いとまでは言いませんが、質の悪い誤魔化しだと思うんですよね。

しかし、この住民投票だけで萎えちゃうんですか…

ちなみに細かいですが、『稀代の政治家である橋本氏が7年間かけてこれだけのムーブメントを起こし、それでもダメだったという現実』と言っていますが、大阪都構想や大阪維新の会ってまだ7年も経ってないですよ?大阪都構想を橋下氏(Yahoo個人ニュースの方、橋下氏の名前も間違ってますね)が提唱したのは2010年であって、その年に大阪維新の会も結成されています。府知事時代の当初はそこまで踏み込む余裕がなかったのでしょう。

 

 

  • この住民投票だけで萎えちゃう理由

これはあまりにも意地が悪い指摘なんで、小さい文字で行おうと思うんですが

 

私は、カンボジアでカレー屋やってたり、英語塾やってたり、海外に出ようとする人たちを教育するプログラムをやっていたりと、日本以外で生活することはできます(さらにそういう人たちを増やそうとしています)。実際、これから「日本以外にも住むところを作っておこう」と考える人は増えると思われます。その選択肢を作っておくことは非常に大切です。

自分を頼って海外移住する人を増やす目的のために大阪都構想に口を突っ込んでません?海外移住で頼る人を増やすために敢えて『今回の住民投票で萎える』ように煽っていませんか?

これは本当に意地が悪い指摘なんですけど、自己の利益誘導のために煽っているとしか思えないくらいに意図的に頓珍漢な結論を導いているんですよ。ホントそんなことはないと思いますが、都構想反対の住民投票の結果をビジネスチャンスに利用したなら、ほんと残念ですね。

 

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