赤枝恒雄『人であれ動物であれ、命というものは絶対無二のもの』

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平成26年11月7日 環境委員会にて

動物愛護に関する姿勢も強い意思を感じる、そういう質疑です。
全体的に『倫理的』に厳しい姿勢を見せる議員さんのように思います。

 

○赤枝委員 (略)
何かきょうはペットの集中審議みたいなことになってしまいましたが、ペットは、余りにも我々にとって家族の一員という感じで、私の友人の女性も、御両親が亡くなったときには涙も出なかったんですが、ペットが死んだらもう仕事もできないぐらい落ち込んでしまったぐらいに、ペットは家族の本当の一員となっておるような現状でございます。
私自身も、小学校のころに迷い犬を、シロちゃんという犬を小学校のとき飼っておりまして、亡くなったとき、死んだときに私も学校に行きたくないと思ったような記憶もございます。

その後私は、医者になるために医学生になって、それから医師になり、臨床実験や研究の過程の中で、生命倫理に直面して、産婦人科医として五十年間、いろいろなことを考え、悩み続けてきました。
この間、人の命だけでなく、医学の進歩に貢献してきた実験動物のことを忘れることはできません。主に私はウサギでしたけれども、ウサギの耳に女性の患者さんの尿を注入すると、四日後におなかをあけて解剖して卵巣を見ると、そこに赤い斑点が出ているんですね。それで妊娠がわかるわけです。そういうことで、多い日は十匹近くのウサギのおなかをあけて、そういうふうに実験動物のお世話になっていたという過去もございます。
私のこのような背景を踏まえまして、動物愛護についてきょうは質問させていただきます。こうした質問をきょう許していただけた先輩、同僚の先生方には本当にお礼を申し上げます。ありがとうございます。

医学研究において、ともすれば行き過ぎた動物愛護が研究の障害になることも時としてあるわけですが、しかし、人であれ動物であれ、命というものは絶対無二のものであります。医学研究の世界では、命と命の間でどちらかを選ばなければならないときもあります。私自身、臨床産科医としてそのような場面に立ち会い、その都度やりきれない思いをいたしました。
動物愛護の精神からは、必要以上に実験動物を使うことは許されないことですが、そのためにどのような議論や検討がされているのか、お聞きをしたいと思います。

(略)

○赤枝委員 ありがとうございました。
現在、ペットが、先週の金曜日にも栃木県で六十匹殺されたりして虐待されているんですが、その大きな理由の中でも、悪徳ブリーダーの存在というのがかなり原因じゃないかと思われる節があります。

お手元に写真を、二枚目の写真を見ていただければおわかりになってくださると思いますけれども、犬が立ったら背中までつくような小さなおりの中で、この犬たちは一生ここから出られないんですね。人間になでられることもなく、毛を洗ってもらうこともなくて、散歩もできなくて、それでこのまま産み続ける。産むための道具みたいな感じになって、そのために、頻回の妊娠、出産で骨が弱って、歯はもうぼろぼろです、それから、顎も溶けたような状態になって、こういう悲惨な親から子供が生まれ、我々の市場といいますか、ペットショップの店頭に並んでくるわけですね。
環境省の担当の方々も多分こういうのは視察に行かれたと思うんですけれども、これに対して何か強制的な調査とか取り締まりとかが、僕は積極的に何かやってもらいたいと思うんですけれども、そういう悪質なブリーダーや動物の取扱業者を規制するということはできないんでしょうか。
規則として、施設基準とかいろいろな基準があると思うんです。あと、動物の販売時の日齢も、余りにも小さなペットをそのまま市場に出してしまうような悪徳もいるわけですけれども、この日齢についての規制とか、こういうものもどうなっているんでしょうか。教えていただければと思います。

(略)

○赤枝委員 ブリーダーの現状を、本当にいろいろな莫大な写真を見せてもらったら、やはりこれは一日も早くこの動物たちを助けなければいけないし、正しいブリーダーの姿に戻さなきゃいけないと思うんです。

(略)

○赤枝委員 この現状を回避するには、やはり一日も早い規制とか強い立ち入りとか、都道府県に任せておくだけでなくて、やはり国の関与といいますか、国のかかわり、何か国の強い指導みたいなものが僕はあってほしいと思うんですが、今後、国が地方自治体に対してペットの愛護について指導していくような計画というのは何かございますか。

(略)

○赤枝委員 本当に、日々かわいそうな動物が繁殖のためだけに飼われて、ぼろぼろになって、最終的には殺処分されている現状を見ると、やはり動物のブリーダーの環境についてまずどうにか改善をしていただきたいというふうに強くお願いをしたいところであります。
幸いにも、六月に、牧原プランというアクションプランができましたね。これはさっきの井上議員のお話にもありましたが、私はこれは本当に救いでありました。
ですから、ここでもやはり一匹の動物が、一匹ずつの動物がもし登録されれば一番いいんですが、登録して、一匹の動物が十匹まで産めるとか、二十匹も三十匹も四十匹も産んでいる現状ではやはり体を壊すということがありますので、一匹の動物が十匹までお産をできるような登録みたいなものができれば、これはかなり難しいのかもしれませんが、動物の体を考えると、やはりめちゃくちゃな多産は体によくないわけなんで、その辺もこのアクションプランの中に入れていただければというふうに思います。
日本では今、年間十六万匹の犬や猫が殺処分されていますが、先進国の中で、僕が聞いているのは、先進国では殺処分がないというような、日本だけであるとか、特にオリンピックを控えて、六年後ですか、二〇二〇年に外国人が日本に来て日本のペットの現状を見て多分驚くだろう、その辺ごろまでには日本のペットの殺処分をゼロにしなければという御意見とかあるみたいなんですが、本当に外国は動物の殺処分というのはないものなんでしょうか。

(略)

○赤枝委員 ちょっと私も読んだところによると、行政は一切殺処分は海外では行っていない。ただ、ペットに関するいろいろなNPOとかNGOとかボランティア団体、ボランティア団体とは言わないんですね、何か付随するNGOがそういう処分を行っていて、行政は一切手を下していないということなんですが。そういう海外のある程度例も教えていただいて、殺処分が本当にゼロになるのが一番理想的ですから、そうなるように、これも海外の例を勉強しながらやっていただければというふうに思います。

 

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