育鵬社、フジ住宅に誘い水を差す

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大阪市教育委員会が昨年の教科書採択で実施した無記名アンケートをめぐり、育鵬社(東京)社員が、同社版支持が多ければ採択の可能性が高くなると大阪府岸和田市の不動産会社「フジ住宅」(今井光郎会長)に伝え、従業員が教科書展示場から1200枚超の用紙を集めたとみられることが5日、分かった。

アンケート用紙1200枚集める 育鵬社社員働き掛けも

記事への感想

教科書関係のこういう話題、これまでは『検定中の教科書を専門家に見せて、意見を募り謝礼を渡した』みたいな話が中心でした(東京新聞:12社、検定中教科書見せる 教員ら4000人に謝礼 文科省調査:社会(TOKYO Web)

この教員に謝礼を渡して、意見を募っていたという動きは『本当に採択を動かそうとしたのか?採択にどれだけ影響したのか?』という問題の一方で、教員とのつながりで教科書が更に良くなっていくという方向の影響もあるので、どこまで許すべきか?みたいな程度問題という認識が広がっていたように思います。

しかし、今回の育鵬社の問題は、なんと民間企業の会長に『どうやったら教科書が採択されやすくなるのか』を伝え、民間企業に採択活動をさせる(ように誘導している)という非常に悪質な行為であるとしか言えないものだと思います。

『(フジ住宅の)今井会長は、育鵬社教科書事業部の関係者の情報として「大阪市については教科書展示場にて数多く教科書アンケートを記入していただければ、育鵬社に採択される可能性が高くなる」と、社員に伝え、アンケート活動を大阪市に集中した』ということは、これまでも言われてきたので、この関係者の情報が本当に有ったことが今回、裏付けられたということになりそうです。

育鵬社は更に、採択に確実に影響を与えるとわかっている、採択権限を持つ『教育長』に検定中の教科書を見せるという行為を行っていることがわかっており、教科書採択をめぐりコネをつくろうとするなどの、政治的な動きがどんどんオモテに出てきています(検定中教科書:教育長も閲覧 育鵬社・14年度 – 毎日新聞

教科書採択というものが人為的に行われるために、このようなコネを作る動きが起こってしまうのは仕方ないことだとは思いますが、流石にアンケートに動員する動きへ誘い水を差しているのを見ると、他の行為も全て『悪質』につながっていると判断せざるを得ないと思います。

そして、そのような悪質な行為を行っている社がつくる教科書が本当に大丈夫なのか?という疑問も当然強くなるでしょう。

育鵬社の周辺から、じきに『自虐史観を払拭するための戦い』だとか『反日勢力の影響力をそぐためにやった』などという言い訳が漏れ出てくるのでしょうが、そんなアホなことを言ってるような人々に支持され、さらにそういう人を広告塔だったり、運動員として利用する社が作る教科書が普及するということが、個人的には恐ろしいと思います。

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