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原発事故の避難は被災者に負担を与えた

2015/11/06 29views

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福島民報に連載され、書籍化もされた『原発事故関連死』という記事について、そういう亡くなり方も有ったということをもう一度振り返る意味も込めて、記事の紹介を勝手にしていこうと思います。今回は連載の最初の一纏りといえる『高橋清さん』の記事群、5記事を紹介します。

 

(1)大切な妻奪われた 48歳、避難先で突然

「3・11」は今も県民の命を奪っている。2012年11月28日現在、県内で津波などによる直接死は1599人、避難の負担などによる震災関連死は1179人。増え続ける震災関連死は岩手、宮城に比べ格段に多い。東京電力福島第一原発事故で強いられた避難による県民の死は「原発関連死」とも呼べるかもしれない。「避難が無ければもっと長生きできたのに」。遺族の嘆きは深い。さまざまな家族の姿を通して、原発災害の不条理を伝える。

このような記述で、『原発事故関連死』という連載は始まっています。

記事の内容は、高橋清さんの奥様が、くも膜下出血で倒れてお亡くなりになった。その時にお医者様から、『避難によるストレスも要因の一つだろう』と述べられた。避難に気を取られて、家族が体調が悪くなって居るのにも気付けなかった、と清さんは後悔している。と言う内容です。

 

(2)高線量に一家不安 村を離れ避難先転々

二記事目は震災直後の原発事故によって避難するまでの混乱の様子が記事になっています。

震災直後は被害も少なく『自給自足で生活できる』見通しだった。それが原発事故が起こることで急に『避難しなければいけない』となり、原発事故が落ち着いたことで一旦避難を切り上げたものの「計画的避難区域」に正式に指定されることにより、県公務員住宅に避難をしないといけないことになってしまった。

 

(3)再移転心労重なる 消えた家族の未来図

避難先が県公務員住宅だったので、部屋数が少なく、窮屈な生活を強いられた高橋さん家族。さらにようやく落ち着いた時に『今の場所は放射線量が高いので別の場所に移ったほうがいいですよ』と言われまた転居。そのように原発事故に伴う引越しの連続で、一寸先は闇というような生活が続いていたようだ。

 

(4)怒り煮詰まって 遺骨 今もアパートに

亡くなってから清さんは感謝と自責の言葉ばかり出てくるとのこと。個人的にこれは『自死遺族』を思い出すような言動のように思えるのですが、要するに自死のような受け取り方を遺族は震災関連死では行っているということでしょう。

その後、村に震災関連死を届け出ると、あっさり認められました(この震災関連死については原発事故の避難の影響を含めるのかについて自治体によって基準が曖昧なことも問題になっていました)。ちなみに飯舘村の震災関連死の概要(2012年12月1日現在)は全40人中39人が避難に伴う震災関連死であり、直接死は1名だということです。

このような被害を与えられたことで、清さんの胸には怒りが煮詰まっている。例えば、東電の賠償に関する書類の説明会。『午前9時から』という案内で集まったのに、東電の方は9時ギリギリに到着し、それから会場作り。このような怠慢な対応が怒りを増幅させてしまっているのだろう。

そして『放射線量が高い墓には入れる気にならない』とこの記事が書かれた時点では、奥様の遺骨をお墓に納骨はせずに、借り上げアパートにおいているようです。

 

(5)死亡は事故のため 「認めよ」東電に手紙

「賠償金が欲しいんじゃない。女房が原発事故のために死んだと認めてほしいだけなんだ」この記事にもこの訴えが出てくるのですが、このように訴えたくても、そのために適切な場所は現在存在しないのです。裁判で、と言っても裁判はどうしても『賠償金を要求する』というプランで行わないといけないわけです。

そういう事があるために結局『賠償金があるから原発事故で死んだと認めない』という意識が生まれてしまう。お金のために、事業のために事実認識を歪めるという仕組みがここに成立するわけです。また裁判の仕組みを利用することで、上記の『賠償金を要求する』プランを利用して事故で亡くなったという事実認識を勝ち取らざるをえないために、『被災者がカネ目当ての賠償金たかりを行っている』なんていう酷い中傷が行われてしまうのです。

それに加え裁判だとハードルが高い、時間がかかるなどの事があるために諦めてしまう人が出てしまうことが懸念されたために、早期に解決するスキームとして『原子力損害賠償紛争解決センター』というものが出来上がり、早期和解を促しているわけですが、東京電力はその和解案すら蹴っていて、そういう東電の姿勢を見てなのか更に『賠償金たかり!』という一部の声が定期的に上がっているのが残念でなりません。

 

 

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